表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チートのない中年たちのサバイバル日記 旧題)中年たちのサバイバル騒動  作者: 〇新聞縮小隊
第2章 少しだけ広がった世界
38/143

水車を作ろう!

 ごんさんとみぃ君は、翌日は水車から作ることにした。

 石臼と鉄製のレール以外はすぐに手に入ったので、水車の部分と、製粉用の石臼に取り付ける歯車の部分を作り始める事ができる。

 石臼を乗せる土台の部分はレールの出来を見てみないとなんとも言えないので、土台は、最後に作ることになった。


 パソが来てくれる2日間以外は、ドブレには水車の中心と臼などを繋ぐ水平に備え付ける太い横棒、心棒に備え付ける突起の板等の製作を担当してもらうことにしている。

 水車小屋で粉挽をするというのは、小屋の内外どちらかに据え付けられた水車に、地面に水平に大きな柱の様な心棒をつなぎ、その心棒に取り付けた羽子板という突起や歯車などの動きで、杵や臼などを動かして穀物の殻を取ったり、粉砕したりするのだ。

 

 ごんさんが考えている水車小屋は、小屋の外側、川の横に竹で水路を作り、そこに水車を設置する。

 水車の円の中心と心棒を繋ぎ、小屋の中へ伸ばす。

 臼は2種類各2台あり、それぞれを適当な間隔を空けて設置する。


 臼の一つは、き臼という地面に鉢型の臼を埋め込む様に設置し固定し、その上に上下に動く杵を設置する。この杵を上下するために、長さ30センチ幅10数センチの木板、つまり羽子板を杵と心棒両方に取り付けることで、水車が回転すると心棒側の羽子板が、杵側の羽子板を持ち上げ落とすという動きをくりかえすことになる。

 これによって鉢の中の穀物は杵に突かれ、殻を外す。つまり精白されるのだ。

 杵を動かしたくないときは、杵側の羽子板を心棒の更に上に渡してある水平な棒にひっかけることで、心棒が回転しても、心棒側の羽子板が空振りをする様な設計し、動かないようにする。


 もう一つの挽き臼は、蕎麦屋などで蕎麦を挽く臼といえば想像しやすいと思うが、昔ながらの石臼と同じだ。

 石で上下二つのパーツから成っており、下の臼は固定されて、上の臼が回転する。この世界の穀物屋が顧客に貸し出しているのも、こちらのタイプの臼だ。

 穀物は上の臼に開けられた穴から投入する為に、水車小屋ではホッパーという漏斗型のパーツを上の臼に設置する。

 臼の上下の接触面には溝が掘ってあり、上の石を回すことですり潰すのだ。


 これを回す為には心棒側には縦に歯車を設置し、臼側は上の臼に水平になる様に歯車を設置し、両方の歯車がかみ合う事で回転させる。

 挽いた粉を効率良く回収する為に、粉受けを取り付ける。上臼に刷毛を取り付け、上臼の動きに合わせて粉受けを撫でる様にして粉を集め、粉受けに1か所だけ開けた穴から下へ落とし回収する。


 ドブレには、搗き臼の杵を上下するための羽子板を作ってもらい、工具の扱いに慣れてもらうつもりだ。

 それでちゃんと工具の使い方を覚えてもらったら、歯車を作ってもらうことにする。


 嬉しい誤算は、この世界の人々は家を作る時、近所で集まりみんなで作るのだ。お世辞にも素敵な家とは言えないが、雨露をしのげる家は出来るのだ。

 そして、他の人が家を作る時は、やはりみんなで集まり手伝う。

 なので、パソもドブレもそれなりに工具は扱い慣れているそうだ。

 この話を後でももちゃんたちにしたら、現代でもスペインの田舎などでは、日本の様な建築基準がないのか、あっても守らなくていいのか、この方法で家を建てていると言っていたので、地震の多い日本の様な土地でなければ、地球の世界各国でもこの様な方法で家を建てている国も少なくないのかもしれない。


