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『ラセンの町』に到着ですが……

……すいませんでしたぁぁぁ!!

面目ない。


普段は単発でくるような調べ物が一度に複数きやがりましてやむにやまれず……


勿論その中には私の専門とすることもありましたが一方で全く専門外の自然科学の領域すらあった次第で……


まあそんなことは良いですね。



このお話よりストーリーは一気に加速していく……予定だったんですがね。

やはり「予定」は「予定」。

思っていた半分位しかこのお話で進んでない現実……逃避行したいです。


あれですね、読んでいただければ分かるかと思いますが、途中話が完全に逸れたような議論をカイト君が1、2個挟むんですよ。

きっとそのせいです!!


日数が空いてもカイト君が通常運転なのは良いことなのですがストーリーが進まないのは私的には困る……


『ラセンの町』は聞いていた以上に見た目豊かなところだった。

緑とか自然あふれると言った意味でもそうなのだが、何より人工物が少ない。


今迄訪れた町・村などでは、モンスターの侵攻・侵入を防ぐべく周りに柵や防壁などが張り巡らされているのが一般的だった。


リューミラル王国の首都―リュールクスの城壁なんかはその典型だ。


―だが、『ラセンの町』は違う。


入り口にあるのは訪れる者を歓迎するかのように造られた一つの簡素な門のみ。


それ以外には町の周りを囲う城壁・柵などは存在せず、初見の者に対してはとても無防備な印象を与える。


しかしそれでもモンスターの被害を訴えることなくこの町が運営されている一助となっているのは……





『ひゃ~凄いねぇ!!』

『あれもドラゴンかな~!?』

『ドラゴンドラゴン!!』




周りに飛び交う精霊達が口ぐちに言っているように、偶に俺達の上空を飛んでいるドラゴンのおかげであるのだろう。



種々様々なドラゴンが、この町の周りをまるで見守る様にして飛行し、そして時として町に近づこうとするモンスターを牽制するかのように降り立ってくる。


実際に目にするまでは話の種程度にしか認識していなかったが……



『迫力満点~!!』

『カッチョイイ~!!』

『うひょ~!!』



モンスターとは言えこの辺りにいるのはそこまで凶暴ではない奴ばかりだ。

ドラゴンが町を旋回するだけでも十分な威嚇になるのだ。


そしてその簡素な門の前には不釣り合いなほど巨大なドラゴンが……

俺が見慣れているような翼が生えたそれではないものの、太い四肢、首ともに立派なものでその巨躯は誰もが見上げてしまう。


同行しているオルトさんやヤクモ達でさえもそのドラゴン達を見ては同じような反応を示していた。




「……お前等、そろそろ“かくれんぼ”の続きを始めるぞ?」



―町の入口に差し掛かろうとしていた折、威圧感満点のドラゴンから目を逸らさず、俺は周りをうろちょろと飛び回っているであろう精霊達にだけ聞こえるように呟く。


『うおっ!? かくれんぼの再開だーー!!』

『うっしゃああ!! ―光と風の皆さん!! よろしくお願いします!!』

『『『任せいぃぃ!! とりゃぁぁぁ!!』』』



光と風の精霊達が合図すると、全ての精霊に粉のような光が降り注ぎ、その全員が魔法にかかったかのように俺の目の前から姿を消す。


……って言うか魔法ね。


周りの景色に擬態するかのように瞬時に透明となって、俺の目では捉えられなくなった。



精霊の姿はそもそも『精霊魔法』を使える者にしか見えない。

だから彼女達が普段から俺の周りに浮いてようが遊んでいようが特段おかしなことはないのだ。

しかし……



「……? 精霊達が……消え、ましたわね」

「あ、ああ。ちょっと遊んでるんだ。だから気にしないでくれ」

「はぁ……分かりましたわ」


俺と同じく、ミレアのように『精霊魔法』を使う事が出来る者には、精霊がいるかいないか、また何をしているのかが見える。


……だから、基本的には精霊達が何をしていようと放置で構わないのだが、もし精霊の姿が見える者と遭遇すると、その人にとっては俺の周りは異常に映るのだ。



だって精霊凡そ60体が一点に集まってうろちょろしてんだよ?

魔法が得意だとか言ってるハイエルフのミレアですら一桁なのだ。


人族が精霊と行動を共にしているだけでも「ん? …………んん!?」って二度見必須なのに、その数が1体に留まらないとなると……



想像するだけでも胃が痛くなる。



で、だから精霊達に「できるだけ姿を隠してくれないか?」と言い聞かせたいところなのだが……それは少しだけ置いといて……




『……クスクス、ねえ、バレてない?』

『うんうん!! バレてないバレてない!!』

『光と風の皆のおかげだよ!! ―これなら……バレないね?』

『へへ~ん、バレないバレない!!』





……まる聞こえである。




あかん!!

