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きっと、私がいなくても、いつかサクヤは、周りに支えられ、乗り越える事が出来た。
それが少し、早まっただけ。
「いや、サクヤの友達になってくれた。それだけで充分だ」
「……それなら、お受けします」
サクヤの友達になれたのなら、とても嬉しい。
実のおじいさん公認なら、本当に本当の、友達ーーー!?
「どうしましょう…」
「どないしたん?」
ゲンの家を出て、いつもの様に、暗くなった夜道を、家までイマルに送ってもらう。
「私、友達、初めて出来ました!」
聖女だった頃は、勿論、友達と呼べる存在なんていなかった。
気楽に話せる人もいない、冗談を言ったり、笑いあったり、一緒にご飯を食べたり、一緒に特訓したりする人もいないーー。
「そら良かったな……って、何で?俺は?」
リーシャの発言に、イマルは少しムスッとしながら尋ねた。
「俺かて冗談言ったり、笑ったり、一緒にご飯食べたりしてるやん」
「イマルも、私のお友達だったんですか?」
キラキラと嬉しそうな目を向ける。
「せやろ。もう友達や」
「友達…!なら、イマルが私の初めての友達ですね!」
心底嬉しそうに、リーシャは笑顔を浮かべた。
「…おお」
「嬉しいです!お友達!」
初めてのお友達が2人も出来た事に、リーシャは有頂天になりながら、家に着いた。
「送って頂いてありがとうございました」
「えーよ。ほなな」
リーシャを送り届け、自分もまた、帰路に着く。
「………」
『初めての友達ですね!』
満面の笑みで言われたリーシャの言葉が、脳裏を巡る。
「……あれ?何でや……何で、何かモヤモヤせなあかんのやろ…」
自分自身が言わせた事なのに、友達と断言され、胸がざわめくなんて、おかしな話だ。
「ちゃうちゃう。気のせいやし、気の迷いやな」
胸の中に芽生えた思いに、何となく心覚えがあったが、イマルはそれを否定した。