 それでも、設計に合わせて引かれた線の通りに切り出すのは難しいらしく、工具を慎重に動かしているので、部品一つを切り出すにも結構な時間が掛かる。

 のこぎりで真っすぐ切るというのは存外難しいものだ。


 羽子板作りが終わったら、今度は歯車作りだ。

 歯車の歯の間隔などは、昨日買ってきた糸を使って設計する。

 糸で、挽き臼の上臼に被せた水に漬けると乾いても縮まったままになる木の周りをぐるっと這わせ、それを半分、また半分という様に折りたたんでいき、良い感じの長さになった時、糸の両端に色を付ける。

 こうすると偶数の歯を取り付けるには、間隔を図りやすい。


 「旦那様、どうして糸に色をつけているのですか?」とその作業を見守っていたドブレが聞いてきた。ドブレはごんさんも、みぃ君も旦那様と呼ぶ。

 「同じ長さになるから。こっちの臼は丸い。同じ長さになる場所を測る。この方法が一番早い。」ごんさんは、片言の言葉で技術や考え方を伝えるのはこんなに難しいのかと、初めて気づき、どうやってドブレに伝えればいいのか大いに頭を悩ますことになった。


 直線の物で曲線を測定するのは難しいということを上手く伝えられない。

 そこで周りを見回しながら考えていると、小さな木切れがあったので、それを床から拾い上げ、「これ、一つの長さ。」と言って、上臼の一か所にチョークで印をつけ、そこからその木を上臼に這わせる様にして測り、反対側の端に印をつける。これを繰り返す。

 「これ、同じ長さ。違う。似た長さ。時間も掛かる。」と上臼につけた印を何個か指さす。    

 今度は、さっきの糸を取り出し、再び上臼に回す。糸の色がついたところを指さし、「これ、同じ長さ。時間も早い。」と実例を見せながら教えてみた。

 ドブレは「あっ!」と小さく口を開けて、納得がいったのか頭をしきりに縦に振り、ごんさんを尊敬の眼差しで見つめてくる。


 ごんさんは、ドブレに糸で印を付けた間隔で、歯車の歯となる様に上臼に被せた木を加工する様に指示を出し、ドブレが作業をする間、ごんさんとみぃ君で水車作りに取り掛かった。

 水車用に購入した乾燥されたヒノキに似た板の中心あたりに釘を打ち付け、そこに糸を結ぶ。反対の先にチョークを結びつける。それで綺麗な円を描き出す。

 水車の命であるちゃんとした円を作るためだ。


 ただ、チョークで描くのはそこまで難しいことではないが、その描かれた線に沿ってのこぎりで切り出していくのはなかなか骨が折れる。

 円より少し外側に飛び出た場合はまだ良いが、内側に切り込んでしまうと、ちゃんとした円にはならないので、この仕事は日本人の2人で行うことにした。


 時間をかけて水車がだんだんと形になって来て、一番悩んだのは、水受けの板の取り付け角度と心棒を受ける軸受け部だ。

 ごんさんが前に庭園用の小さな水車を作った時は、水車の上から水を掛けて回すタイプだったが、今回の水車は、水車の下を水が流れるタイプなので、何度も何度も水受けの板の角度を変えて調整した。


 軸受けの方は、石を軸受けにし、軸受けに接触する部分の心棒には、ノミで幅広の細長いタイルをはめ込める様なへこみを作り、油を沁み込ませた穀物の殻を敷き詰め、上から小さくカットした樫材を、蓋をする様にはめ込んだ。