かくれんぼで声出したらあかん!!


姿見えなくても一発でバレる!!

推理とか名探偵とか一切いらん!!


鬼全くやりがいないで!!



「アー、ドコニイルカ、マッタクワカラナイナー。サッパリダー」

『クスクス……バッチリだよ!!』

『私達、見えてないよ!!』

『ふっふっふ、これなら一生見つからないね!!』



あ~、お願い!!

かくれんぼしてるんだからしゃべらないで!!




上級となった光と風の精霊が協力したら精霊に限ってだけど姿を消せる魔法が使えるという事実まではいい。

フィオムで似たような事象を見てるからな。

ルナの加護を受けたから、周りに姿を偽って見せることも可能―要するに『惑わし』の力だな。


そしてその加護を与えている張本人、大精霊たる『ルナ』の下位に位置する上級精霊なら似た力を使えてもおかしくはない。


勿論それがルナ本人に劣っていて当然だが、そこを風の精霊と力を合わせて見えないようにする……そこはいいんだよ。





そして服についても「裸は……目の毒だから」とかあらゆる方面から手を変え品を変え説明しても納得してくれなかった彼女達だ。



「よし、じゃあ“かくれんぼ”という遊びをしよう!!」と遊びという観点から、俺がおかしな人間に見えないようにという名案を申し出た……そこもいい。





でもこの子達致命的なまでに心が子供だった!!


かくれんぼしててまさか声漏らしちゃうとは思っても見なかった。


折角精霊の姿を隠せて、こっちは『鑑定』と併せて相手が『精霊魔法』を使えるかどうかを見極めるいい方法なんだが……



まあ彼女達の精神年齢からしてただただ遊びたいだけなのだろう。

俺が自らの情報を隠したいとか、そう言う面倒な事情はあまり分からない、というより分かる必要も無いに違いない。


精霊と人間の世界は違う―だからこそ彼女達も俺達人間に興味を示して、こうして近寄って来てくれるのだから……


そこはしゃあないな。

じっくりと人間の文化というものも教えて行ってやろう(いや、変な意味じゃないよ?)。


幸いと言うか何というか、精霊と人間の生きることができる時間は異なる。


だからまるまる一日放置しても「あれ、俺、もしかして鬼に忘れられてるんじゃ……」みたいな幼少の頃の悲しい記憶を彼女達に教える切欠も無い。



「グギャァァァァァ」


所謂地竜の盛大な叫び声に耳を塞ぎながらも、俺達はその門をくぐった。



◇■◇■◇■



「さて、着いたはいいが……」


最近は、ユウさんの代理として総隊長を務めていることも有り、オルトさんは普段から更に堂々とした振る舞いをしている。


そのオルトさんがこのように戸惑いを混ぜた言い方をしているのは……




「……あんまり、歓迎はされてないみたいですね、先輩」

「ああ……そうみたいだな」


ヤクモの呟きに同意する。

俺達の何気ないやり取りに、リュートさんもうな垂れながら同調してきた。


「まあ、言っても騎士だしねぇ~近付き易い印象は無いんじゃないの~?」

「リュート様、そんな他人事みたいに……」

「え~?」

「“え~”じゃありません!! 全くもう……」


ライザさんがいつも苦労してるんだな、ということを再認識したところで現状確認だが……




先程、俺達が町の中に入るまではちらほらと人影らしきものも外から見えていた。

だが、入った途端打って変わって人々は蜘蛛の子を散らしたように自分の帰るべきところへと戻って行き、そして今は…………



「まるでゴーストタウンだな……」

「人がいることが確認できてますから良いものの……」


リュートさんは仕事らしい雰囲気になるとダメダメなので、ライザさんがオルトさんの言葉に受け答えしている。


「そうですね~これもきっとオルトさんの鬼っぷりや先輩のボッチっぷりが致すところ……―おっと」

「「おい」」


オルトさんとピッタリ息が合ったツッコミもしかし、ヤクモには届いていない様だ。

まるで「おっとっと、口が滑っちゃいました」みたいな言い方だったが、コイツ確信犯だろ……


お茶目にペロッと舌だしても「ちょっと可愛いなコイツ……」くらいしか思わないからな!!



