八十話 世界を覆う闇
世界が揺れる。
それは大地の底から唸りを上げる怒りのように。
深く、深く。重い地鳴りが地上全土へ浸透する。
青い空へと雲が掛かった。
この世の行く末を映したような、薄暗い霧が北大陸全土を覆った。
子供の目を隠すように、見てはならない物から目を遠ざけるように――その日、大陸は暗い雲に包まれて見えなくなった。
その中。大陸の大半を埋めている樹海の中央で、巨人が姿を現した。赤黒い巨体が大地から這い出てくる。大きな口が空を喰らう。
――それは、大地を揺らした。
一度歩き出せば木々は薙ぎ倒され、生物は圧し潰されて死んでいく。何もかもを呑み込まんと、化物は叫びを上げる。
「それは魔神、かつてどこかの世界に存在した破壊者。あらゆる概念を喰らい尽くす災害。其処に在るだけで世界を滅ぼす装置――お前はそういうモノなのだ。さあ、〝世界を滅ぼしたまえ〟〝災厄を起こしたまえ〟〝全てを呑み込みたまえ〟。呼ばれたからには――お前はそうするべきなのだ」
空の片隅に、魔法使いがぽつりと一人、言葉を紡ぐ。
白金のローブを羽織ったその男は、腰の直剣に手を触れて。
「そろそろかな。ここまでやれば来るだろう。それとも既に来ているのかな――まぁ、君には関係ないだろうけどね」
――この世界を破壊できれば、なんでもいいのだろう?
魔法使いはそう吐き捨てると、くすんだ茶色の瞳で地上を見下ろした。
◇
魔法都市へ到着したサーリャは、突如発生した大地の震動に耐えつつ樹海へ視線を向けていた。
吐き気のするほど歪な魔力が肌を刺激してきている。
「今度は何よ……何よ、あれは」
地震というのは滅多に発生する現象ではない。地震というのは、地表の内側で流れる魔力が動きを変化させた時に発生する現象だ。魔力の流れが変わった時に別の魔力流とぶつかり合い、その衝撃が大地を伝わることによって振動する――それが地表を揺らす地震の正体である。
小規模な大地の揺れであれば誰かが地魔法でも使えば起こり得るものではあるが、これは歩行が困難なほどの大きな揺れだ。そんな断片的な事象ではない。
下手をすると、この揺れは北大陸だけでは済まないかもしれない。
そして、それを引き起こした原因は――間違いなく、自然発生などではなかった。
「巨大な……生き物? あんなのが今まで地下に眠ってたってわけ? っは……冗談じゃないわね」
サーリャの見つめる先、そこで巨大な化物が二足歩行で立っていた。
魔法都市からかなり距離は離れているはずなのにソレが見えるということは、大きさなど計測するのも馬鹿らしい。
そんな化物が――こちらへ、歩いてくるのが見えた。何故分かるのかと言ったら、その度に振動が地面を揺らしているからとしか言えない。
歪な魔力はあれが放っていた。あんなものを放置していたらきっと世界さえ滅ぼされかねないだろう――誰だ、あんなモノを呼び出したヤツは。
「召喚魔法だなんて魔法の体系はないけど――昔の本に、似たような魔法が記載されていたような記憶があるわ。ま、この状況で自然に起きてきたなんて考える奴はいないわよね……全く」
赤い造形をしているみたいだが、例の赤い魔力とは気色が異なっているようだ。もっと荒々しくもっと破壊的な気配で、触れるだけで鳥肌が立つ恐ろしい魔力の形をしている。
近付いたりしたら、常人はそれだけで発狂してしまいかねないだろう。
――そんな魔力に反応してか、サーリャの腕の中でもぞもぞとリーゼが動き出した。腕から解放して立たせてやると、何かに囚われたかのように、彼女は虚ろな瞳でとある一方向を見つめて。
「……い、いかな、きゃ」
サーリャは歩き出そうとしたリーゼの腕を掴む。
「どこへ行くつもり?」
「……倒さなきゃ、私が……!」
「本来のリーゼならともかく、今のリーゼで何が出来るっていうの。それにあなたは――もう、勇者じゃないんでしょ」
「……っ」
リーゼは押し黙った。目覚めたばかりで意識が薄弱だったのだろう、半ば本能的に脅威へ立ち向かおうとした彼女はそこで足を止めて――膝を付いた。
「うん、ごめんね。身体が、重くて……」