 グリースがないので、捨てる穀物の殻を利用して油を適切な量滲み出る様に工夫したのだ。

 軸受けは心棒が首を振らない様に、つまり心棒が水車の動きに合わせて上下にブレない様に、水車のすぐ横と、反対側の端の2か所に付けた。

 また、心棒が起き上がってしまわない様に、つまり、安全を確保する為に、逆U字に切り出した木材を軸受けと心棒の上から被せてみた。


 水車があらかた出来上がって、ごんさんやみぃ君が歯車の方にも手を出せる様になったので、ドブレには水路を掘ってもらうことにした。

 ごんさんが持ってきていた3種類の竹の配管のどれかを設置するためだ。


 まずは一番細い竹で設置することにした。

 細い竹は、水車の幅より、ほんの少し太いだけだった。

 水車を設置し、回してみて、水車が竹と接触する様なら、中くらいの太さの竹配管に変えなければならない。だが、ありがたいことに、なんとかこの細い竹配管でよさそうだった。


 竹配管の設置にあたっては、まず水門らしきものを作った。

 川からの取水部は、大きな竹を使い、水車部に設置してある細い竹との間を中ぐらいの竹で繋ぐ形で、水路を流れる水の水流の速さと量を確保した。

 水門は、取水口に合わせて大きな竹配管に合わせた物を作った。


 そうこうしている内に鍛冶屋からレールが仕上がってきた。

 ちょっと見には真っすぐに見えるが、めりるどんが以前に作った垂直測定器で縦にしてみて計ってみると、決して真っすぐではなかった。

 これではレールとして使えるかどうか分からなかったが、レールの溝を走るのは、石臼を乗せた木製の台の方なので、レールの凹みよりかなり細めの突起部にし、砥草という草でつやつやになるまで磨いた。磨く作業はドブレにやらせた。


 幅に少し遊びを持たせたので、なんとか重い石臼を乗せても、スムーズに動く様になった。

 ただ、遊びがある分だけ、石臼が回ると台が微妙に揺れるのではないかというのが心配だが、今のごんさんたちの技量では工具も揃っていないこともあり、他に作りようがないので、今回はこのままでいくことにした。

