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14少女漂流記  作者: shiori


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第七章「コンビネーションブレイド」4

 翌日、桂坂公園で三人のサラリーマン男性の遺体が見つかり、さらに報道は過熱を極めた。

 不審死との報道がされ、不安がさらに広がり始めると警察の会見が開かれ事態は一変、集団自殺として報道されることとなった。警察側も戸惑ったのだろう。

 

 ゴーストの犯行は人間にとって都合のいい形で片付けられる。あるべき殺人者の証拠が残らないのだから仕方のないことだ。不審死と片付ける方が警察への信用問題になり、収拾がつかなくなる、これはもうどうしようもないことだった。


 連日の職員会議が開かれ、クタクタになる中、部活動は当面の間、大会などが近い等の事情がない限り自粛となった。

 

 放課後になると閑散としてしまった学園、あのゴーストが原因で起こったことではあるが、こう人がいなくなることの方が不安も大きくなるように感じた。


 数日後、ゴースト事情に関して詳しいアリスプロジェクトのメンバーなどからもヒアリングを行い、大体の検討はまとまった。

 

 私は改めて守代蓮と話し合う必要を感じ、彼の根城になっている美術準備室を訪れた。


 事前に話したい旨は伝えていたが、彼は美術準備室に私が入ると素早く描いていた絵画を白いシートで覆い隠した。


「すみません、お忙しい時に」


 私は相手の心情も鑑みて最初にそう告げた。


「いいや、構わないよ。先生とはこちらも話すつもりでいた。

 しかし、筆が止まらなくてね。人には言えないが、あまり精神は強い方ではないのですよ」


 心に負荷がかかると描きたくなるということなのか、私にはそんな芸術家の心理など分かるはずもなかったが、守代先生も話すつもりでいたということに一定の安心感を覚えた。


「夢中になるほどとは、先生は十二分に芸術家でいらっしゃいますね」

「そう言われましても、人に見せるために描いているものではないので。全ては自分と向き合うために描いているものです」


 反射的に隠したのはそのせいかと理解した。魔が差したように俯く守代先生。心が何か淀んだものに覆われているようにも見えた。

 

「場所を変えましょうか?」


 私はそれで少しでも気持ちが和らぐならと提案した。


「そうしましょうか、お互い車で通勤していますし、駐車場があるところがいいですね」


 守代先生がそう言ったので、話し合った結果ファミレスに夕食も兼ねて行く事になった。食欲低下するような話の内容にならないことを願いながら私は凛音に今日は夕食がいらないことをメールした。

 守代先生は絵の具で汚れた白衣をそのまま脱ぎ袋に入れて、まだ汚れていない黒のカッターシャツ姿になって美術準備室の扉に鍵をかけた。


 学園を出て、近くのファミレスの駐車場にお互い車を停めると、二階にあるファミレス店内へと向かった。


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