表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14少女漂流記  作者: shiori


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

204/266

第二十六章「君の知らない私のこと」1

 私は最初から戦いたくなどありませんでした。


 新しい出会いは嬉しくて日常は楽しくても、痛いのも苦しいのも、大切な人を失ってしまうのも耐えがたいほどに辛いことでした。


 醜い人の欲望を知り罰することも、正義を振りかざして悪を討ち払うのも、それが本当に正しいことなのか、私には分かりません。

 私は誰かが正しいと言ったことを信じ、便乗していたに過ぎないのですから。


 戦うことは明らかに私には不向きだったのです。

 自分が魔法使いとして戦いを続けることはいつ命を落とすのか、いつ誰に恨まれ、追われる立場になるのか、それに怯えるばかりで、考えれば考えるほど恐ろしかったのです。


 私は普通の女性であればよくて、それ以上を望んでいるわけではなかった。


 でも、私は友達の事が大切だった。


 茜と麻里江はいつしか私にとってかけがえない親友となって、私の生活を構成する一部になっていた。


 だから……()()()()()()()()()()


 私は望まずして魔法使いに覚醒を果たし、いつしか自ら戦うことをやめて、支援する側に回った。


 いつも無茶をして怪我をする茜を治療して、やれやれだと言いながら今日も生き残ってくれたと安堵した。


 麻里江はこれが自分の役目なのだと、家の責務も背負って状況を受け入れて、ゴーストを退治していた。

 

 戦いに終わりはなかった、それがまた私を不安にさせた。


 普通の青春もそこにあるのに、なぜ戦いを続けるのか? どうして、普通の青春を送ってはならないのか。なぜ、誰かに頼まれたわけでもないのに、人助けをしなければならないのか。全ての人が善人であるわけでも、心から感謝してくれる良い人ではないのに。


 私にはよく分からなかった。何故私が魔法使いに選ばれたのかも分からなかった。


 軍人でも警察官でもない私には戦う理由も義務も、戦いたい意思もないというのに。


 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