 ただ、大きく揺れるわけではないので、ぴったりと設計されたレールに比べると消耗は早くなるかもしれないが、粉が挽けないというわけではないのでそう決断した。

 「まぁ、様子見だな。」とごんさんは一言つぶやいて、歯車作りに戻っていった。


 パソが来てくれた2日間は、水車と心棒を繋ぎ、いろんな物を組み合わせる人手が必要な作業に集中した。

 本当は、各パーツの作り込みなどで、まだまだ細かな作業が必要なのだが、一旦は人手がある時に組み立てをし、細部は後からということにした。


 水車と心棒をはめ込む為に心棒の先を四角に削っており、それを水車の円盤の中心に心棒と同じ大きさの四角に開けた穴にはめ込む。外れない様に楔などを使う。

 心棒を削る際は、とても気を使った。

 水車の中心と心棒の中心がきっちり合った形ではめ込まないと、後々、いろんな機材や設備にガタが来る。これは、いわゆる心出しという作業だ。

 水車の円盤作りで中心が分かっているので、水車の中心に四角を描き、穴を開けるだけでほぼほぼ芯が出る。


 配置としては、小屋外側に水車、小屋内には、軸受け、挽き臼、搗き臼、搗き臼、挽き臼、軸受けという並びになった。

 設置してみると石臼は思ったよりも小さく感じた。


 パソにも手伝ってもらって、それぞれの装置を組み合わせることができ、まずは、水門を開けて水車を回そうということになった。

 ドブレがゆっくりと水門を開けると、川から水が水路に流れ、水路を徐々に狭くしているお陰か、水車が設置されているあたりの水流はかなりの量と速さだった。

 「これならいける!」とごんさんとみぃ君が思った時、水車がゆっくりと動き出した。


 動き出した水車を見て、ドブレとパソは驚いた。

 二人とも「「おおおーーーっ!」」と声を挙げていた。


 水車の動きをある程度見守っていたごんさんが、小屋の中へ入っていくと、残りの三人も小屋の中へ入った。

 「「おおおーーーーっ!」」再びドブレとパソが声を挙げた。

 搗き臼も、挽き臼も動いている。

 彼ら二人にしてみたら、人が動かしていないのに、道具が勝手に動いているのを見るのは初めてなのだ。

 人どころか、馬や驢馬などの家畜の力も使っていない。

 どうして動くのか?とごんさんたちに問い合わせても、ニコニコ笑って「後で、ゆっくり教える。」と言われ、その場では説明をされることがなかった。

 ドブレは店員でもあるが、後々メンテ要員としても活躍してもらわなければいけないことから、嫌というほど、水車についてのレクチャーを受けることになるのだが、本人はまだそれを知らない。


 とりあえずは、今回購入した物でどれくらいの量をどれくらいの時間で挽けるのか確認しようということになった。

 ドブレにトウモロコシや小麦もどきを購入してきてもらい、時間を図りながらこの水車の能力を図ることになった。

 ちなみにこの世界の時間の測り方は、朝5時から夜の8時までは1時間毎に鳴る時を知らせる鐘の音か、長さの決まっている線香を燃やすことだ。

 今回は線香を使うことにした。


 ドブレもパソは、今までに見たことのない珍妙な水車小屋の仕組みやその動きに驚いただけでなく、恐ろしく大きな音を立てている搗き臼に非常に驚いていた様子だった。

 実は、ごんさんやみぃ君も、水車の臼がこんなに大きな音を出すとは思ってもおらず、顔には出さなかったがかなり驚いていた。


 ごんさんが以前作った水車は、小型の水車で庭園の中の観賞用の物だった。なので、臼なども付いておらず、音も静かな物だったが、今回の水車は騒音の規模が違った。


 試運転の結果は、搗き臼が1台で1時間あたり2.5キロ、粉挽臼が1台で1時間あたり1.5キロとなった。

 もっと大きな臼にしたらもっと効率が上がるかもしれないと思ったごんさんとみぃ君は、今の臼でも問題なく水車が回っていることを確認し、石材屋へ行き、もっと大きな挽き臼を特注した。


 水車の能力を図るために試し運転をして思ったのだが、実際に精白や製粉をしてみると、この水車には篩がない事に気付いた。ごんさんは、早速自動篩を設計した。

 羽小板に押されて木で作られたレールに沿って、斜め上にせり上げられる篩を作り、その下に粉が貯まる様な箱を付けた。

 羽子板に押されている間は、篩はレールの上の方に、水車の軸が回転し、それに付けられた羽子板から外れると、レールにそって自重から篩は元の定位置に下がる。

 その動きを利用して、粉が篩にかけられるという設計だ。


 曲がりなりにも水車小屋が出来上がったので、今度は営業をしなければならない。

 ももちゃんは、穀物屋で臼を借り出して手で挽いた場合、1時間に約1.6キロ挽く事ができることと、石臼貸出料が25円係ること、この料金には労賃は含まれていないこと等を基準として、水車の臼の効率を比較し、値段を設定するために大まかななんちゃって計算を元に、いくつかの価格表を作っていた。


 搗き臼や挽き臼の能力を何段階かに想定して、試運転で出た効率のもっとも近い数値を表の中で探した。

 搗き臼も挽き臼も、ももちゃんの計算だと、それぞれの臼の1時間の使用料が小銅貨2枚(約100円)となった。


 水車の臼は人手はいらないが、量はそんなに処理はできない様だ。

 「こりゃ、薄利な商売になりそうだなぁ~、」とごんさんが零した。


 みぃ君もごんさんも、儲けは少ないが、工賃と施設使用料として考えれば、お客にも十分納得してもらえる値段ではないかという意見に落ち着いた。


 篩は最初作る予定ではなかったので、値段を決めていなかったが、「どうせ全ての臼が同一金額なので、篩も同じでいいだろう」というみぃ君の意見に、ごんさんも賛同し、値段設定が決まった。