「無理しないでいいわ。さっきまでは起きたとしても、意識すら戻らないまま痛みに呻いてまた眠りについていたもの……体力もかなり消耗されているはずだわ」
眠っているリーゼの身体から何度魔力が抜け落ちたか分からない。不可解な灰色の魔力が何なのかは不明のままだが、それが彼女が出ていった以上は彼女の力だ。
回復魔法は定期的に掛けていても、失われた基礎体力まで回復するわけではない。辛うじて動けている今でも奇跡なほどだ。
――あの化物が現れたから、きっとリーゼは執念で意識を取り戻したのだろう。
「……あれは、サーリャはなんだか分かる?」
「分からないけど、魔物……じゃないわね、でもとんでもなく恐ろしい化物なのは間違いないわ」
リーゼは辛そうにしながらも、赤い化物を見据えてこう返してくる。
「見たことがある、かも。レーデさんと出会った最初の町で、あれよりもかなり小さかったけど……一度だけ」
「――そうなの?」
「同じような気配がするから」
「それは誰と戦った時に現れた?」
「奴隷商人だった。あれもきっと、誰かが呼び出したんだと思うよ」
「そう。奴隷商人、ね」
似たような前例があるのならば、今度はそれの強化版といったところだろう。ならばアレを生み出した勢力は〝魔物側〟ということになるのだが、如何せん付近には魔物の反応がなかった。
一体誰が、何の目的であんなモノを呼び出したのかは知らないが――誰も倒せない。少なくとも魔法使いが一人一人で立ち向かってどうにかできる規模の相手ではなかった。
サーリャが魔法陣を描いて全力の魔法を打ち放っても、倒せるかどうか。しかもそんな大規模魔法をぶっつけ本番で放った時の成功率など考えたくもない。
アレに打ち勝つことを考えるならば、ありったけの魔法使いと連携を取らなければ勝ち目はないだろう……この都市の惨状で?
サーリャは乾いた笑みを浮かべた。
「ていうか、あんなもの出されたら本当にどうしようもないじゃない……どうしろっての」
戦争どころじゃなくなったのは明白だ。戦場のど真ん中にあんな化物が現れたら、敵も味方も関係なく死んでしまう。ただ歩くだけで、魔力を放っているだけで人を殺せる災害のような相手――そこで戦っているバロックが、どうにか逃げられると思いたいが。
彼の性格上、嬉々として戦いに行っている可能性さえある。
「私が力を取り戻せれば……」
「それは無いものねだりってものよ。とりあえずやることは変わらないわ。私の知人が近くにいるから、事情を説明して協力を仰ぎましょう」
呪縛の魔法使い、ディッドグリース・エスト。彼女は癖のある人物だが悪い人間ではない。力さえ取り付けられれば貴重な戦力になる。
それに、化物を止めるなら必須戦力と言い換えてもいいだろう。
火力や物量で叩きのめすよりも、彼女のような変則的な魔法こそが今回の相手には必要になってくる。
「って、いつの間に化物退治に目的がシフトしたのかしらねぇ……はぁ。まああんなもん放置しておけるわけないし、誰がやったのか知らないけどここで阻止しておかないと」
方向はこのまま真っすぐ。丁度学校がある場所付近から彼女の魔力反応があるため、付近を捜索すれば見つかるだろう。幾つも魔力反応が入り乱れていて上手く掴めないが、死んでいるということはあり得ない。
他に知っている反応があるのは――。
サーリャは探知を一旦中断して眉間を揉んだ。反応がどれもこれも弱くて探れない上に、化物が放つ魔力が邪魔過ぎて集中力がごりごりと削られていく。
「サーリャ、何かがこっちに向かって来てる」
「え? そんなのどこにも……うん?」
リーゼに言われた方向は正に学校の方だった。同じく微弱ではあるが、魔力の反応がある。しかし、この気配は――仲間のではなく。
嫌な予感を胸中に抱いたサーリャはリーゼの前に立つ。
「これは味方の魔力じゃないわ、気を付けて」
「うん、これは――魔物に近い……?」
視認したその姿を見て、二人共に怪訝な反応をする。サーリャは首を傾げ、リーゼは目を見開いてやってくる人物を見やる。人物達、の方が表現としては正しかった。