「―って、ち、違うからな!! わ、私はただヤクモの言葉を否定したかっただけで、お、お前とい、息が合ってるとかそう言うわけでは―」


何故か一人で慌てふためいているオルトさん。

誰も触れなければそこん所はスルーしてたのに……



「はいはい、オルトさんはツンデレツンデレ」

「な!? ヤクモ、お前ぇぇ!!」



二人は二人でいつも通りだな……



―そんな呑気に町の様子を見ている時だった。

単なる町人、と片づけてしまうには少し高級感のあるスーツめいた服を着た男性が、10人程の冒険者と思われる者を引き連れて門にまで近付いてきた。



「いやぁぁぁ、これはこれは騎士様方!! ようこそおいでくださいました、『ラセンの町』へ」



相手の顔が見えてくる距離まで近づくと、彼の人相がハッキリと目に入ってくる。


スポーツ刈りで決めた頭、無精髭、筋肉質な体、そして人当たりの良さそうな笑顔……俺が最も嫌いとする人種の3つに入るもの―要は完璧な体育会系だ。


「まさかまさか、こんな遠くにまで騎士様がはるばるおいで下さるなんてっ!! 私としては嬉しい限りです、ハイッ!!」


ビシッと背筋を伸ばして俺達の先頭に立っているオルトさんにそんなこと告げるが……


「―っ」


……声もうるさい。


堪らず耳を抑える仕草を取ってしまう程に。

さっきの地竜の咆哮の方がまだ俺にとっては好印象だ。


宝塚や役者じゃないんだからそんな腹から声出さなくたってこっちは聞こえてるっつうの。



『うぅぅぅ……』

『み、耳が……』

『お、音の皆さん、何とかしてくださ~い!!』

『『『うぅぅぅ、任された~……』』』



ああぁぁ……ほらっ、隠れてる精霊達が怯えちゃってるじゃないか。

もう少し周りが迷惑していることに気付いてほしいものだ。


そういうことができないから“脳筋”とか言われるんだよ。


「うむ、私達が来ることは先に来た者達が伝えていたはずだが?」

「そうそう~、リュートの部下が来たと思うんだけど~」


オルトさんが言ったのは、リュートさんが付け足した通り、俺達より先にリュートさんの従者である5番隊の人達の先遣隊のようなものが送られたのだ。


殺人や窃盗のような一定の犯罪を犯したらペナルティーがある“大賢者の遺産地”に目をつけた俺達は、ヨミさんが寄ったと報告された地に、もう一度調査するための人員を派遣。


それはこの『ラセンの町』も例外ではなく、そのため事前に俺達が来ること自体は恐らく伝わっているはずなのだが……



「はいっ!! それはもう、大変礼儀正しい方々で、私達も騎士たるは何たるかを体現しているかのようなそのお姿に―」

「ご託はいいですよ~―それで、ボクらが来ること自体は分かってたんですよね?」


ヤクモも俺と同じく、こういった無駄に暑苦しい体育会系のような輩は好かないらしい。

オルトさんをからかうときのような楽しんでいる声音は一切なく俺やレンと初めてあった、あのスラムの夜の時のようにトゲトゲモード。


トゲ(ピー)の頭の方がまだ刺々しくないくらいだ。



「それはその……はい。承知してはおりましたが、私達が承知していたより幾日も早くお着きになったものですので……」


ヤクモの鋭い切り込みに勢いを削がれたのか、体育会系の男は彼等特有の何でもハキハキと、という特性を発揮できず、申し訳なさそうになる。


「そうですか……」


彼の対応にヤクモは、興味はそれで尽きたと言わんばかりにそれ以上は特に何も言わずに俺やオルトさんに先を促すようアイコンタクトしてくる。


「ふむ……そうか、私達が早く着きすぎたのか、であればそこはあまり気にしないでもらって構わない―それで、あなたがこの町の?」


オルトさんが今更ながらに、体育会系スーツ男に尋ねる。

すると男は今度はコロッと表情を明るくし、訊かれたことが本当に嬉しいように声のボリュームを2段階程上げた。


「は、はい!! 不肖、私がこの『ラセンの町』の領主を務めさせてもらっている、“ドローウン・ヴィンセント”です!!」

「そ、そうか……」


……あのオルトさんですら引いてる勢いだぞ。

ヤクモは勿論顔を嫌悪の色一色で満たしてるし、斯く言う俺は言わずもがな、だ。


……今のも、唾飛んできたし。

後ろに控えてる俺にまで飛んでくるってどんだけ飛距離あんだよ。


お前、もし俺の顔が兜でなくアンパンで包まれてたら今頃大変なことになってたぞ?

Mr.Jだって年なんだ、バイキンの戦士が出てくる前にいらん手間かけさせんなや。

その内アンパンの作り過ぎで過労死すんぞ。


BATAK〇さん(なんか「どんだけ~!!」とか「まぼろしぃ~!!」とか言ってそうだな)は相続してウハウハだろうが……


もうその時点でアンパンの紳士は替えが利かない状況だぞ?

