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えーっと……マジで?

お久しぶりです、大変長らくお待たせしました。


今迄と比べると短いでしょうが一応次話です。


何分久方ぶりですので私のリハビリの意味もあって進行具合は芳しくはありません。


って言うかここまで間を空けると書きたいことは決まっていても自分がどういう風に書いていたかを思い出すのは苦労させられます。

勿論自分でも目を通してはいますがおかしな点がありましたらいつも通りご連絡いただければ。



【一応のおさらい】


カイト君、精霊さん達から有力情報ゲット!!

「ヨミさんが勇者を倒したのか…………」

その後、町の少年たちと一騒動

少年達「レンちゃんと結婚するのは僕達だ!!」

   「そうだそうだ!! ヨミさんを連れて行ったお前みたいな男騎士になんてレンちゃんを渡せるか!!」

カイト「言うのは自由だし、ヨミさんの情報くれるのは有り難いけど、悪口、ダメ、絶対!! 」←今ここ

激情をぶつけてくる少年から新たな情報が引き出されたことに一瞬驚かされる。

いや、勿論彼等が怒りの丈を露わにしているのにも多少は思うところはあるが今はそこはいい。


ヨミさんへと通じるかなり有力な証言だ。

突如としてこのような場面に行き当たった驚きこそあるものの、一言一句彼等の言葉を聞き逃さない想いで構える。


よっしゃ、何でもバッチ来い!!




「――うぅ……こんな、こんな全身鎧野郎に、ヨミさんは……」


…………。

う、うん、何でも……



「――女の子と目見て碌に会話もできなさそうなコミュ障に、ヨミさんは連れて行かれたって言うのか! くそっ!!」


……………………。

何でも……



「――なんて理不尽なんだ!! くそっ、早く大人になりたい!! 大人になってもトラウマばかり持ってそうなこんな奴じゃなくて、ヨミさんを助け出せる、レンちゃんに似合う相応しい大人に!!」




……あれだよね、皆感情に任せて言ってるんだよね?

ちょっとレンに怒られたから動揺してそういうことを言っちゃってるんだよね?






――じゃないと意図的に俺に暴言吐いてる様に聞こえるんだけど!?


ってか何で今の今会ったばっかりなのにそこまで核心ついてくんの!?

お前等人の心の傷えぐるの上手すぎだろ!!



大人になりたいんならお前等覚えとけよ?

時として意図せず発した言葉が実は誰かの心に深い深い傷を与えるかもしれないことを!!

その言葉の暴力がトリガーになって、偶に一人になった時トラウマ思い出して頭抱えて悶える恥ずかしい奴がいるかもしれないことを!!



「まあまあ先輩、相手は子供ですから……」


ヤクモも、流石にここで冷やかすようなことはせず、俺を気遣ってくれる。

…………くっ、今回は新規のヨミさんの情報をゲロったことで許しといてやる、感謝しろよ。







その後、再びレンが怒る前に彼等を宥めすかそうとする。

しかし、ああなった子供というのは存外に厄介だという経験は誰しもが持っているのではないだろうか。


感情が爆発してしまった子供は、その行き場を失った感情を上手く処理できず、ただただ周りに当り散らす。

今回はその被害に遭っているのが俺だけなので……まあ良しとする(逆に俺だけに的を絞ってる辺り「お前等感情コントロールしてんじゃねえの!?」という疑問が湧いてくるが、そこは一先ず措く)。



とは言えこのままいけばまたレンを怒らせてしまい、そうしてまた彼等の負の感情が高まってその矛先が俺に――という悪循環が生まれてしまう。


もうヨミさんについてこれ以上新たな証言が得られるかも怪しい。


どうするか……









――そんな感じで悩んでいる俺達の目の前が、何の前触れも無く突如として、目を開けていることすら困難な程の眩い光で埋め尽くされた。





「――なっ!?」


「え!? 何これ!?」


「っ!! ――先輩、レンさん!!」



俺は勿論のこと、レンやヤクモでさえも先程とは比べものにならない程の驚きの声を上げる。

何が起こったのか全く分からずに、人間が最も多くの情報を受け取る器官である目を塞がざるを得ないという異常事態。



いつも冷静なヤクモでさえも、その声に焦りの色が窺えるのも無理はないだろう。


――斯く言う俺も実は結構焦ってる。

だって精霊達は何にも言わなかったし、それに『索敵』にだって引っかからなかったんだぞ?


