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14少女漂流記  作者: shiori


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あとがき解説②

次に二つ目の山場である浮気静枝(うきしずえ)の裏切りから望月千尋(もちづきちひろ)水瀬(みなせ)ひなつの死までを触れていきます。(第十九章前後編)


 ここは厄災編前半のクライマックスとして、大掛かりな展開を組み立てました。本当に死力を尽くして書いたシーンの連続でしたので、印象的に残っている方も多いかと思います。


 浮気静枝が裏切ることに関しては一番最初に彼女が登場したシーンから設定として決まっていたので、彼女の性格だけでなく数多くの伏線があったので予想は出来たかと思います。


 そのため、どこで裏切るのか、これが何よりも重要でした。

 いかに印象的にここを描けるか、それを考え続け今の形になりました。

 

 ほとんどの登場人物が死亡することはこの物語を書く時点で決めていたのでいかに効果的にドラマを組み立てるかだったのですが、ここで千尋とひなつが犠牲になることになりました。


 千尋が黒江の魔女の力によって魔法使いに覚醒すること、そして犠牲者になることは主人公である黒江がただの傍観者という立場ではないと印象付けるために重要な事でした。


 さらに水瀬ひなつは特殊な境遇にあり、不憫な存在として登場しています。

 ひなつは私自身、書いていてかなり愛着があり、黒江にとっても癒されるひたむきな優しい少女でした。

 ですので、非常に精神的に参ってしまうほどの切ないシーンが出来上がりました。

 涙なしには見れないと言いますか、心揺さぶられ、ここでお別れなんて辛すぎると泣きながら書いていた思い出があります。

 ひなつ自身はアリスの力を頼ることなく自然覚醒した魔法使いでありながら、マギカドライブを使用します。

 それも彼女らしく決死の想いで戦いを中断させようとした、優しい魔法であったのではないかと思います。

 

 さて、もっと細かく語っていきたいところですが、延々と書いてしまうことになるので次の山場、凛翔学園防衛戦、まさに救世主である赤津羽佐奈の登場に触れていきましょう。(第二十三章~第二十四章)


 ここでは上位種のゴースト三体が同時に襲いかかってきます。それも浮気静枝と相打ちになって亡くなった望月麻里江の遺体を持参してという、最大の危機であり、いかにも倒すべき敵、大悪党と言える登場でした。


 守代蓮達が舞原市からの脱出方法を探すため最初に地下水道に向かった際に出会ったメフィストフェレス、千尋を不意打ちで殺害したファントム、そしてディラックが登場します。

 ディラックは神話から生まれた存在ではなく、研究者として上位種のゴーストとして召喚されました。そのため、リリスのような異形体もなく人間の姿のまま立ち塞がります。


 戦いは残された者たちによる総力戦となり、麻里江を失った茜と雨音は最大の危機を迎えます。

 

 そこに舞い降りる救世主、赤津羽佐奈…格好(かっこう)良すぎます。

 三浦友梨と内藤玉姫を引き連れたその姿はまさに救世主の活躍でした。

 ここは羽佐奈の強さと爽快感を描きつつ、希望を持たせるような演出が出来たかと思います。

 

 コンビを組んでいる三浦友梨も含めて、赤津羽佐奈は私にとってかけがえのない大切なキャラクターなので、イラストも描いてもらい、派手な登場になりました。

 

 霊体との融合を含め自然覚醒を果たした魔法使いであり、最強の能力を誇る羽佐奈、ディラックやファントムを圧倒する姿はとても感慨深いものでした。

 

 しかし、これだけ強いなら最初からいてくれれば…と思ってしまいますよね。


 羽佐奈に関しては14少女漂流記の中では大きく掘り下げていませんが、魔法使いと繋がる世界本編やその後の作品でも活躍していきますので、今後とも期待して待っていてくれると嬉しいです。

 羽佐奈シリーズという古の作品から生まれたのが赤津羽佐奈ですが、そちらはあまりにも拙い未熟な文章ですので読まなくて大丈夫です…w


 さて、お次は霧島雨音(きりしまあまね)について触れていきます。

 実のところ、気に入ってくださる方もいるのですが、彼女は戦闘で派手に戦うタイプではなくヒーラーであったため、リリス編まで地味な出番しかありませんでした。


 千尋やひなつに続いて、静枝と相打ちになって麻里江は鮮烈な死を遂げるので、最初から登場する三人の中で、雨音をどうしようかと考えを巡らせながら厄災編を書いていた思い出があります。


 その結果として、第二十六章を丸ごと使い、雨音視点で彼女の葛藤を描くことになりました。

 そもそも、雨音もまた印象的なドラマを作りやすいよう伏線は用意していました。

 しかし、それほど効果的に使う方法が思いつかず、マギカドライブを使えなかったことには”こういう経緯があった”という描き方になりました。


 私自身、かなり迷った部分ですが、彼女の内面が揺れ動く姿を克明に描けたことはよかったと思います。

 この第二十六章から第二十七章前編までの流れは最終章の切なくも熱い終幕へと繋がっていくので、十分尺を使って描き切ることが出来て良かったと思います。

 

 ここまで来ると、いよいよ終盤に差し掛かってきましたが、最終決戦の振り返りに入る前に内藤玉姫(ないとうたまひ)について触れておきます。


 玉姫については茜たちの一年先輩であり、偽りのアリスの神託を受けた魔法使いでした。

 何人もの魔法使いを看取って来たと描かれていて、何かと不幸な人物でもあります。

 内藤邸で暮らすアンナマリーの事も当然知っている彼女なのでもっと掘り下げて良かったかもしれないと思います。

 実際、TIPSを書く予定でしたが、雨音を巡るところでアリスとの戦闘シーンを描いたり、出番自体は多くなりましたので泣く泣くテンポ重視でカットになりました。

 玉姫が命を落とすシーンを含め、今後書く機会があるといいかもしれないですね。


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