そうなればお腹を空かしている子供に顔を分け与えることもできない(それはそれで「子供がマネをするので今すぐ放送を禁止して下さい!!」とかバカみたいなこと言い出すモンスターを封印できるが……それはまあ別論だ)、悪さをする菌をやっつけることもできない……


彼はそんな困っている人々のために小さな活動をすることもできず、ただただ自分の賞味期限が来るのを待つだけなんだぞ!!


なんと恐ろしいことか!!

それはあたかも自分の生きている意味を見いだせないままに来るべき死刑執行の日を待つだけの死刑囚のような扱いではないか!!


子供達のヒーローにそんな仕打ちをしていいものだろうか……否!!


熱血男と言うのは、俺達に堂々と憚らず唾を撒き散らすだけに飽き足らず、そんな危機を、息をする度に撒き散らしていることになるのだ。


よって、今目の前にいる体育会系ヴィンセント氏は俺だけでなく全世界の子供達をも敵に回した!!

従って、彼はこれよりバイキン男と命名する!!

以上。



「―で、では少しあなたと話がしたい。お時間いただけるだろうか?」


子供の敵=バイキン男に向かって、オルトさんは申し出る。


「はい!! 勿論でございますとも!! 我が屋敷にご案内いたします!!」


彼はそう告げるや否や、踵を返して来た道を帰りだした。

その足取りと言ったら、遠足を明日に控えてウキウキしている子供の様に軽く……

子供の敵の癖に!!



「って、彼等の紹介はいいのでしょうか?」

「ん? ―ああ、そう言えば……」


ライザさんの指摘に、俺達の迎えに出てきた者が彼だけではないことに思い至る。

10人程のそれぞれ武装した男女が、何故か領主である彼と共に出てきたのである。


普通なら領主の護衛か傍付き、みたいに考えるんだろうが……

先に行ったのにも拘らず誰一人として彼の身辺を警護している、とは言えない位置取りにおり、俺達騎士自体を警戒している風にとれるのだ。


流石にそうなってくると疑問に思う。

俺は一人の男性を捕まえて尋ねることに。


「なあ、ちょっといいか?」

「へ? ―ああ、俺達のこと?」


俺が話しかけたのは雨が降った後の土のような髪色をした青年だった。

話しかけられたことに多少驚いてはいるものの、その表情は一瞬にして戻っていた。


他にも大人と思える男性や分別を弁えていそうな女性など、話しかけるべき人物はいたのだが……

何となくその全員が彼を中心にして行動しているように見えたからだ。


青年自身は覇気がなく、どことなく俺みたいに世界をあきらめてる―そんな年に反して哀愁漂う雰囲気があるのだが、それ以外は特筆すべき外貌はしていない。


……いや、挙げようと思えば挙げれる。

でも、挙げたくない。



―俺とちょっと似たような雰囲気漂わせといて顔はイケメンとか……誰が進んで自分からそんな違いを挙げたいだろうか、いや、挙げたくないに違いない!!


何その顔面差別!!

世界って不公平!!


もっとバランスよく出来てろよ!!

何かこう……ほらっ、イケメンだけどポッチャリとか!!

話しやすそうな緩い雰囲気に合わせて頭のネジも何本か緩んでるとかさ!!



ほんと、ここまで世の中理不尽だと抗う気失せるわ……



はいはい、どうせ天は二物与えてんでしょ?

知ってるよ、それ位。


ボッチの中じゃ常識だし。

イケメンが友達とか知り合い多いとかもう切断し難い世界の真理だし。


逆に「“ボッチ”と聞いたら何を思い浮かべますか?」って質問があったら「コミュ障」「不細メン」「残念」辺りの答えが普通にポンポン返ってくるし。




はぁぁ……世の中のイケメン全員がブロッコリーみたいな顔だったらな……




「俺達は……冒険者、もっと言えばクラン『地竜の咆哮』のメンバーだな」

「ん? 『地竜の咆哮』って……」


彼の返答に即座に反応したのは意外にも、基本他人には興味無し猫人美少女のヤクモであった。

ヤクモは怪訝そうな顔をして青年達に視線をやる。


「ああ、『ノームの土髭』の傘下のクランだ。今はまだ22人の少数クランだが、いずれは『ノームの土髭』内での居場所ももっと大きなものにしたいとは思ってる―おおい、サイガ!」


青年が一人の男性を手招きして俺達の下に呼び寄せる。

呼び寄せられた男性は一言で言うと……ゴツい。


大学時代何のスポーツしてたかって話になったらまず間違いなく「ラグビー」か「アメフト」って周りから言われる体型してるんだよ。


ライザ〇プに入会してる回し者かと疑ってしまう程である。

まあこの人の第一声が「ごっつぁんです!!」でも俺は受け入れるな……異世界でもね!!



