表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!  作者: 光子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/82

68




「…へー、ルドはんと…」

ルドの名前を出した瞬間、何故か、イマルの雰囲気が一瞬ピリッとした気がした。

「えっと、それで、イマルとサクヤにお願いがあるのですが…」

「なんや?」

次に言葉を続けると、イマルはいつもの表情に戻っていて、リーシャはホッと胸を撫で下ろした。

「彼も私と同じく、1人で生活した事の無い人なんです。だから、きちんと生活出来るかが心配で……なので、私と一緒に、様子を見に行ってくれませか?」


ここに来るまでの道中、リーシャは考えた。

初めは、2人に迷惑はかけられないと、自分達だけで頑張ろうと考えていたが、どう考えても、泥沼にハマっていく姿しか想像が出来ない。

自分の事で精一杯な私が、人様に家事を教えれるはずが無い。それが最終的に出た結論だった。


「あ!でも、勿論、迷惑なのでしたら、断って頂いても大丈夫ですので……!」

「えーよ」

「僕も、イマル兄ちゃんとお姉ちゃんがいるなら大丈夫だよ」

「良かった…」


あっさりと了承の返事が返ってきて、安心する。

「俺は元から、後でちょっと様子見に行こかと思てたしな」


言われてみれば、私が村に引っ越して来た時も、いの一番に様子を見に来てくれて、助けてくれました。あれ?もしかして、私が何もしなくても、初めからイマルが助けに行っていたって事ですね。

余計な事しました……。城の関係者とは出来るだけ関わらないように……は、無理ですよね。村に引っ越して来てしまった以上、狭い村。協力し合って生きて行くのは、当然です。

(それに、ルドはーーー)

ノルゼスの時のような、城に連れ戻そうとしてるような感じが、何となくですが、しない。

本当に城を捨て、この村に引っ越してきたように感じる。


「ま、折角昔の仲間に会えたんやから、ノルゼスはんの時と同じように仲良うなれたらえーな」

「……そう。ですね」

ノルゼスと、あんな風に、綺麗にお別れが出来る事になるとは思っていなかった。私の事を理解して貰う事なんて出来ない。諦めていた。

「……私が、ノルゼスとああやって分かり合えたのは、イマルのおかげです」

イマルがいなければ、きっと、あのまま仲違いしたまま、お別れした。

「本当にイマルは素敵な人です!」

「ーーああ、そう」

一直線に褒められる事に多少慣れたとしても、照れるのは照れる。下手に否定しても更に褒め倒されるのは分かっていたので、イマルは頬を少し赤らめながら、素直に頷いた。




「イマル兄ちゃんって、何でお姉ちゃんと付き合って無いの?」

「ゴホッ!ゲホッ!」

サクヤ手作りの魚料理を堪能し終え、怪我人が出たと一旦離脱したリーシャを除き、2人で仲良く皿洗いをしてる中、サクヤはイマルに向かい尋ねた。

「何なんや急に!」

「だってお姉ちゃん、どう見たってイマル兄ちゃんの事好きだし……イマル兄ちゃんだって、お姉ちゃんの事好きでしょ?」

「!すーー好きや無い!」

「ほら、一瞬間があった」

ジトーと睨んでくるサクヤの視線に、イマルは顔を背けた。


「別にいいけど……イマル兄ちゃんがそんな余裕の態度とってる間に、お姉ちゃんが他の男に取られても知らないからね」

「他の男て…」

「現在進行形でいるよ。ルドって人!ノルゼスさんもだし!」

「ノルゼスはんはちょっと違うくないか?何か、恋愛感情って言うよりかは、仕える主に対する忠誠心みたいなもんを感じたで」

生真面目な彼はリーシャに対して盲目的な親愛を持ってはいるが、邪な目で見た事は無い。


「ノルゼスさんの時と違って、ルドさんはこの村に引っ越して来たから、お姉ちゃんがいなくなる事はなさそうだから、まだいいけどーー」

皿洗いを終え、サクヤは手をタオルで拭いた。

「僕はイマル兄ちゃんも好きだから、何処の馬の骨に取られるよりかは、イマル兄ちゃんを応援してるね!」

「…ああ、そう…」

これ以上何を言っても話が長引くだけだと分かったので、イマルは素直に頷いた。





新しくレナルドの家となったのは、サクヤの家がある場所からが1番近かった。魔法使いである事を考慮されたのか、リーシャの家よりか大きく、庭も広い。

リーシャも初めから回復魔法を使えると示していれば、今より多少だが立派な家に住めたかもしれないが、リーシャ自身は今の家を気に入っているので問題無い。

「ルド、居ますか?」

約束を取り付けていたリーシャが、扉をノックする。が、中から返答は無い。

「留守でしょうか?」

「お姉ちゃんが来るって約束してたのに?お姉ちゃんとの約束を何よりも優先しそうな感じだったけど」

ちなみに、レナルドの家の場所はイマルが前持って調べていてくれたので、予定より早く辿り着いた。本当は、村長の所へ寄って、村で提供した家の場所を聞いてから向かうつもりだった。

「あ、でも、そう言えば、ルドはよく寝坊していた気がします」

そのせいで冒険が何度も止まったり、怒ったノルゼスが、レナルドを置いていきましょう!と、その場に放置した事もあった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