危機管理の鬼たる俺の警戒網を潜り抜けて起こったのだ、これが外敵の仕業だとすると相当のもの。

それか本当に純粋な異常事態だったとしても……どっちにしてもただ事ではないだろう。



「うっ!!」


「な、何だ!?」


「ま、眩しい!!」



それは子供達にも例外では無く、眩い光に当てられて一人、また一人と地面へと崩れ落ちていく。

くっ、この光にはそんな作用まであるのか!?



そうして恐らく全ての子供達が倒れたであろうことを感じとり、俺は慌ててレンとヤクモの二人を庇おうと『索敵』の対象を切り替え――って、あれ? 

なんかこれ、似たようなこと最近無かったっけ…………








「――子供であろうとカイト君に対してあんな戯言をほざくなんて…………流石に我慢なりませんでした。全く、変なむしがカイト君に着いていないか心配でしたがこれはこれで…………」


「え? この声…………」


まだ頭の整理がつかない中、つい最近まで聞いていたことのある声が耳に入ってくる。


「くっ、敵、ですか!? ――って、あれ? 光が……」


「眩しく、なくなったね……」


二人の落ち着きを取り戻した声に応えるように目を開けてみる。

確かに……


光は既に収束したのか、恐る恐る目を開けてみるとそこには地面に伏している子供達を除いては先程と殆ど異ならない光景。


そして今も尚精霊達から異常を伝える声は聞こえてこない。

代わりに俺達の耳に届いてきたのは他の存在を窺わせる足音。


更に復活した視界が捉えたのは、光が発生する前には存在しなかった何とも質素なフードを被っている一人の人。






そして彼――いや、彼女は、俺の目の前まで歩を進めると、自らのフードを取り去り、笑みを浮かべる。







「――カイト君、来ちゃいました!」


「お前――」


何付き合いたての彼女が我慢できず彼氏の家来ちゃった、みたいなこと言ってんの!?

そう言う事サラッと言うの止めろよ、勘違いして好きになんだろ!?



――そうツッコむ間もなく、彼女フィオムは、俺の被っているヘルムの口の開閉部分を開いて…………!?



「な!? 先輩、それマジですか!?」


「お、お兄ちゃん!? そ、そんないきなり!! ボク、どう受け止めれば!?」



現行犯的にその場を現認していた二人からはどこか悲鳴にも似た非難の声があがる。



俺の身長に合わせるために背伸びしていた彼女フィオムは、感触を確かめるように自分の唇を指でなぞっている。

その顔はどこか恥じらいもあるものの、満足げでもあって…………





「――キス、しちゃいましたね」







ええ、しちゃいましたね…………












――彼女フィオムは男の見た目ですけどね…………







その後、彼女フィオムがただ単に思いつきだけで来ただけでなく、歴とした理由があってのものなのだと言う説明が俺達になされるまで、この事実を自分の中でどう消化させてあげればいいか、心の涙を流しながら独り、遠い目(白目)をして頭を悩ませていた…………




