いっちょ、訓練でもしますか。
修行パートです。その分会話とかの記述が皆無に等しいです。
10/28 依頼の際、薬草探しの記述についてご指摘を受け、加筆しました。
11/8 文字化け+消失部分の修正作業が完了しました。
俺は小鳥?のさえずりで目を覚ます。(この世界の鳥が元の世界の鳥と同じとは限らんから小鳥という表現が正しいかはわからん。)かなりスッキリとして寝起きにもかかわらず頭もクリアだ。
ライルさんの言う通りベッドもちゃんとしたもののようだ。
昨日は夕食をたらふくたいらげた後、体をふき終わってすぐに泥のように眠った。
異世界初日はかなりハードだったからな。
今は大体5時半くらいか、時計がないから正確には計れんが、外の明るさや体の調子、その他もろもろ
から判断してそれくらいかなと思う。
朝飯まで時間あるな。
とりあえず今後の方針としては午前にギルドに依頼受けに行って
依頼の終わり具合でもう一回受けるか、訓練するかをしばらく続けるってとこか。
依頼って言ってもFランクだし戦闘能力は要求されないはず。
必要としてもできるだけ避けてある程度戦闘できる準備が整ってからにしよう。
まあ、こんなに早く起きれるんなら早朝は訓練に回してもいいかもしれん。
まだ魔法一つも使えんからな。
最低でも2つは使えんと俺は実践はきついと思ってる。
今んところパーティ組むつもりないし、ソロでやるんなら1系統だと耐性を持つ相手に
対処できん。同じような理由で回復魔法も覚えたいところ。
剣術についてはスキルがあるからある程度は振れるだろうが
どの程度のものかわからずに実戦は避けたい。
ある程度訓練してなれとくに越したことはない。
だから当面は剣の素振り、魔法の練習かな。
実は昨日そのために買った「魔法の入門書:スケルトンでもわかる最強の書」
なるものがあるんだがどうしよう。
先ずそもそもスケルトンが仮にわかるとしてもスケルトンがそんな魔法書を必要とするのだろうか。
そして買っといていうのもなんだが、このキャッチフレーズはいただけん。
もしこれを読んでわからなければその人はスケルトン以下ということになる。
全員が読めばわかるという簡易さをうたい文句にしたところで
必ず一人や二人はわからない人というのは出てくる。
その人たちに言わばスケルトンよりも劣るという烙印を押すことになるのだ。
であるからして、こういったフレーズは避けるべきであるんだが。
そんなこと言いつつも買ってしまったのは本当に良さそうな本がほかになかったからだ。
こればっかりは仕方ない。
ああ、一応そこそこの値段はした。銀貨1枚だったか。
まあ値段のこともあるが、一番憂慮しているのは先入観を植え付けられることだ。
恐らく魔法はイメージが詳細かつ鮮明であればあるほどよい傾向にある。
今の俺ならこの世界には無い発想で魔法を生み出すことが可能かもしれん。
しかし、本を読んでしまうと魔法とはこういうものですよ、
こうしなければ使えませんよ、といった固定概念が俺の魔法に対する発想、
想像力を縛り付けてしまう恐れがある。
しかし一方で魔法に対するある程度の知識がないと使うことすらできんかもしれん。
ゲームやマンガでの知識だけでどうにかできれば一番よかったんだが、
今は全く使える気がしないから無理だろう。
とすると、やっぱり全部とはいかないまでもある程度は読まないとダメか。
よし、そうと決まれば訓練に移ろう。
とりあえず先に素振りしに行くか。
40分ほど宿の裏の庭を使って素振りをした。
スキルのおかげかかなり様にはなっていたものの、まだ手に剣が馴染んでいない。
こうして続けてれば次第に馴染んでくるだろう。
部屋に戻ると、手ぬぐいを生活魔法で濡らして汗をぬぐう。
火と風の生活魔法を複用して疑似温風を作り出す。
これも想像力の賜だな。
汗をかわかすと、俺は本を開く。
目次があった。
1.魔法とは
2.魔法の種類
3.魔法の習得方法
4.応用編
とあった。
1と3は根幹部分なだけに読まないとキツイかもしれん。
2は別にいいだろう。
4はまだ判断がつかん。保留。
さて、読書はあんまり好きではないがしゃあない、読むか。
1時間強位かけて呼んだが4は不要そうだったので無視した。
半分の分量なのにこんなにかかったのか。
普段からの習慣の結果だな。
内容を要約するとこうだ、
魔法とは大気に溢れてるエネルギーを取り込んで体内で魔力に還元し、
