第一章5-5 奴隷ナターシャの変化その1 ▼
新キャラナターシャは▼で表すことにしました
――――ナターシャ――――
私は、ダークエルフのナターシャ・エリエルドラ。20歳です。
二週間ほど前に一人で、森にいたところを人間の盗賊達に襲われて、奴隷商に売られました。
本当なら、奴隷商に売らずに殺されるか強姦され殺されるのが普通ですが、私は容姿に優れていたということで、奴隷商に性奴隷用の商品として売られました。
盗賊から奴隷商へ売られた後は、奴隷商から奴隷としての役割や作法を教え込まれました。
本当なら性奴隷として男を喜ばせる方法も教えられるはずだったのですが、私が処女だったことで、逃れました。
なんでも、処女は高く売れるとの事でした・・・。
私は、他の奴隷達と同じ牢屋に入れられました。
全員が、、買った人間の妾か性を満たさせることに使用されることでしょう。
そこで着る服は、体の形が分かりやすいようにしてある薄い生地のワンピースです。
それまで着ていたエルフの民族衣装は市場に売られてしまいました。
魔法を使い、逃げ出すことは出来ても、ここがどこかわからないので無駄ですし、奴隷商の老婆も、魔法を使うそぶるでも見せれば殺すと脅されました。
私は、考えました。
今は大人しくしていようと、どうせ、ここから出てしまえば、買った人間を殺して、森に戻ればいいだけなのだから、と。
私は、待ちました。
私を買う馬鹿な人間を・・・殺す人間を・・・。
ですが、私がダークエルフであることを知ると買う気だった人間も難色を示し、買いません。
老婆は、売れない私をゴミのような目で見てきました。
私も、老婆を睨み返しました。
私が老婆を睨みつけると老婆は憤慨しながら言いました。明日お前を殺してやると、ただ飯ぐらいのお前を見せしめとして他の奴隷達の前で殺して、街の外へ捨ててやると。
私は、もう疲れていました。それに、人間を憎んでいました。
牢屋のスキマから魔法を使いこの老婆を殺してやろうとしたときです。
老婆は、店に呼ばれ牢屋から退出していきました。
それから、少しした後です。全身をマントで覆いフードを深く被った人間とあまり上等ではない庶民の服を着た金髪の女がやってきました。2人とも人間を超えた魔力を持っていました。
しかも、マントの人間は、エルフすらも軽く超えるほどの魔力を持っています。
マントの人間は男だったようです。声が低いですし態度が男のそれだったので。
マントの男は、老婆から商品である奴隷の説明を受けています。
老婆は、私を本当に始末する気なんでしょう。私の説明をせずに説明を終わりました。
男は、不思議そうな声で老婆に尋ねます。
老婆は、さっきの怒りもあるのでしょう。言葉の端々に棘があります。
これでは、私は売れないでしょうね。
そう思って、男を見たときです。
フードを被っていた男と目が合いました。
私は目を離せなかった・・・。
黄金に輝く澄んだ瞳。
私は、言葉を失いただただ見つめていた・・・。
そのすぐ後だ。男は、隣の女に私を買えと命令した。
老婆と女は、心底まぬけな声を出した。
私だってそうだ。まさか、値段も交渉せずに買うことを最初に決めたのだから。
しかも、ダークエルフだと知っているのにだ。
老婆は大喜びで、奴隷の部屋を後にした。
たぶん商談にはいったのだろう。
値引きで、遅くなると思っていたがすぐに商談は終わったようだ。
老婆は、下品な笑みで牢屋に戻ってきた。
そして、これに着替えな、と服を渡してくる。
なんでも、貴族の侍女が着るというエプロンドレスだった。
エプロンドレスは露出が少なく、ダークエルフの特徴の褐色の肌が隠せたのはよかった。
人間の街ではダークエルフやエルフは恐れられたりするのは嫌だったからだ。
着替え終わると、老婆は箱の中から、首輪と腕輪を取り出した。
ひと目見ただけで分かるあれは魔具だ・・・。
老婆は、すばやく腕輪をはめてから、喜びながら言ってくる。
この腕輪をつけている限り魔法は使えないと・・・。
老婆は、首輪を付け替えて言う。
主人に逆らうことが出来なくなる首輪だと・・・。
