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第二章1-3 ナターシャの朝と現状 ▼

――――ナターシャ――――



意識がだんだん覚醒してきました・・・。


お日様が昇り始め、窓の外で小鳥のさえずりが聞こえてきます。


胸の先端に滑りとした唇が押し当てられる感覚があります。


たぶん、というかキルア様ですね。


目を開けていなくても分かります。


キルア様は幼竜なのでまだお母さんが恋しいのでしょう。


添い寝を始めてから今までずっと吸われ続けていますから、慣れたものです。


最初は、恥ずかしながら快感に流されてしまいましたが、今では、母性が勝っているのか快感が穏やかなものに変わりました。


キルア様を優しく包み込むように抱きしめます。


私は、こうしているだけで幸せになります。


私の腕の中で、静かに眠るキルア様を感じ、私は、幸せをかみ締めながら時を過ごしていきます。



「2人とも朝ですよ起きてください!」



・・・。


まったく、無粋な人間ですねユリアーナさんは・・・。


せっかく、快か・・・幸せをかみ締めていたのに、邪魔をするなんて・・・。


ですが、仕方ありません。


今日は城へ向わなければいけませんし、怒るのはやめて素直に起きましょう。



「うーん・・・なんだ朝か・・・」



キルア様が、胸から口を離して起き上がってしまわれました・・・。


せっかくの私の幸せな時間が・・・。



「ほら、ナターシャお前も起きろ」



キルア様が私の体を揺すってきます。


だいぶ前から起きていたのですぐに起き上がり、キルア様に朝の挨拶をかわします。



「おはようございますキルア様」


「あはようナターシャ、おはようユリア」


「はい。おはようございます、キルア様、ナターシャ。とりあえず服を着ましょうか?」



うっ・・・。そう言えばそうでした。


私は今裸だったんでした。


最近、キルア様といると人としてのモラルが欠乏していくようです。


これが、恋というものなのでしょうか?


キルア様に求められたらなんでもしてしまいそうな自分が怖くなります。


というか、求めて欲しい・・・。


キルア様のことを考えているだけで思考がおかしくなっていく自分がいる。


昔は、肌を見せることに、躊躇ためらいや、恥じらいなどを持っていましたが、キルア様の前だと全てを晒し、キルア様に愛してもらいたくなります。


さて、それではキルア様に服を着せますか。





キルア様に服を着せ、自分の身支度を終え、再びベッドに腰を下ろします。


どうやら、ユリアーナが城へ向う前にやらなければいけないことがあるそうなので。



「どうしたユリア。城へ向わないのか?」


「向かいたいんですが、その前にキルア様とナターシャには覚えてもらいたいことが多々あるので、それを覚えてから城へ向おうと思います」


「なんだ? 礼儀作法などは我も教えられたし、ナターシャも礼儀作法などには問題ないと思うが?」


「いえっ! 礼儀作法ではなく態度ですよ! 態度!」



ユリアーナが声を荒げてキルア様を指差します。


この人も、私と同じ僕ですよね?


あなたこそ、主に対する態度ではないと思いますが?



「まずは、キルア様の一人称が我に戻ってますし、態度も大きくなっています。そしてキルア様? 今はどこに座っているんですか?」


「分かった。偉ぶらない一人称も直す。あと、どこに座っているかって、決まっているだろう?」


「はい。私の膝の上ですね。キルア様」



そう、キルア様は私の膝の上・・・というか、またの間に座られています。


まったく、ユリアーナはどうして怒っているんでしょうか?



「あなた方はっ・・・ぬけぬけと・・・」


「どうしたんですかユリア?」


「どうしたのだユリア?」


「あっあなた方は!!」



ユリアーナが肩を震わせて怒りの感情を向けていましたっ!


これが、嫉妬に狂った女の姿・・・。


こ、怖いですね・・・。


キルア様も恐怖で怯えてしまっています。


キっ、キルア様っ大丈夫ですよ! 私が守りますから!



「まずは、離れなさい! あと、もう少し隠しなさい! なんですかあなた方のその新婚のような態度っ!」


「はっはい!」



キルア様が急いで私から距離をとります。


少し残念ですが仕方がありません・・・。



「あなた方はもう少し、羞恥心と言うものを持ちなさい! あなた方の存在が子供の教育に悪影響を与えているんですよ!」


「ユリア? それは言いすぎだと思うが?」


「キルア様! これから城に、王宮に向うんですよ! 王宮でもその態度だと殺されかねませんよ!」


「なっ、殺されるのか?」


「そうです! そんなにイチャイチャしていたら殺されてしまいます!」


「・・・」



ユリアーナさんが、なんだか無茶苦茶なことを言っています・・・。


いくらなんでも、それだけで殺されるわけがありません・・・。



「なので、城や王宮、街中ではもう少し節度を持ってください!」


「わかった。わかったよユリア・・・街中ではナターシャに触らない。これでいいか?」


「はい! それでいいんです!」


「ナターシャもいいですか?」



うーん。正直言うとそれは嫌なんですが・・・。


街中と言わず一日中キルア様と一緒にいたいですし、イチャイチャしたいんですけど。



「ナターシャ! い・い・で・す・か?」


「はっはい!」



ユリアーナの剣幕に思わす返事をしてしまった。


さすが、王国の騎士ですね。殺気がすごいです・・・。


ま、まぁ、いいでしょう。


街中(・・)などでしなければいいだけですし、寝室や公的の場でなければいくらでも出来ますし。


()は、大人しくしておきましょう。()は・・・。

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