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おまけ、ゲームをする 6

『それじゃあゲームを開始するね! 改めて、私はソラ・マイケ。クーガルーゼン様にこの世界へ送られて、今は聖女のお姉さん一行を待つ為に領主館でお世話になっているの。さあ、今日は何をしようかな?』


 やっといつものあらすじが流れ、ソラキャラが今いる部屋で動きを止める。

 ここからが、私が自由にソラキャラを操ってゲームをプレイできるシステムだ。

 さて、どうしよう。

 あのお姉さん一行が何日くらいで到着するのかはわからないけれど、たぶんたったの数日だろう。

 なら、やっぱり旅の準備を整えておくべきかな。

 ここラッセルフォームは領主様が住んでるほどの街だから、お店もたくさんあって色々と旅に必要な物もきっと揃えられるだろうし。

 えっと、必要な物……。

 まずは、着替えだよね?

 あ、でも、荷物は多くないほうがいいだろうから、そんなにたくさんは持たないように、えっと、そう、丈夫な、動きやすい服を……三着くらい? 洗って着回すように持って、あとは……うん、もしもの為のお薬と……非常食なんかも、いるかな?

 あとは…………ええと?


「あの、ルガル? 旅に必要な物って、着替えとお薬と非常食以外に、何かありますか?」

「旅に? ……そうね、昔契約していた騎士の男性は、遠征などには日持ちのする乾物などの食料と回復薬などの薬、着替えに寝袋に結界石といった物を用意していたけれど」

「結界石? ……結界……を張る、石、ですか? 道具屋さんで売ってるのかな……? じゃあ、食料品を売ってる各お店と、服屋さんと、薬屋さんと、道具屋さんに行ってみます。ハーデンクーガで買った物は、取得できるはずですから」

「そう。けれどソラ。武器屋にも行かなければ駄目よ? 貴女、武器を持っていないでしょう?」

「え?」


 武器……って、ああっ!?

 そういえば私、持ってない!!

 今まではずっと、戦闘になったら魔法使ってきたし……っ。

 や、やっぱり、旅に出るなら武器もいるよね!?

 どどどどうしよう、どういう武器がいいんだろう!?

 あっ、あと、値段も問題だよね……お金全部使うわけにはいかないし……どれくらいするものなんだろう!?

 どうしよう、誰かに相談……シンさん達……は、まだいるのかな?

 ほ、他にだと……あ、領主様?

 でも領主様にこんな相談していいのかな???


「ソラ? どうしたの?」

「あっ……ね、ねえ、ルガル。武器に関する相談って、誰にだったらしてもいいと思います?」

「相談? どういう事?」

「え? いや、えっと、だって、私、どういう武器がいいのかとか、値段とか、何にもわからないですし……」

「わからない? ……それは、じゃあ貴女、使う武器もまだ決まっていないという事なの?」

「はい」

「まあ……! そうだったのね。わかったわ。それなら、私に任せてちょうだい。貴女は私が育てると決めたのだもの。そのくらいの相談なら、私がのるわ。武器は、私が用意するわね」

「えっ、ほ、本当ですか!? ありがとうございますルガル!!」

「ふふ、どういたしまして。それじゃあ、少し留守にするわね」

「はい、行ってらっしゃい」

「ええ。行ってきます」


 そう言うと、ルガルの姿は一瞬で消えた。

 さあ、じゃあこれで武器についての問題は消えたし、その他の物を買いに行こう。

 まずは……やっぱり旅の為の服装かな。

 ここに一番お金をかけて、しっかりした良いものを揃えなくちゃだよね。

 えっと~……"高級洋品店"、"一般洋品店"、"防具屋(ローブ類)"、"防具屋(鎧類)"……かぁ。

 旅の為の服だから、一般洋品店ではないだろうし……防具屋(ローブ類)かな???

 よし、ここに行こう!

 カーソルを動かし、防具屋(ローブ類)を選ぶ。

 すると画面が黒く暗転した。

 これで、次は防具屋(ローブ類)のお店にいるんだよね……って、あれ、何か出てきた?

 これ、会話ウインドウ?


『ソラ様、お出かけでございますか? かしこまりました、では、供をお連れ下さいませ』


 えっ、お、お供!?

 それって、誰かついてくるって事!?

 戸惑いながらも画面を見ていると、会話ウインドウは消え、そして、背景は防具屋(ローブ類)のお店だろうと思われるものに変わる。

 そして……。


「あ、やっぱり誰かついてきてる……」


 ソラキャラの背後には、男女二人の人影があった。

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