「……そういう、事では無かったんですけどね」



先の青年の『地竜の咆哮』という発言に何か引っかかった様子だったヤクモが、相手に聞えないようにそう呟く。


「ん? どうした、何か気になることでもあったか?」

「……いえ、何でもないです。先輩は気にしないで下さい」

「そう言われると気にするんだが……」


大体女性がこういう言い方をするときって何かしら思うところはある、と言うのが俺の経験則である。

だが一方でそこで気にし過ぎるととんでもない地雷を踏んでいることも少なくないので……


「そうか……まあ何かあるなら直ぐに俺に言え。今更遠慮なんてする間柄じゃねえだろ?」


こういう風に無難に「相談にはいつでも乗るよ?」と言っておけば、下手に食い下がられるより相手も気楽だろう。


「…………先輩は、こういう時でも、優しいんですから……いつもいつも……ズルいです」


ヤクモが再び、聞えるか聞こえないかの声で呟いて見せたので……


「ん? 何か―」

「待たせたな!! 俺が、サイガだ!!」


最後まで言わせろや。


何!? 

俺には難聴系主人公のセリフを言う事すら許されてないってわけ!?

これもまた世界の不条理!?

それとも再び体育会系のノリか何か!?



「俺が……『地竜の咆哮』の団長をしている。勿論『ノームの土髭』という組織においては小さな立ち位置だがな」


ん?


今、間が……


体育会系は好きではない。

それは根性論とか熱血だけで何とかなると思ってる脳筋が多いのもその一つの理由だが……


それは進めると、あまり嘘をつくのが得意ではないということに繋がる。


今のコイツの間は、そんな嘘を吐くことを心の中で躊躇う独特のものだった……ように俺には思えた。


「…………」


チラッと傍にいたヤクモの様子を窺ってもあまり信用してないように沈黙して……ってヤクモも俺と同じでただ単に体育会系が嫌いなだけだということも有りえるが……


レンならもしかしたら……とも思ったが、嘘だと見抜いたとしてもレンは空気を読んでこの場で指摘することは無いだろう。


後で個人的に知らせてくれる、くらいかな。


「……そうか。―じゃあそっちは?」


俺はまだ疑問があるとばかりに最初に話しかけた青年に向けて首―兜を動かす。


「コイツは“ランド”。頼りになるメンバーの一人だ」

「どうも」


サイガという筋骨隆々のオッサンに紹介された青年は軽く頭を下げて、それで話は終わりとばかりにサイガにその場を任せてしまう。


『鑑定』を使ったところ……名前自体には嘘はない。


勿論オッサンの方が32歳、ランドと言う青年が16歳という事も併せ考えたら、彼等の説明の方が通常有り得ることなんだろうと思う。


職業のところで何かボロを出していないかとも思ったが傘下の団長レベルでは『トリプルジョブ』などは期待できないのだろう、“嘘”は無かった。


ただ……別に引っかかることはあった。





オッサンはその体型が物語っていた通りの職業―重戦士と斧使いをしていた。

一方でランドはと言うと……



職業:1.竜騎士ドラグーンナイト 2.魔導師




だった。



職業の『個数』という意味では矛盾はない、はず。

だが『質』という意味ではどうだろう?


そもそも『地竜の咆哮』なんて大層な名前―“竜”という字までつけている

そして職業の『竜騎士ドラグーンナイト』だ。


ここまで符号させておいて団長は社交性ある体育会系に一任……


まあそういうことが一切あり得ないとは言わない。

だが、さっきの筋肉のオッサンの不自然な態度と合わせるとそこそこ怪しい。


う~ん……彼が団長であると知られるとマズイ、若しくはあまり面白くない事情、か。



今はまだ具体的なことは思い浮かばないが……

何故か町の中の住民がこぞって家の中に入って行ったこと、そして逆に町人ではない彼等―『地竜の咆哮』だけが外を歩き回っていることもかなり気になる。


今後注意は必要だろう。



そうして、俺達は彼等随行の下、『ラセンの町』の領主兼体育会系たるヴィンセント氏の屋敷まで足を運んだ。


◇■◇■◇■



「どうぞ、小さいところで申し訳ありませんが、お寛ぎ下さい」

「いや、ここには歴とした仕事で来ている。寛ぎはしない」

「相変わらずオルトさんはお堅いですね~まあ今回は賛成ですが」


子供の天敵であるヴィンセント氏の執務部屋兼謁見部屋に通されたのは、俺とヤクモ、レン、それとオルトさんだ。


勿論それは別に彼等が人数を制限した、なんてことは無く俺達自身で決めたことである。


本来ならあと仕事ができるライザさんにも同行してもらいたかったがもう一つ注意を向けなければならない相手―つまり『地竜の咆哮』のメンバーが外で待機しているのだ。


戦力は分散せざるを得ない。


ミレアも普段は12番隊隊長を務めているのだ、王都でシキさんのフォローに奔走しているだろう残った隊員たちに恥をさらさないためにも、そして憧れであるユウさんのためにも頑張ってくれるだろう。


