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第36話 力を合わせて

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今回はオーストリア=ハンガリー帝国の戦後の話…のはずがほぼシェーネラーの話で終わってしまいました。

帝国国外の話はまた次回という事で…

1908年12月25日の第一次世界大戦終結以来オーストリア=ハンガリー帝国は混乱の最中にあった、中でも大戦中から続く、諸民族の独立運動は帝国政府にとって常に頭痛の種だった。


そのため、ウィーン市長で絶大な人気を誇るキリスト教社会党のカール-ルエーガーを首相に任命し、混乱を収束を狙ったがあくまでも帝国の維持を目的とするルエーガーの政策は妥協的なものであり、政治的に主流派であったドイツ系住民、ハンガリー系住民とその他の少数派民族の双方から批判を受ける事になる。さらにそうした中でルエーガー本人も1910年3月10日に死去してしまう。


こうして、一時は立ち直るかと思われたオーストリア=ハンガリー帝国は再び政治的に混乱することになる。

そんな中で台頭したのがヴィクトル-アドラー率いる左翼政党のオーストリア社会民主党と、ゲオルク-フォン-シェーネラーの影響を受けた様々な右翼政党だった。

オーストリア社会民主党はマルクス主義の立場に立ちながらも、独自の理論を持っており、特に民族問題に対してはドナウ川流域の経済圏を保全し、オーストリアハンガリー帝国の枠組みを維持したうえでの社会主義革命を目指していたことから、諸民族の文化的自治という独特の考えを打ち出していた。

それまでのマルクス主義とは違う政策で支持を集めた社会民主党にたいして、この時代のオーストリア=ハンガリー帝国における右翼勢力の中心となっていたゲオルク-フォン-シェーネラーは一度"終わった"と見なされていた人物だった。


シェーネラーはその強烈なまでの汎ゲルマン主義と反ユダヤ主義、反カトリック主義でその名を知られていた。

シェーネラーはオーストリア=ハンガリー帝国の解体とその後のドイツ帝国への併合を訴え活動し、支持者たちからは総統(フューラー)と呼ばれ、ユダヤ人やスラブ人を敵視する運動を起こしていた。

しかし、シェーネラーは1888年にユダヤ人の経営する新聞社を襲撃した為、投獄されてしまいその間のカール-ルエーガーら、キリスト教社会党の台頭による支持者の激減によって政治生命を絶たれてしまう。

その後はローマの支配からの脱却を唱えて、ローマカトリック教会からルター派、またはローマ教皇の権威を否定して、ローマ-カトリック教会から離脱した復古カトリック教会への改宗運動を行なっていたが、もはや、政治家としてのシェーネラーは終わったと、誰もがそう思っていた。


しかし、1906年の第一次世界大戦の勃発によってシェーネラーは再び表舞台に舞い戻る事になる。

ドイツ帝国とオーストリア=ハンガリー帝国が同盟国として戦う中で汎ゲルマン主義者として知られていたシェーネラーは第一次世界大戦をゲルマン民族による聖戦として捉え、戦意高揚のための演説を各地で行なった。

大戦中のシェーネラーは、かつてのオーストリア=ハンガリー帝国解体論を棚上げにした上で各地で自治や独立を望む少数民族に対して厳しい態度で臨んでいたため、当時のオーストリア=ハンガリー帝国政府にとっては都合のいい活動家だった。こうしてシェーネラーは政治家として見事復活を果たした。


第一次世界大戦終結後は、再び汎ゲルマン主義者としての立場からオーストリア=ハンガリー帝国解体論を唱えて活動していた。しかし、こうしたシェーネラーの活動はオーストリア=ハンガリー帝国を治めるハプスブルグ家に良く思われてはおらず、結果として社会民主党政権が実現する後押しをしてしまう事になった。


皇帝フランツ-ヨーゼフ1世は分断よりも力を合わせて(フィリブスウニティス)困難に立ち向かう事を望んでいた。

オーストリア=ハンガリー帝国に対する脅威は内からだけでなく、外からも迫っていたからだった。




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