老婆は、言う。残念だったな、と。
老婆には、解っていたのだ。私が買った相手をすぐに殺すことを。
だから、最初から首輪と腕輪を持っていても、私に着けなかったのだ。
私に絶望させるため、私を完全な奴隷に変えるために・・・。
私は、買われた。もう終わった。逃げられない。
私はこれから、この男の妾として屈辱と恥辱を味合わされるだろう・・・。
荷馬車の手綱を持たされて、宿屋に向かいました。
宿に着くと男はマントを脱ぎました。
男の顔とマントの下に着ていた黒い上等な服が見えます。
不思議な人間でした。
私を買うぐらいだから変人だと思いましたが、歳は15~20越えないぐらいの青年で、黒い髪に黄金の瞳で、その目と顔にある表情はまるで子供のようでした。
男は、金髪の女に買い物を言いつけて、部屋から出します。
さっそく、なにかされるのでしょうね。
そう思って、男の目を見ると、男の目には下色は感じ取れませんでした。
男はまずは、名乗りました。
私を買った男の名前はキルアでした。
キルアは、私に契約を持ちかけてきました。
魔法も使わず、書類も使わずに、単なる口約束でした。
キルアは、「お前は、我の僕だ。寿命が尽きるまで僕だ」と言いました。
私は、淡々と聞き流しながら答えていきました。
寿命が尽きるのは、人間が先だろうと、この人間は馬鹿なのかと思いました。
口約束を終え、キルアがベットから身を乗り出し、私が座っている椅子へと顔を近づけました。
私は精神を心を閉ざし行為が終わるのを待とうとしましたが、キルアは、行為をすることなく、私に質問を投げかけてきました。
色々なことをわくわくしながら、まるで子供のように聞いてきました。
私は、質問にただ簡単と答えていきます。
キルアは人間としての弁えのようなものを、持っておらず、普通は聞きにくいことでも聞いてきます。
何故奴隷になったのかなど聞いてなんになるのでしょう?
私は、言いたくないと言った質問に対してはそれ以上何も言いませんし・・・。
そんな、たわいも無い質問を終える頃には夕方になっていて金髪の女が買い物を済ませて戻ってきた。
ずっと話を続けていたので喉が渇きましたが、奴隷なのでほしがることは出来ません。
キルアと金髪の女は夕食を摂ることにしました。
私は、残飯だろうと思っていましたが、キルアは、女に同じものを持ってくるように言いました。
しかも、私と一緒に料理を運ぶように言いました。
部屋を出て、一階の酒場で料理を頼み、二階に持って上がります。
その間に、金髪の人間と自己紹介を交わしました。
名前はユリアーナ。18歳だそうです。
身のこなしからして戦士でしょう。足運びや重心が常に一定で安定していました。
料理を3人分貰い、部屋に戻ります。
そして、料理を机にキルアとユリアーナの分を乗せて、床で食べようとしていた時に、キルアに止められました。
キルアは、きちんと机で食べろと言いました。
私が奴隷商で教え込まれたものとかけ離れた待遇です。
奴隷は主人の残飯を床で食らい。飯が出ないときもあると教えられました。
まさか、主人であるキルアとユリアーナと同じ食卓を囲むとは思っていませんでしたし、ユリアーナが僕だったことにも驚きました。
私は、緊張しながら食事に手をつけていきます。
食事は、この二週間の間まともなものではなかったので、シチューを口に入れたときの温かさと美味しさに涙が出そうになりました。
そのあと、夕食を終え、風呂に向かいました。
主人であるキルアがお風呂に入るときは、背中を流す義務があったからです。
私は、キルアについていき風呂場に入りました。
キルアは、他人の前で服を脱ぐことを意識してないようで、すぐに裸になりお湯を張った桶に入りました。
私は、背中を流そうと思っていたので、いきなりお風呂に入ったキルア様に尋ねたら「なにかおかしいのか?」と本気でお風呂の入り方を知らなかったようでした。
そして、キルアは「ユリアは言わなかったが?」と言いました。
そういえば、主人が風呂に入ると言うのにユリアーナは風呂場に来ていません。
どうしたのでしょう?