それに俺以外に『精霊魔法』を使えるミレアとは別々になった方が都合がいい。

今回、人形パペットを持ってきていない彼女はそっちの方面で大いに活躍してくれるだろう。



「かしこまりました……こっちのは私の娘でして“クー”と申します!!―ほらっ、クー、挨拶を!!」

「はい、お父様」


お世辞にも広いとは言えない部屋に案内されたのだ、嫌でも中にいる人物には目が行き届く。

そしてこの町に来て初対面であろう少女が誰であるかは俺達全員の関心事であった(俺は『鑑定』で名前を事前に見ていたので親子だとは分かっていたが……)。


「―私、クー・ヴィンセントと申します。齢は15です。このラセンの領主である父―ドローウン・ヴィンセントの娘です。騎士様方、どうか良しなに」


綺麗に梳いた髪、塵一つ着いた様子が無い衣服、そして整った容姿に一歩引いたような礼儀正しさ……あんた等本当に親子か?


何ならDNA鑑定を受けることをお勧めするが。


「ほう……礼儀が行き届いているご令嬢だ」

「全くですね……どこかのオルトさんに見習わせたいくらいです……」

「おいヤクモ」

「ヤクモお姉ちゃん……」

「おっと、これは失言……なんでしょうか?」

「俺に聴くな……」

「クスッ」


そんな俺達のやり取りを聴いていた娘さん―クーは上品に口元に手を運んで笑いをこらえていた。

へ~~……


俺達の視線に気づき、慌てて謝罪する。


「す、すいません!! その、騎士様のイメージとはあまり、その……」

「まあ、ウチはウチですからね~」

「ゴホンッ……他とは違う、という部分は認める」


俺やレンとは異なり、最初から第10師団に属していたヤクモとオルトさんが率先して答えてくれた。


「し、失礼いたしました!! なにゆえ、娘はまだ若く……」

「いや、気にする必要は無い」


即座に凄い勢いで謝罪しようとしたヴィンセント氏を制するオルトさん。

そして直ぐに顔を上げた彼に対して二の句を告げる。


「私達も時間が無限と言うわけでは無い。そちらも騎士に長居されては本来の生活をし辛かろう」

「い、いえ、そう言うわけでは……」


更に下手に出ようとした彼を、今度は咳払いでオルトさんは止める。


「ん、んん。―とにかく、本日来訪させていただいた要件をお伝えする」



◇■◇■◇■



「……と、言うわけでして、その件につきましても領民たちが日々頑張って精を出し、それぞれの仕事に励んでくれたおかげです」

「とは言うが……確かに町の収入が安定していることについては喜ばしいことではあろう。しかし―」

「支出の急な増加が目立ちますね。収入が安定しているのに、どうして支出が突如として増加しているんでしょうか?」

「そ、それはですね……」

「それは父では無く、私からお答えいたします」


ふむ……


「……何だか同じやり取りを繰り返してるって感じだね」

「……そうだな。俺もそう思う」


オルトさんとヤクモがヴィンセント親子に事情を尋ねている―その様子を後ろから観察している俺とレンは同じ感想に思い至ったようだ。




さっきからパターンが同じだ。




そもそも俺達が今彼等に聴いているのは失踪しているSランク冒険者たるヨミさんのことについてではない。


本音としてはそっちを聴きたい……のだが、リュートさんの部下数人が尋ねて来て聞き取りをするのと、俺達―つまり隊長格(オルトさんに至っては総隊長代理だ)が揃ってきて主にそのことについて尋ねるのとでは意味合いが違ってくる。


