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第二章1-5 城門の前についたけど ◆

――――キルア――――



ユリアの胸を十二分に味わいつくした後すぐに城へ向うことになった。


今は、荷馬車に乗ってゆっくりと大通りを進んでいる。



「なあ、ユリア? どうしたんだ?」



さっきから、というか出発してからずっと荷台で毛布に包まっている。



「キルア様、ユリアは恥ずかしがっているんですよ」


「恥ずかしい?」


「はい。ユリアは気持ちよくなったのが恥ずかしくなって、顔を見られなくなっているんでしょうね」



ナターシャが丁寧に説明してくれた。



「そうなのかユリア?」


「キルア様・・・今はそっとしといてください・・・大丈夫です・・・城に着くまでには持ち直しますので・・・」



ユリアは毛布に包まったまま、落ち込んだ声で返事を返してきた。


まあ、今はそっとしといてやるか。


城に着いたら忙しくなるし。




しばらくすると、城が見えてきた。



「ユリア! もうすぐ着くぞ」


「はい・・・わかりました・・・ナターシャ、手綱を代わってキルア様と一緒に荷台に・・・」


「はい。分かりました。どうぞユリア」



そう言って、ナターシャは手綱を代わり、荷台に移る。



「では、手はず通りに、キルア様。魔力のコントロールは常に行ってくださいね」


「わかった」


「ナターシャ。あまり話さずにキルア様の後ろに付き従ってください」


「わかりました」


「あまり問題を起こさないでくださいね」



ユリアは緊張した表情で、お願い? してくる。






やがて城の城門についた。



「止まってください」



またいつものように、2人いた門番に止められる。


今回の門番は、全身鎧で固めた騎士だった。


ユリアが素早く対応する。


声からすると1人は女か?



「王への謁見希望者ですか?」


「久しぶりですね。アイラ?」


「なっ! ユリアーナ様!? でも鎧は?」


「それは、後で話しましょう。とりあえず、通してください。あと、エレノア様に無事任務を果たしたという連絡をお願いします」


「わっ、わかりました! どうぞお通りください!」



女のほうの門番は、道を開けたが、もう一人いた門番は動かない。



「どうしたんですか? 道を開けてください」


「あなたは、本物のユリアーナ様ですか?」



うむ。この声の低さと態度から男か?



「本物もなにも私はこの世に1人だけしかいませんが?」



ユリアが門番に睨みをきかせたが、あまり効果がなかったようで、門番はさらに質問してきた。



「あなたが、本物として、後ろの2人は何者なんですか? 全身をマントで隠し顔も見せずに黙っていますし、そんな人間を城内に入れるわけにはいきません」



それもそうだな、顔を隠している者を王が住む城内に簡単に入れる方がおかしいよな?



「この方々の身分は私が保証します。そこをお退きなさい」


「っ・・・わかりました」



うーん・・・結局、力ずくで押しと通るのか?


門番はしぶしぶ横に退き、道を開ける。



「では、アイラ。エレノア様に出来るだけ早く伝えなさいね」


「はっ、はい!」



ユリアはそう言って、荷馬車を進めていく。


男の方の門番がなにやら舌打ちのようをな事をしたが仕方が無いだろうな。


職務を全うしようとしただけなのに無理やり押し通られれば、頭にくるだろうし。

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