表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!  作者: 光子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

64/82

64




感情が顔に出やすい。なんて、自分がそんな人間だと思わなかった。

「大丈夫?イマル兄ちゃんに何かされた?酷い事言われた?」

「全くの誤解やでサクヤはん!俺は何もしてないで?!」

自分を心配して、近寄って来てくれるサクヤ。


(サクヤにも……お姉ちゃんって呼ばれなくなるのは……嫌……!)

「お姉ちゃん?!本当に大丈夫?!」

いよいよ泣き出しそうになるリーシャに、サクヤは慌てふためいた。

「わ」

「「わ?」」

心配そうにリーシャの顔を覗き込む2人。2人は、リーシャの次の言葉を待った。

「私の名前は、リーシャです…」

「うん、知ってるよ」

「何や。何の情緒不安定や」

全く意味が分からない2人は、ただ、リーシャが落ち着くのを待った。



『がぁあああ!!!!』

「「「!」」」

ドガッと、大きなけたたましい音と共に、木々が倒され、現れる、熊の魔物。

「えっ?!さっきの熊の魔物?!」

「何でこんなとこにーー!」

ここは、先程までの、四季の森の奥では無く、辺境の村ヘーゼル近くの、村の人達が山菜集めにでも出掛けるような場所。

普段、この近くには、こんな凶暴な魔物は現れない。

「サクヤはん、リーシャはん、こいつは、ここで始末するで」

このままだと、村にも被害が及ぶ。

「うん!」

戦闘態勢に入る2人に対して、リーシャは、熊の魔物が、木々を倒してやってきた道に、視線を向けた。

「……強い魔力を感じます」

「え?魔力?」

この魔力に、リーシャは、覚えがあった。

「皆さん、念の為伏せて下さい」

「え?」


バチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!!!!

激しい雷が、木々を倒して出来た道から走り、熊の魔物を襲う。一撃で、熊の魔物は、跡形もなく消えた。

「何これー!魔法?!」

目を見開いて驚くサクヤ。

(オーバーキルが過ぎますね)

あそこまで強い魔法を使わなくても、余裕で倒せただろうに、明らかにやり過ぎ感が否めない。

でも、これで確信出来た。こんなに高度な魔法を使えるのは、この国ではただ1人しかいない。

「お久しぶりですねーーーレナルド」

道から現れたのは、黒のローブで身を包まれた、聖女と共に魔王を倒した仲間の1人ーーー大魔法使いレナルドだった。

「お姉ちゃんの知り合いなの?!」

「リーシャはん……相変わらず、ぶっ飛んだ人と知り合いやなぁ」

以前のノルゼスも然り、剣の腕が確かな実力者だった。

ノルゼスも聖女と共に魔王を倒した仲間の1人なのだから、当然と言えば当然なのだが、2人はそれを知らない。

「……リーシャ!」

レナルドは、リーシャを見付けると、駆け寄り、そのまま抱きついた。

「きゃっ…レナルド?!」

「リーシャ!良かった!元気そうで!」

「??????」

感動の再開を果たしているように見える2人。だが、その片割れのリーシャは、大変困惑していた。


「あれって、感動の再会なのかな?」

「リーシャはんめっっちゃ困惑してるっぽいけどな」

それは、横から様子を見ていたイマルとサクヤも、リーシャの表情で分かった。





「何しに来たのですか?」

その場で正座をしているレナルドに、リーシャもまた、同じ様に正座をして、説明を求めた。

「リーシャに会いに来た。俺もここで今日から暮らす」

ハッキリと断言するレナルドに、嘘偽りなど無い。

「………」


ここで暮らす?私を連れ戻しに来た。では無く?城は?貴方、国で1番の大魔法使いでしたよね?私が言えた義理では有りませんが、貴方まで城からいなくなって良いんですか?


「意味が分からないのですが、何故、ここで暮らそうと?」

「リーシャの近くにいたいからだ」

「?????」

困惑するリーシャ。

それもその筈。リーシャは、ノルゼス同様、レナルドとも、業務連絡以外、日常的に会話をした覚えが無い。何なら、マメでは無かった分、ノルゼスより会話した事が無い。

「確か、異国の地に魔物の退治に行っていましたよね…?」

レナルドは、私が村娘になりたいと宣言した日、城にはおらず、王に命じられ、異国に旅立っていた。

「ああ。無事退治して、帰路について、リーシャがいなくなった事を知って、追い掛けてきた」

「えっと……どうしてですか?私、貴方に追い掛けられる理由が思い当たらないのですが」

特別話した事も無い相手を追いかける為に城を辞め、こんなに遠い場所まで遠路はるばるやって来た。

「それはーーー俺がーーー」

「?」

今までハッキリと口を開いていたのに、急に頬を赤らめ、言葉を詰まらせる。

「と、兎に角、俺は今日からここで暮らす!俺は今日から、ただの村男だ!」

言い切って、レナルドは立ち上がり、傍にいたイマル、サクヤに視線を向けた。

「俺はレナルドーーそうだな、俺の名前は有名になり過ぎてるから、ルドって呼べ」

「何か偉そうで怖い……」

「ルド!サクヤを虐め無いで下さい!」

直ぐに対応し、ルドと呼ぶリーシャ。

古くからの知り合いだが、あまり交流が無かった分、呼び名を変えるのに抵抗が無かった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