本来騎士が、失踪した一冒険者を捜索することなど任務になりはしないのだ。


今回は失踪した人が人だから俺達も動いてはいるが……



正確にはヨミさんを探すことは俺達の任務では無い。

俺が、個人的に、ディールさんと取引の結果やっているだけだ。


それを、事情を知ったヤクモが手伝ってくれている。

多分、オルトさん達は事情を知ってはいないがヤクモを手伝う、という形で協力してくれているんだろう。



だから、そういうことがあり、俺達としてはヨミさん捜索を『任務』として表から認めてやることには少なからず問題があるのだ。


で、ヤクモが目聡く見つけてきた『ラセンの町』の最近の財政事情について聴取する、ということを建前に幾日か滞在してヨミさんについて調べる―これが俺達の本音だ。


ただ、確かに建前上の任務であるから「これこれこう言う事ですから」と説明されたらそれで終わりで良いものなのだが……



それが、俺とレンが今客観的に見ていて首を傾げたくなる状況へと繋がる。



「ふ~……あくまでもこの支出の増加は問題ないもの、と主張なさるおつもりか?」

「これ位の増加でしたら特に目くじら立てるようなことでは無く、普通にどこでも有り得ることかと」



またか。




要するに今の状況はこうだ。



少々疑問に思ったことにツッコみを入れる→ヴィンセント父が慌てふためく→ヴィンセント娘が華麗にフォロー→更に他の疑問をツッコみ……以下略。



これだけなら確かに少々怪しいな、程度で具体的な問題も浮上せず終わりだ。



だが今目の前で行われている聴取は違う。




「……何だか、本当にクーお姉ちゃんスラスラと答えてるよね」

「ああ……その通りだな」




―そう、レンの言う通り、娘のクーがあまりに綺麗にスラッと答えすぎているのだ。



何か脱税行為とかを初め、違法な行為を隠したくて事前に話すことを決めておく、という事は考えとしては有り得る。


ただそれでも領主たるヴィンセント氏が一人で練習し、一人で実施する、というのが本来の姿のはず。

その本来の姿を崩してまで娘にその役目を行わせる、というのがどれだけリスキーなことか……


父親が体育会系だから嘘を吐いてもバレ易い、と判断しての娘という選択なのか?


上手く出来なければ具体的な疑いがでなくても、それは大きな疑いをもたれることだろう(だって娘とは言え領主じゃない者を立ちあわせるんだから。「経験を積ませる」みたいなことでも重要な話し合いには断りを入れるべきなのだ)。


娘のクーがこうして完璧にオルトさんとヤクモの質問に回答できているからこそ、だ。

だからこそこちらとしては具体的な疑問も指摘できていないし、普段から彼女が父親に付き添っているんだな、という感想に到る。



そしてそうするためには質問を予め全て知っていた、或いは予想していた、くらいのことになるが……



第10師団の内部の結束の固さからして裏切りみたいなことは考え辛い。

とすると……



この娘自身が相当のキレ者か、或いは……





―それ相応の後ろ盾・協力者がいる、ということになる。




これは……ちょっとヨミさんのことについて調べるだけのつもりが、もしかしたらまた面倒事を引き当ててしまったかもしれないな。



「……確かに、これ位の支出の増加でしたら、本来はスルーして然るべきでしょう」

「でしょう? でしたら―」

「……ですが、それは“総支出”という意味で、ですよ?」

「え?」


ヤクモの指摘に初めて、今迄余裕を崩さなかった娘のクーの表情に綻びが生じる。


「簡単に言えばですね……農業・畜産業・交易業などがそれぞれ関連し合ってそれぞれが増益した、という事があっても時の運、というのもありますし一概に否定することはできません」

「で、ですから、私もそう言って―」

「でもですね、全てが全て、同じ程度の割合で増益し過ぎなんです」

「!?」



なるほど……ヤクモの言ってることはつまり……

「“偶然”という事象が絡むこと」は認める。

でも「それならそれで数字に偶然性が現れてない」のはおかしいということだ。


ヤクモが例えに出した農業以外にも項目はまだ複数ある。


その項目が多ければ多い程、数字は何というか……ぐちゃぐちゃになることの方が自然に見える。

逆に見るべき項目が多いのに増加している数値が一定程度になっているのは……人為的な介入が窺える、と。


うーん……要するにあれだ。

夏休みの課題で朝顔を観察することがあったが、遊びほうけていて全くしていない、或いは何らかの理由で早々に枯らしてしまった奴が成長した数字を何となくで記入していったら……先生にバレて怒られた、みたいな感じ。


あれ、思っている以上に書いてる数字が規則的過ぎて、ちゃんと観察した奴と比べると明らかに不自然なんだよ。



まあ勿論、あくまでその方が自然に見える、と言う段階の話。

彼等が書類を改竄したとか違法なことをした、と断定しているわけでは無い。



だが、今の俺達にとっては……



「流石に実際にこの町を見て確認しないといけないみたいですね。―何日か滞在させてもらいますが、宜しいですよね~?」

「っ~~~~!! ―ッ!!」

「うっ……」


ヤクモの勝ち誇った顔を向けられ、娘のクーは悔しそうにしながらも、父親をキツく睨み付ける。

睨まれた父親は大層申し訳無さそうに縮こまっていた。



ふむ……仮に数字をいじっていたとすると、この反応……いじったのは父親だな。

娘のクーはそのことについては一切知らされていなかったような印象だし。



まあいじったいじってないはこっちとしては基本的にどっちでもいい。

滞在日数を稼げればいいのだ。


ただどちらにしてみても……



「……はい、勿論です」

「精一杯、調査中はおもてなし、させていただきます」



二人とも、積極的に悪事を働く人間には見えない。

……まあ6割型それは父親の体育会系の性質から判断してるが。


アホな中・高校生(それと一部の大学生)でない限りは、罪に対しては臆病であるというのが彼等に対する認識だ。


嫌いな人種ではあるが評価はキチンとする。



それは体育会系が規律・調和を重んじる人種であるからだ。

その性質は裏を返せば規律を犯すこと・調和を乱すことを嫌う。



そんな父親、そしてその血を受け継いでいる(「だろう」と付け足させてもらう)娘がただ自分達の私腹を肥やすためだけに俺達を欺こうとするだろうか?


