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世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!  作者: 光子


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色々な事を経験出来る事が、嬉しかった。

「やっと……お肉、少しは…綺麗に切れるようになったのに」

肉屋のマルシェに教えて貰いながら、笑って、失敗して、出来る事が増えて、嬉しかった。

「山菜の種類だって……覚えたのに…」

ゲンさんに連れて行って貰って、沢山、教えて貰った。


「料理だって……頑張って……サクヤと、一緒に……お友達が出来て、一緒に……遊んで……」

初めて、友達が出来た。

サクヤが一生懸命頑張っている姿に、自分も頑張らなきゃって、勇気を貰って、一緒に遊んで、一緒にご飯を食べて、元気も貰った。


「っぅ。一緒にいるだけで……ドキドキする人にも……初めて、会えたのに……!」

初めて、好きな人が出来た。

私自身がちゃんと好きになった人。優しい、暖かい人。



聖女だとバレてしまったら、皆も、城の人達の様に、変わってしまうの?!ーーー守護の力がある私を、城に渡した、お父さんやお母さんのように。


「嫌いです…」

「え?」

「嫌いです!貴方なんか大嫌いです!早く城に帰って下さい!!」

ハッキリと、リーシャは拒絶した。


「そんなっっ!聖女!!考え直してくれ!!!」

「てめぇ、リーシャを泣かせただけでも許せねぇのに、まだ諦めねぇとか、しつけぇなぁ!!!」

レナルドは再度、今度は炎の魔法を具現化させた。



「ーーリーシャはんに付き合ってる人がいたら、諦めてくれんの?」

「え?」

グイッと腕を引き寄せられ、リーシャの背中が、イマルの胸元に当たった。

「?!?!?イ、イマル?!」

「俺とリーシャはん付き合ってるから、諦めて帰ってくれへん?」

「!!!」

ボンッ!と、噴火しそうなくらい、真っ赤になる顔。

「ななななななな何を言ってる!?聖女が、この私以外に好きな男などーー!!!」

「王子はん……自分で言うのも何やとほんっっまに思うけど、リーシャはん良く見てみ。こんな分かりやすい好意が、ほんっっっまに分からへんか?」


先程まで泣いていたのも束の間、今は顔を真っ赤にさせ、動揺からこちらの話は一切届いていないように、手を頬に当て、あわあわしている。


それは、誰がどうどの角度から見ても、リーシャの好意がイマルに向いているのは明らか。


「そそそそそ、そんな、ただの一介の男如きが、聖女に相応しい訳がーー!!」

「リーシャはん、聖女の地位を捨てたんやろ?なら、リーシャはんはもう、ただの村娘なんやから問題あらへんやろ」

「え?どうしてそれを?」

深呼吸し、少し落ち着きを取り戻したリーシャは、イマルに尋ねた。

王子の性でリーシャが聖女だと言う事や、城に連れされそうになっているとか、色々バレたが、きちんと、地位を捨てたと説明はしていない。


「ノルゼスはんに聞いた」

「ノルゼス?」


「王子様?何をしておいでですか?」

いつの間にか、仁王立ちで王子の背後にいるノルゼス。

「ノルゼス?!」

笑顔だが、笑顔では無い。逆に怖い。


「王の命で急いで駆け付けてみましたが……遅かったようですね。大分、やらかされているようで」

「ご、誤解だノルゼス!私はただ、聖女を悪の手から救い出そうとしてーー」

「王子様?ここで悪の手が誰の事を指すのか、まだご理解出来ませんか?そんなに王子様の頭は残念ですか?ああ、そう言えば残念でしたね。これで問題を起こされるのは何度目でしょうか?学習能力ゼロですね。王子様の頭は豆腐で出来ていますか?」

「なっ!言い過ぎだぞ!」

「私は王直属の命で、ここに来ているのをお忘れ無く」

「くっ!父上のーー!!」


自分自身を権力者No.2と称しているだけあって、No.1の父親に逆らうのは戸惑われるらしい。

しかも、王の命令とあらば、力づくで連れ返される。力づくなら、ひ弱な王子は、ノルゼス、レナルドは勿論、お付きで来た騎士達、イマルやサクヤにも、ゲンにも、村長にも、勝てないだろう。




「本当に申し訳ありませんでした!聖女様!!」

王子を帰りの馬車に無理矢理押し込み、ノルゼスはリーシャに膝をつきながら、深く頭を下げた。


「そんな……ノルゼスのせいではありません」

「ホントだぜ!きちんと首に縄付けて監視しとけや!」

リーシャと真逆に、真っ向から責めるレナルド。

「レナルド……姿を見ないと思ったらこんな所でーー何してるんだ?!」

「俺は城を辞めた。あんなクソッタレな城になんか、リーシャもいないのにやってられるか!!」


元・同じパーティであり、城では騎士と魔法使いと職種は違えど、同じ城に使える元・同僚。


「王都を守る魔法使いの自覚は無いのか?!」

「リーシャの力で守られてる王都にそんなん要らねーだろーが!」

「言葉のあやだ!各地から依頼が有れば、王都から派遣され、色々な場所を助けに行くだろう!誇り高き仕事だ!」


聖女の地位を捨てた日も、それでレナルドは遠い場所に人払い込みで派遣されていましたもんね。


「知るか!お前等が勝手にやれ!」

広場のど真ん中で大っぴらに言い合いを始める2人。そのままエスカレートして、ノルゼスが剣を、レナルドが魔力を放出し始めた所で、リーシャが止めた。






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