それを放出すること。
魔法の素養のないものはエネルギーを魔力に還元することはできるが、
それを放出することができない。
スキルの素質解放系はこの放出を可能とするもの。
そして、魔法が扱えるようになると素質系のスキルは消え、代わりに
使えるようになった魔法がスキルとして得られる。
最後に、やはり魔法にはイメージが大きく関わっている。
それ次第ではすぐにでも使えるようになる。
こんなところか。
なんとか先入観や固定概念を植え付けられそうなところは回避して読めたと思う。
どれも重要だったが、なかでも一番は、魔法が扱えるようになると素質系のスキルは消え、
代わりに云々ってところか。
俺の推測兼願望では全魔法素質解放のスキルはひとつ覚えても消えない、ということだ。
じゃないと魔法が使えるようになるポイントとの整合性が取れん、と思いたい。
それに神様にも端的にいうと全部の魔法使いたいけどポイント足りない、という風に
相談してこのスキルを紹介された。
だから努力次第で全部の魔法が使えるようになるはず。
とはいってもこればっかりはもうどうしようもないな。
祈っとくしかない。
あんまり神頼みは好きじゃないんだがなぁ。
まあ祈る神がいなかっただけだし、今はその対象も一応いる。
だからまあ無事全部の魔法を使えることを祈っとくか。
俺は朝食後、ギルドに赴き、薬草取り、荷物配達の依頼を受け、
昼食を取った後、完了報告をし、2時ごろに戻ってきて魔法の練習を始めた。
とりあえず火と水は使えるようになりたい。
俺は最悪一つしか使えないかもしれないことを想定し、
その場合火にしようと決める。
火が一番攻撃力があってソロの俺に向いてると思ったからだ。
まあこれは最悪の場合だから。
まず、手のひらに空気が集まるイメージをする。
某忍者マンガの螺旋〇位のイメージをすると風魔法になりかねんからある程度は弱めだ。
(ある意味隠せてないよね、だって〇=丸だもんね!)
集まってる空気の中に燃料を継ぎ足す、メタンやアンモニアで行けるか?ってかそれくらいしか知らん。確かCH4とNH3だったか?主に水素だな、をイメージする。
何となく集まった感がしたのでそれの温度を一気にあげていく。
すると、ボゥッ、と手のひらに火の玉が灯った。
よし、成功だ。
一応酸素を供給したらどうなるか試したらちゃんと青色の炎になる。
まだ調整は難しいがとりあえずはできたといっていいのかな?
恐る恐る自分を鑑定してみる。
名前:カイト・タニモト
種族:人族
身分:冒険者
性別:男
職業:1.戦士 2.魔法使い 3.治癒術師
年齢:16歳
Lv.1
HP:43(+20)
MP:14(+17)
STR(筋力):23(+18)
DEF(防御力):19(+16)
INT(賢さ):22(+17)
AGI(素早さ):21(+16)
LUK(運):1(+5)
『能力値中上昇』、『異世界言語(会話)』、『異世界言語(筆記)』、
『生活魔法』、『剣術』、『ステータス操作』、『全魔法素質解放』、
『無詠唱』、『鑑定』、『偽装』、『レベルアップ時ボーナス』、
『パーティ恩恵』、『パーティ恩恵』、
『火魔法』
となってる。
よかったぁー、全魔法素質解放残ってる。
そんなに時間かけずに使えたな。
やっぱり明確なイメージが魔法の鍵だな。
若干MPが減っていた。まあ休めば回復するんだし気にするほどでもない。
よっし、全部覚えれることも確認できたし、今日中に4系統使えるようになろう!
それから大体3時間後位かな、風魔法だけでほとんどの時間を使ったが、なんとか俺は4系統を使えるようになった。といってもまだイメージしてから出すまでの時間も遅く、力の加減も全くといっていいほどできていなかった。MPはもうからっぽだ。
後は要練習ってことかな。
イメージが鍵なんだからもっとイメトレもしないと。
課題はまだまだある。
だが一方ではそれに対処する時間もたっぷりある。
焦らずにやっていこう。
その日の俺もベッドに横になると、すぐに意識を失い、眠りに落ちたのだった。
火魔法の練習部分は全くの想像と自分の知識のみに頼ったものです。
作者は化学については門外漢ですので何かおかしくても自分では全く気付けません。
専門の方だったり詳しく知ってらっしゃる方で何かおかしいと思った方はぜひご指摘いただければ幸いです。




