100万人記念特別コラボ配信! 15
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薄暗い遺跡の中には、何かろくでもない実験をしていたと思われる機械の数々と、大量の砕けたガラスの破片。
その中央に鎮座する一際大きな装置の上には、淡い光を放つ純白の羽根と一冊の本が置かれていた。
「輝く羽根……?」
「そんな羽根を持つモンスターがいまして?」
「うーん……」
雷霆鳳は黄色っぽいし、アナザーモンスターの『サンサーラ・フェニクス』ならあり得るけど、あれは最近出現したモンスターだ。昔からあるらしいこの遺跡に、その羽根が置かれているとは考えにくい。
「この本にヒントが載ってるのかもね」
「カローナ様、相変わらず躊躇い無いですわね……」
何の警戒もなしに機械へと近寄り本と羽根をを拾い上げた私を見て、セレスさんが呆れたような声を漏らす。
別に無警戒って訳じゃないんだよ? よっぽどの攻撃が来ない限り、私のAGIなら避けられそうだからね。
そうして拾った本を開いてみると……
「っ……これは……」
「カローナ様?」
「どうしたアルか?」
・珍しく苦々しい顔やな
・あー、これ絶対ろくでもないやつだ
・まさかシリアス展開くる?
・これだけギャグみたいなメンバーが集まってシリアス展開はどうなん
・おい止めろ、まるでカローナ様がギャグ次元の人みたいじゃないか
・えっ、違うの?
「……まぁ見て貰った方が早いわね」
私がよっぽど微妙な表情をしていたのだろう。この部屋の中を調査していた憂炎さん、レリーシャさん、ラビリちゃんも神妙な面持ちで集まってくる。
そうして本を覗き込み───
「っ!?」
「これは……!?」
「読めないけど、これがヤバいってことは分かるぴょん……!」
本に書かれているのは、見たこともない文字。現実では見たこともない文字で、私も当然読めるわけもない。
ただ、その文字と一緒に書き込まれている人体図を見れば、何について書かれているのかは分かる。
と言うか、文字は読めなくてもその正体はハッキリと聞こえてきた。
『プレイヤー名:憂炎、シスター・レリーシャ、兎々森ラビリに対し、スペリオルクエスト『胎動する世界樹』を開始します』
♢♢♢♢
『胎動する世界樹』……元々はプライマルクエストである『閉ざされし深緑』から一段階進んだ───つまり、エルフに関係するクエストだ。
私とセレスさんは、以前のPKクランの件ですでにクエスト発生していたため何も起こらないけど、憂炎さん、レリーシャさん、ラビリちゃんの三人はかなり驚いたようで、三者三様なリアクションをしている。
視聴者さんは意外と冷静ね……『カローナ様の配信だから予想してた』って? 毎回そんな突飛なこと……いや、結構起こってるかも?
「それにしてもまさか、ここでもスペリオルクエストが発生するだなんて驚きましたわね」
「この遺跡が、前に見たダークエルフの遺跡とかなり似てたからそんな気はしてたんだけど……」
「なるほど、だからカローナちゃんとセレスちゃんはこの遺跡に入る直前に意味深な会話をしていたアルね?」
「それならそうと言ってほしいぴょん! ビックリしすぎて変な声出たぴょん!」
「あはは、ごめんね? この方がガチのリアクションが見られるかなって」
でもそのお陰でレリーシャさんの珍しい驚きの表情が見られたから、私としても『ドッキリ大成功!』ってところだ。
「スペリオルクエストが発生したとはいえ、内容がまだ全く分かりませんわね。何かヒントになる物はありまして?」
「この本が解読できれば、何かしら分かりそうではあるんだけど……」
「ここで何かの研究をしていたのならそのデータが残ってるはずアルが……肝心の機械が動かないアルしなぁ」
「こことは違う、また別の遺跡にヒントがあるのかも知れませんわね」
レリーシャさんのその一言に、私達の視線が集まる。
「確かに……旧マップに一つ、新マップに一つ見つけたからと言って、他にも無いとは言えないわね」
「えっ、旧マップにもあったアルか?」
「えぇ、私とカローナ様はそこですでにこのクエストを発生していたのですわ」
「なるほど……なら『胎動する世界樹』の発生条件は、『エルフに関係する遺跡を見つける』ってことアルか?」
「そこで何かをする必要はありそうですわね。今回はこの本の中身を見たこと。私とカローナ様が発生した時は、ダークエルフの一人から色々と話を聞いて発生しましたもの」
・ちょっ、なんか超重要な内容が垂れ流されてない?
・これで俺らもスペリオルにありつける!?
・乞食みたいで草
・実際大丈夫なんか? もし他にクエスト進めてる人がいたら結構怒られない?
「まぁこれまでの過程を普通に配信してる時点でアレですけど……気になることは他にもあるんですよね」
「多分、私もカローナ様と同じことを考えていると思いますわ」
どうやらセレスさんもある考えに思い至っている様子。
それはつまり───
「「このクエスト、発生が簡単すぎません?」」
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