表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/62

第一章5-2 今度は寝室で・・・ ◆

ナターシャパートは、もうすぐです


今回はキルアが風呂場と同じで何かやるかも・・・

――――キルア――――



風呂を済ませ寝室に戻ると、ユリアがベッドに寝転がりながら、何か考えていた。



「あがったぞ。お前も風呂に入ってこい」


「はいっ!?」



どうやら、部屋に戻ってきたことに気づいていなかった様で、ユリアが驚いて、ベットから慌てて起き上がった。



「風呂。あがったから、お前も入ってこい」



聞こえていたか定かではないので、もう一回言ってやる。



「あっ、はい! 入ってきますねっ」



よっぽどユリアは風呂に入りたかったのだろう、駆け足で部屋を後にした。




さてと、ユリアが風呂に入っている間に、眠る用意をするか。


まだ、眠るときに服を着て眠ることには、慣れていないので服に手をかけて、また脱ぐ。



「っ! ・・・」



なぜか、ナターシャが体を強張らせ、震えだした。




服を脱いで、ベッドに潜り、ナターシャを誘う。



「お前も眠る準備をしろ、早く寝ないとユリアがうるさいぞ」


「は、はい・・・」



ナターシャが諦めたように服を脱ぎ、先ほど風呂場で見た美しい裸体を晒し、我のベッドに恐る恐る入ってきた。



「失礼します・・・」



シーツを優しくめくりすぐ隣に仰向けで寝そべる。


やすい部屋なので、ベッドは小さく2人で入るとギリギリで必然的に肌を触れ合わせることになる。




ナターシャは、少しも動かずに岩のようにかたまり、目を強くつむっている。



「どうした? なにを怯えている?」


「いえっ・・・私は経験したことが無いので・・・」


「そうなのか?」


「はい・・・初めてです」


「まあ、これから慣れろ」



ナターシャを抱き寄せ、大きな胸に顔を埋める。


柔らかくていい匂いだ。明日は、きっと気持ちよく目が覚めるだろうな。



「・・・」


「・・・」


「・・・」


「・・・あの、何もしないんですか?」



ナターシャが、不思議そうに尋ねてきた。



「ん? なにをだ?」


「なにってっ・・・そんなこと女の口から言わせる気なんですか?」


「なにかしたかったのか?」


「えっ! い、いいえっ」


「そうか。ならいいだろう」


「・・・」



顔をあげてユリアの顔を見ると、なにかを言いたそうに、恥ずかしそうに頬を染めていた。



「なにか、言いたいなら言え。しもべに隠し事されるのは好かん」


「うっ・・・えっと・・・せ、性行為をしないんですか・・・?」



ナターシャは搾り出すような消え入りそうな声で我に尋ねてきた。



「性行為・・・子作りのことか?」


「・・・・・はい・・」


「子作りか、まだこの体になったばかりだから、出来るか分からんな。人間の体に慣れれば出来るだろうが」


「・・・まだ、人間になったばかり?」


「そうか、お前にまだ我の正体を話していなかったな」


「正体・・・と言うことは人間ではないのですか?」


「ああ、そうだ。今は人間の姿をしているが我の本当の姿は黒竜だ」


「・・・」


「どうした? なにを呆けている?」


「ほっ・・・本当なんですかっ!?」



ナターシャがベッドから起き上がり、大声で詰め寄ってきた。


シーツが、まくれ、上半身が灯りに晒されているのにも気付かす。顔を近づけてくる。



「嘘を言ってどうなる? それよりも、声が大きい。うるさいぞ」


「ほっ、本当に黒竜様なんですか?」



怪しむような目で見つめてくる。



「そうだと言っているだろう? どうしてそこまで驚く?」


「おっ、驚きますよ! えっ、あっ、こ、黒竜様はなぜ下界へ?」


「ん? 死の谷で暮らしていたら、ユリアがやってきてな、いきなり戦いを挑まれて・・・」


「まっ、まさかっ、負けたのですか・・・?」


「人間ごときに我が負けるか、最後まで聞け」


「はいっ、申し訳ありませんっ」


「ユリアとの勝負は、我の圧勝で終わったが、瀕死のユリアを死なすのは惜しいと思って、秘術を使い、力の大半を支払って、ユリアの体を治した。我の今の人間の姿は、そのとき力を失った影響だ」


「それは、分かりましたが、なぜ下界に? 今は力を失っていらっしやるんですよね?」


「うむ。我も下界には興味があったが、力を失っている状態に死の谷から出たくは無かったが、治療を終えたユリアから不意打ちをくらってな、気づいたらどこかの人間の村の宿屋で、ユリアから脅されて契約を結ぶハメになった」


「・・・あの、それは、なんと言いますか・・・酷いですね」


「そうだな、我も恨んだが、契約を果たせば、ユリアは完全に我の僕になるからな」


「その、契約とはなんなのですか? よろしければお教えくださいませんか?」


「契約か。契約内容は、我がこの国の王族を病気から救うこと。そして、対価は、ユリアの全て」


「・・・あなたには、あまり得の無いことでは?」


「そうだな。正直言うと拒否しようと思ったが、手足を切り取るとまで脅されたし仕方が無いだろう?」


「えっと・・・それはそうですね」


「まあ、お前も手に入ったことだし、悪いことばかりではない」


「わ、私ですか・・・?」


「うむ。お前のその美しい容姿と態度、深く引き込まれそうになる瞳、我はお前が欲しくて堪らない」


「あ、あなた様にそう言われると、こ、光栄です」



ナターシャは、恥ずかしがりながらも、目に涙を溜めて心から喜んでいるようだった。



「なんだ? なくほどのことか?」


「はいっ、私たちエルフなどには、竜は力の象徴であり神。私などがあなた様の僕になれただけで、今までの人生がこの幸せのための布石に思うほどです」



とうとう、涙を抑えられなくなり、大粒の涙をポタポタとシーツに落していく。




そんなときに、またドアが開いた。



「ふ~っ、いいお湯でした・・・ってキルア様っ!? また、何をやっているんですか!! 女を泣かすなんて最低ですよ!!」



ユリアが鬼のような形相で、詰め寄ってくきた・・・。


たぶん、説明を間違えたら酷いお仕置きを受けるだろう・・・。


今夜は、眠るのが遅くなるかもしれない・・・。


それとも、ずっと眠ったままか・・・。

評価をもらえたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