 篩の網は精白後と製粉後の2種類を用意したが、篩そのものは1台にした。

 網のついた箱の部分を取り換えるだけで、精白にも製粉にも使えるからだ。


 試運転は上手くいったが、細かなところにまだ手を入れなければならない。

 しかし、営業もそろそろ始めないとごんさんとみぃ君の2人はいつまで経っても村へ帰れない。

 そこで、みぃ君は作業の合間に営業の時に着る服を買いに行ったりと、営業も視野に入れて動き出した。


 翌日、漸く水車小屋の作業が終わった。

 みぃ君は買ったばっかりの一張羅に着替え、グリュッグの大きな食堂やパン屋、穀物屋に営業を掛けることにした。

 営業がうまくいかなれば、この事業は立ち行かないので、みぃ君の役目は重大だ。


 みぃ君が営業している間は、ドブレはみぃ君について、営業の手助けをすることになった。また、まだ決まっていなかったドブレの給料について話し合う時間や、水車のメンテナンスを学んでもらうための時間は、営業の空き時間でということになった。


 4人がドブレの給与として考えているのは、グリュッグの町で庶民が住むエリアでワンルームの物件の平均的な家賃の3倍くらいの金額だ。

 日本でも、一般的に給与の約1/3~1/4くらいは住宅の支払いに使っているケースが一般的で、残りで、食品や衣料、医療、娯楽などを賄い、貯金などに当てている。

 それを参考にして、平均的な家賃から給与を逆算した形だ。


 ドブレに、月給は銀貨16枚、約80,000円ではどうか?と尋ねたところ、丁稚や見習いの給与ではなく、一般の店員に近い給与をもらえると分かり、見る見るうちにドブレの顔はパっと明るくなり、元気に「はい。ありがとうございます。よろしくお願い致します。」と同意してくれた。

 この給与は、仕事に慣れてきたら、一般の店員の給与と同じ、銀貨18枚に上げると付け加えると、ドブレの笑顔は更に輝いた。


 営業時間は朝7時から夕方の6時までとなった。

 この世界では、月は30日で1週間は6日だ。1年は12か月である。

 ドブレのお休みはこの世界の一般的な休みと同じく、1か月に5日間。

 お昼休憩は、食事が摂れる時に1時間程、水車は動かしたまま水車小屋に鍵を掛けて外に出ても良いということになった。

 まぁ、休みは2週間に1日なんていう店も多いらしいので、ドブレにとって毎月5日休めて、経験のある一般の店員に近い定額の給与がもらえるとなれば、良い職場と言えるだろう。


 水車は騒音がひどく、夜の間は近所迷惑になるため、水車を止めることにした。

 昼間も騒音は出ているのだが、両隣が倉庫だというのがある意味救いだ。

 一日の業務が終わったら、水門を閉めて水車が回らない様にするのも、ドブレの仕事となった。


 月に、臼4つ篩1つがフル稼働したとして、最大銀貨25枚、約125,000円の売り上げがあることになる。これはあくまでフルに稼働したとしてだが。

 実は、ドブレの昼休憩は、労働時間には含まれていないが、水車はそのまま回るので、臼は動き続ける。実際には、11時間の稼働とも考えらえるが、清掃に費やされる時間や、臼に穀物を投入する時間等、もろもろのインターバルがある事を考えて、11時間というところを10時間で計算している。


 そこから、ドブレに払う人件費を捻出し、土地購入代や、水車を作った建材費等を相殺し、さらに4人に利益を齎す様にしないといけないのだ。

 土地代だけでも金貨15枚、約75万円かかっているのだから、元を取るにはある程度の期間が必要だ。

 営業も最初から上手くいくとは限らないし、長い目で見ないといけない。


 実は、後日納品された大型の臼では、それなりに時間あたりの効率が上がったので、最終的に、料金は時間あたり小銅貨2枚(100円)から小銅貨3枚(150円)に値上げしたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