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チートのない中年たちのサバイバル日記 旧題)中年たちのサバイバル騒動  作者: 〇新聞縮小隊
第2章 少しだけ広がった世界
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盗賊たちが逃れた災難

とっても短いです。

 領主の乗っている紋章入りの馬車を先導する様に6人の騎兵が、領主とアンジャの馬車の間に4人の騎兵がおり、領主の守りは鉄壁だった。その行列の最後にアンジャの馬車がくっついて行くという具合だ。


 例の盗賊が良く出没する丘のあたりに差し掛かったが、今回も何も起こらなかった。

 今夜の野営地に向かって、一行は移動を続けた。


==========<盗賊視点>============

 盗賊がねぐらにしている丘は、一見ただの丘に見えるが、街道から見えない奥へとつづく小道が木立に隠されている。

 この地形に気付いた盗賊が仲間を集め、一つの小さな集落を築いているが、まだ彼らがそこに住んでいることは誰にもバレていない。なぜなら一見してわからない入り口を更に隠ぺいする様に盗賊たちが工夫を凝らして見つからない様にしているからだ。

 丘の中心辺りに丘からくり抜いた形で広場の様に開けた土地があり、そこにバラックなどを建てて住んでいるのだ。


 広場は丘の真ん中にあるので、周りを断がいに囲まれている様な感じになっており、丘の上に行くために、その断がい部分に手で掘った簡単な階段が作られていた。

 補強も手すりもない、ただ岩肌を削っただけの簡単な階段だ。


 彼らはいつも一人以上をその階段を使って丘の天辺に配置し、横ばいになって街道を見張らせている。

 見張りに着せる服は、周辺の色の保護色となる様にしているなど、徹底しているため、丘の上に常時見張りがいることも、まだ誰にもバレていない。

 美味しい得物が通り掛かれば、見張り役が指笛で仲間に合図し、一斉に襲う。


 みぃ君たちが湖の村へ向かう時も、見張りはちゃんと彼らの姿を見つけていた。

 ただ荷物らしい荷物を乗せておらず、馬車も安物だったこと、乗っている人たちが裕福には見えない服装だったので、襲わないことにした。

 この先の町や村で何かを仕入れて帰ってくる様であれば、その時に襲った方が、実入りが良い。


 また、3人も護衛を乗せていたので、襲うにしても、こっちの被害を想定しなくてはいけなくなる。


 女性が2人乗っていたので、一旦、襲うかどうするか悩んだが、一人は中年女性だし、もう一人は筋肉だるまの冒険者なので、食指が動かなかったというのが本音で、その時は何もしなかった。


 もし、ももちゃんが、この見張りの考えを読み取る事ができていたら、見張りの命はその瞬間に終わっていただろう。

 もし、女性冒険者が、見張りの考えを読み取っていたなら、同じくこの見張りを3回は地獄に送った上に、大事なところを切り取っていただろう。

 この世界に相手の意識を読み取るなんていうチートがなかった事を、この見張りは感謝すべきである。


 そして、今日、盗賊の見張りは、例の馬車が領主様の馬車と一緒に移動しているのを見つけた。


 領主は10名の騎兵を連れていた。

 アンジャの馬車にも例の3人の護衛が武器を見せる様にして座っていた。


 いくら盗賊の人数が多くても、日ごろから訓練を重ねている騎兵10名を相手にして無事でいれるわけがない。

 そんな訳で盗賊に襲われることなく、みぃ君たちは安全にグリュッグの町まで移動することができた。


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