そんなことを考えていたら、キルアが服を脱ぐように命令してきました。
風呂で奉仕しろという意味でしょう。
私は、侍女服を震える手で脱ぎました。
エプロンドレスを脱ぎ、下に穿いていたショーツという薄手の生地を脱ぎ、肌を晒し、両手を横につけ、隠したくなる気持を必死に抑えます。
羞恥で顔が染まり、いままで男に一度も見られたことの無い体を観察するように黄金の瞳から発せられる視線が体中を嘗め回します。
キルアは、私の肌と髪を褒めました。
私は羞恥と屈辱、そして憎しみが生まれていきました。
キルアは、私に風呂に入るように命令してきました。
風呂の中で、奉仕させるために脱がしたんでしょう。私は、覚悟を決め風呂に入ろうとしましたが、キルアが「待て」と言って止めました。
キルアが風呂から立ち上がり、私の首輪に手をかけようとしています。
何か不味いことでもしたのか不安になり、動きを止める。
キルアは、首輪を掴むと、「邪魔だな」と言って外しました。
私は驚きました。まさか、買われて、半日もしないうちに首輪を外したからです。
そして、キルアは、首輪だけではなく腕輪も外してくれました。
途中、ユリアーナが「何をやっているんですか」と怒りながら乱入してきましたが、キルアはユリアーナの制止も聞かずに私の腕輪を壊してくれました。
ユリアーナは何か言いたげにしていましたが、しぶしぶと退出していきました。
というよりも、ユリアーナはよくキルアが首輪と腕輪を壊そうとしたことに気がつきましたね。たぶん外から覗いていたんでしょうね。
こんな、人間は見たことがありませんでした。
この首輪と腕輪だけあれば私を強引に犯すことが容易いのに、邪魔だからと言う理由で外すとは思っていませんでした。
私は、その状況が飲み込めずに、キルアが言うままに風呂に入りました。
風呂に入るとキルアは後ろから抱き着いてきて、髪に顔を埋め、賞賛しながら全身を触っていきます。
まるで、一つ一つの感触を楽しむように長い時間をかけて触っていきました。
本当は、もう、魔法が使えるようになったので、反撃も逃げることも出来ましたが、なぜか逃げたいと思わなくなりました。
キルアは充分に私の肌と髪を楽しむと風呂からあがり、タオルを取りにいき、私を風呂から出し、持ってきたタオルで私の体を拭いていきます。
体を拭かれるのは初めてだったので、恥ずかしく嫌だったのですが、キルアが風呂で遠慮なく触りまくるので体に力が入らず抵抗も出来ないまま拭かれるハメになった。
キルアに体を拭いてもらった後、逆? になったが、今度はキルアの体についてある水気をタオルで拭き取る。
男の裸をこんなにも見たのは、初めてだったし、男のアレを拭くときは顔を背けずにはいられなかった・・・。
体から水気を拭き取った後、キルア様を着替えさせようと服に手を伸ばした。そのときです。
キルアの黒の服は上等な服だとは思っていましたが、触った瞬間にこの服の凄さがわかりました。
何十にもかけられた魔法。秘められた魔力。明らかに国宝級でした。
汚れても自動洗浄のかけられているので、洗わなくても、いつまでも清潔で、柔軟で羽のように軽い。しかも、そこらの剣などではキズひとつつけることは出来ないだろう。
こんなものを持っているなんて何者なんだろう?
見かけは珍しい外見をした目つきの悪い青年だが、本当は、違うのかもしれない。
そう思いながら、キルアの着替えを手伝う。
キルアの着替えを手伝い終えたので自分の着替えをしたいのだが、キルアは、ずっと、こちらを見ている。
キルアは、私が着替える様子を、ずっと観察していた。
やはり好色な男なのか?
予定より長くなったので、二つに分けますね




