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第一章3-6 ユリアーナをお風呂に ◆

――――キルア――――



「ユリアをお風呂というモノに入らせてもらえるか?」と言ったら、また人間たちの顔が変わった。


ゴルドーとビジターは呆けた顔でユリアを見るし、ユリアは顔を耳まで真っ赤にしていた。



「どうしたんだ? ないのか。お風呂」


「いえっ、あります、ありますよ・・・」



どうしたんだ?



「ユリアが旅の最中、ずっとお風呂に入りたいと呟いていたからな」


「キルア様っ!」



なんだ? 怒った?



「どうした? 風呂に入りたくないのか?」


「いや、入りたいですけども・・・」


「だったら、丁度いいだろう」


「それはっ・・・もういいです・・・」




「あのっ・・・本当にお風呂だけでいいんですか?」



ゴルドーが呆けた顔で聞いてきた。



「ああ、お風呂だけでいい」


「わ、分かりました。ビジター」


「はい・・・。ユリアーナさんこちらです」


「えっとっ・・・はい。お願いします」



ユリアがビジターに連れられて部屋を出て行った。





ユリアがビジターと出て行ったすぐ後ゴルドーに客間に案内された。



「いますぐ、お茶の用意をさせますね」



ゴルドーがエプロンをつけた女を呼びつけた。家の中だからメイドか?



「少々、お待ちくださいね」



お茶の用意をメイドに頼んだようだ。メイドは、急いで客間から出て行った。



「どうぞ。救世主様」



小さなカップに入った色の付いた水と白い皿に綺麗に並べられたクッキーが机におかれた。



「うん。いただきまーす!」



椅子に座って口に入れていく。すごく美味かった。特にクッキーが甘くて美味しかった。



「キルア様・・・」


「おお! ユリアか、本当に綺麗になってるな! 髪がキラキラしているぞ!」


「あ、ありがとうございますっ・・・」



部屋の中にいつの間にかユリアとビジターがいた。


ユリアがお風呂に入って戻ってきたようだ。キラキラした金髪にもどっている。


よし。もうこの屋敷に用はないな.




「じゃあ、帰るよ。じぁな」


「ちょ、お待ちくださいっ」


「もう用は済んだんだ。帰っていいだろう?」


「い、いえっ。まだ私どもは恩を返しておりません」


「お風呂でもう充分だ」


「それだけです! 私は娘を救ってもらったんですよ!」


それがどうしたんだ・・・。


「俺は、早く帰って本を読みたいんだよ・・・」


「本っ! 本なら私が用意しましょう!」


「本をか?」


「はい! 書斎にたくさんあります」


「だったら、読ませてもらえるか?」


「はい! こちらです!」


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