=====  ????視点  =====



どう、しよう…………

ここまで悩んだのはいつ以来だろうか。


きっとこれから先、このこと以上に頭を悩ませる出来事とはお目にかかれないに違いない。


恐らく私の顔はこの難局を前に、自分でも驚くほど真っ青に染まっていることだろう。

まだ騎士達にどう対応するかをランドに尋ねられた方が明確な回答が出せるというものだ。


何で私ばかり、こんな不幸なことに…………







――いや、これが事実なら、本当に不幸なのは私なんかじゃない。

このことを知って悲しむのは私ではない、私の大切な人達だ。

だからこそ、その可能性があるからこそ、こうして…………





「――き、おーい、姉貴ってば!!」


「うわっ!! なに、いきなり!? 敵襲!?」


「いや、オレオレ、俺だってば」


自分のことを『オレオレ』と怪しげに呼称する胡散臭い人間には心当たりはない。

しかし、私のことを『姉貴』と呼ぶ人間は、世界中探しても一人だろう。


「って、何だ、ランドか」


合流場所にて考え込んでいた私に声をかけて来たのは弟だった。

弟はいつにも増して辛気臭い顔をしていた。


もっと表情豊かになれば、元は良いのだから彼女の一人や二人くらいできるだろうに…………


「『何だ』とは何だ。姉貴がこの世の終わりみたく絶望した表情で考え込んでたから声かけてやったってのに」


「あ、やっぱりそんな顔してた?」


「心当たりあんのかよ」


「うん、今そのことで私冗談抜きで一杯一杯だから。ってか下手したら直ぐにクランの本部に帰らないといけないレベルまである」


「え、マジ?」


「うん、大マジ」


「それは流石に…………俺もビックリだわ。ゴメン」


「うむ、分かればよろしい。――今本当にそれで迷ってるの。そのことの対応如何では申し訳ないけど……」


「それはしゃあないだろうけど……そんなにマズいの? 訊いても大丈夫なこと?」


「うーん…………」


私は実の弟ですらこのことを話すのを躊躇う。

本当なら今も彼のことをずっと考えているだろうあの人達にいの一番に伝えてあげたい内容なのである。


それすらも悩む程なのだ。

弟は直接は関係していないのだ、こうして躊躇ってしまうのも無理はないと自己弁護する。


「あのさ、例えなんだけど…………」


「ん? ――ああ。うん、例えな、例え」


弟もこの会話の端緒を了承してくれたようだ。

流石に私も全てありのまま伝えるなんてことはとてもじゃないけどできない。


「あんたに好きな人がいるとするね、まあ実際にいてもいなくてもどっちでもいいけど」


「おお、俺に好きな人がいるとする」


ランドは特に動揺するでもなく私の例え話を受け入れてくれている。

だが私と母だけが知る、弟の嘘をつく時の癖――首の後ろを労わる様に2度撫でる、が発動している。


実際には……いるんだろうな……


「うん、でね、そのあんたの好きな人があんたの為を思ってあんたの傍からいなくなっちゃったとする」


「ん? え? 嘘、だから団長を辞め……」


「へ?」


「へ? ――…………ああ、いや、うん。そうだな、俺の傍からいなくなったと。それで?」


コイツ、何の話だと思ってんだか。

我が弟ながら面倒くさい奴だ。



「それで、偶々、本当に偶然にもその人を見かける機会があったとしてね?」


「おお、良いことじゃないか。――俺も、久しぶりに会いたいな…………」


一々自分の想いを語らないと気が済まんのか、この愚弟は。

こっちは本当に生と死の瀬戸際を彷徨っている並に危機だと言うのに…………



「……………………」


「ん? 姉貴?」


この先がこの話の核心なのだが、その部分を切りだせずにいる私を心配気にランドが見つめてくる。

本当、こういう所をちゃんと見せれば私と違ってモテるだろうに…………



私は弟の気遣いに感謝しながらも、一言一言間違えないようゆっくりと言葉を口にしていった。



「その、ね?」


「おう」


「その人が…………」


「その人が?」




私は、自分が見た光景を想いだし、二呼吸ほど溜めて、それを口にする。





「――キス、してたの」


「っ!? ――それは……キツイ、な。うん、俺なら多分…………耐えられないと、思う」


「でしょ!?」


自分の賛同者を得られたことに、私の気分も幾らかマシになった。

やっぱり、幾らアイリさん達が探しているとは言っても、こんな出来事をそのまま話すわけにはいかないだろう。


そして私は更なる賛同を引き出そうと言葉を紡ぐ。



「でしょでしょ!! ――はぁ、やっぱりそうだよね、普通はキツイよね」


「ああ…………とは言っても、一応何かの例えなんだろ?」


「うん、あくまで例えだから、あんたは気にしなくていいよ」


「そっか。ま、姉貴が何悩んでるか知らないけれど、話聴く位で力になれたんなら良かったよ」


ランドもまあ純粋に私のことを心配してくれたんだろう、安堵の表情を浮かべてそんな優しい言葉をかけてくれた。


本当、もっと明るい表情を常日頃から心掛けてたらクラン内の女の子ももっと彼女達からアプローチしてくるだろうに。


姉だからって何でもかんでも弟の趣味嗜好を私に聴かれても困るし。




――ま、そんなことは今はいっか。






「ありがとう、話聴いてくれて。実際には“同性と”だったんだけど、まあ話を聴いてもらえて幾らかはスッキリしたわ。後は私が考える。――でさあ、話変わるんだけど」


「いや、それは滅茶苦茶話変わるわ」


=====  ????視点終了  =====




フレアさん、決定的な場面を目撃!! カイト君ホモ疑惑再浮上!!


主人公「……………………」遠い目(白目)



本来であればこの最新話で色々と問題の外観が見えていたはずなんですが、私のせいで間を空けてしまい、どういう風に進めるか自分でも少し整理しないとグチャグチャになってしまう恐れがあったのでそれは次話以降に。



筆者は昨日のヤフーニュース見てテンションが上がった口です。

分かる人には分かる、でもどうでもいい人にはどうでもいい――今の筆者の状態はそんな感じです。

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