そもそも今俺達がいるこの屋敷だって、お世辞にも一貴族が暮らすような豪華なものだとは言えない。

質素倹約に勤しんでいるからこそこうして狭く、そしてどこか古めいた感じの家となっているのではないのか?


とすると……彼等は止むに止まれぬ事情で……という事も。

それに体育会系の調和を重んじる、と言う性質から推測すると……



彼等が調和を乱さない、つまり乱すこと自体がこの町の調和だという事態も有り得なくはない。

要するに「これなら……破らざるを得ないよね」と町ぐるみで何かをしている、ということも。



マジか……




ニコニコしながら俺とレンの下にヤクモが歩いてきたのだが、俺は心配事が増えて胃が痛くなる思いで一杯だった……




◇■◇■◇■


=====  ????視点  =====


「……ああ、そうだ。この紙、姉貴に届けてくれ。頼んだぞ“キール”」

「ギャウァァァァァァ!!」

「姉貴と“ニーナ”はあの山―三日前に行っただろ? あそこにいるはずだ。あそこは……ニーナのお母さんが眠ってる場所だ。―一人で、行けるな?」

「ギュゥゥゥゥ……」

「よしよし、じゃあ頼むぞ!!」

「ギャウゥゥゥゥアァァァ!!」




◇■◇■◇■


「キュルゥゥゥゥ」

「よしよし、ニーナ。ニーナはゆっくりしてて」


弟のランドの相棒―地竜のキールから、手紙が届いた。

よくもまあこの山道を登ってきたものだ。


キールはニーナと違って地竜だ。

端的に言えば飛竜ではないので翼が無い。


それでも身体能力はニーナと張り合えるレベルだ。

彼にしてみれば私達が飛んでショートカットする山の中の険しい道も全く苦では無いのだろう。


ニーナのお母さんの墓前という事もあり、私は一人でキールを迎える。

彼を労ってから、少し離れて中身を見る。


手紙には…………そう。



思っていた以上に早く騎士が来たようだ。

クーやヴィンセントさんにはどうすべきかは前から伝えてあったし、ランドたち『地竜の咆哮』もいる。

それに人数はそこまでの数はいないらしい。


それならいくらでもやり様はある。


とにかく、騎士には早いことお帰り願わないと。


……アレ(・・)が、バレてしまわないうちに。




「ニーナ。私は下に行ってランドたちを手伝ってくる―ニーナはゆっくりお母さんとお話しておいで」

「キュルルル……キャゥ―――!!」

「いいの。いつもはあんまり帰って来れないんだから、こういう時位私や弟分に一杯甘えなさい」

「ギャルゥゥゥゥーーー!!」


キールも私の意見に賛成してくれているようだ。


「ほらっ、キールも賛成だって!!」

「キュルルル―――……」

「ふふん、ニーナ、甘いね! こういう時は多数決って世の中決まってるのよ!―ニーナはもっと私達が困ってる時に助けてくれればいいの。今は、お母さんとの時間をゆっくり堪能しなさいな」

「……キュー――キュルルル」

「うん!―じゃあ、行ってくる!! キール、下まで乗せてって!!」

「キュー、キュルルゥゥ!?」


私は、普段は弟の特等席として設けられているキールの背中に飛び乗って、ニーナにしてやったりの笑顔を見せつけてやる。


ふっふっふ、ニーナ、甘い、甘すぎるよ!!


私がニーナ以外のドラゴンの背中に乗らないとでも思った?

フフン、こうやって私が他のドラゴンに乗っている所を見て嫉妬し、心の中で渦巻く真っ黒な思いをぶつける場所も見つからず、そして挙句は寂しがってお母さんのお墓にでも泣き付けばいい!!




周りは誰もいないのだ、気にせず泣けばいいさ!!

強がらず、お母さんに話したいことは全部話せばいいさ!!





そうして……偶にはお母さんの下でゆっくり休みなさいな。


=====  ????視点終了  =====


多分、後2~3話以内に、『ラセンの町』が抱える秘密、そしてヨミさんと繋がりがあるのか、などが分かる……“はず”です。

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