空中を突っ切ってこちらへ飛んでくるのはリーゼと同年代程度の一人の少女だ。それが赤い魔力を身に纏って、血塗れの青年を抱えてこちらへ向かって来ているのだ。
こちらが向こうの存在を認識したすぐ後に、相手側もこちらの存在に気付いた。
「――くそが、まだいやがるのかよ」
少女は叫ぶと、魔力を放出して突っ込んでくる。
明らかなる敵対の反応。けれど神聖教国の勢力とも魔法使いの勢力でもなく、魔物側だと判断するにはちぐはぐな雰囲気がその二人からは発せられていた。
少し悩んだが敵対してくるなら迎え撃つしかない。
自身も魔力を全開に解き放ち、足元に魔法陣を描いて迎撃の準備を整える。
周囲に計六つの炎塊を展開――突撃を真正面から迎え撃った。
「この魔法使いがぁ!」
「っ、強い――」
白髪の少女は目を血走らせて叫び、力任せの格闘を放ってくる。右脇に青年を抱えているお陰で何を使うかも軌道も読みやすいが、背後にリーゼを抱えたサーリャも状況は大して変わらない。
避ける選択肢が取れない以上、苦手ながらも打ち返すしかなかった。
「右腕、纏え――《ファイア》」
身体強化と合わせて火の概念を纏う二重強化。
変則的な応用だがやってやれない技術ではない。遠距離魔法使いの分野ではないが、それが火であるならお手の物。
「はぁあ!」
数度拳を打ち合わせて受け流すと白髪の少女は距離を取る。瞬間、微弱だった魔力反応が急激に高まっていく。
そこへ内包された魔力量は視認が可能なほどの脅威で、背後に化物さえいなければ見逃すなどあり得なかっただろう。
サーリャは相手戦力を計測しながら、同時に少女の正体についても思考を始める。
赤い魔力という点だけ抜き出せば奴隷商人や海賊と同じだが、それとは桁外れに濃密な魔力が練り上げられている。
さて彼女はどこの勢力なのか――魔法を使うなら小国の兵士ではないし、海賊でも魔物でもなければ、先程の暗殺者とも違うようだが。
サーリャは炎塊を幾つか周囲に待機させる。
白髪の少女は血走った赤い目をこちらへ向けて、魔力を更に引き上げた。
「待つんだ――ノア」
「待って――サーリャ!」
静止が掛けられたのは、互いが守っていた者達からであった。
「……!」
先に白髪の少女が飛び退いた。こちらを警戒しながらも、解放された魔力を徐々に収めていく。
その様子を見てサーリャも右腕に纏う炎と周囲の炎塊を消し去る。
「あの二人に戦う意志はないみたい。どこかから逃げてきたような感じだったから」
「そう見える? 私に殺意をガンガンぶつけてきてるみたいだけど」
こちらが話している最中、向こう側も似たやり取りが交わされていた。
「なんで止めたんだよ――って、その名前……?」
「ああ。彼女達は敵ではないようだ。〝俺達〟の敵ではない」
「……わぁった。うちだけだったら頭に血が昇ったままだったよ、あんがと」
赤い魔力がふっと消失し、少女は青年を放す。一人で立ち上がった青年はサーリャとリーゼを交互に見て、ほっと一息吐いた。
「君は火炎の魔法使い、サーリャという名で合っているのだろうか」
「……ええ。そうだけど」
知られていることに驚きはない。階級の最上位に名を連ねている名など調べれば分かる程度の情報だ。しかし少女の反応や青年の台詞からはそうではないことが窺える。
次いで少女が口を開いた。
「でも、じゃあなんでここにいやがる? おまえはこの大陸にはいねーはずじゃ」
「はぁ? なんでアンタ達がそこまで知っ……」
まさか。いいやそれ以外に考えられない。
あの男が関与していなければ、そんな事まで知っているはずがないのだから。
「――あぁレーデね、私のこと教えたの」
「よく分かったな、そうだ。その……悪かったな。攻撃しちまって」
「え、レーデさんと一緒にいたんですか!? レーデさんは今どこに……っ」
「興奮しないの、本調子じゃないんだから……落ち着きなさい」
リーゼの身体を支え、代わりにサーリャが続ける。
「私達はレーデを探しにきたのよ。一緒に居たのなら教えてくれないかしら?」
「……それがあの野郎、いなくなっちまったんだ。ちょっと前までは居たんだけど――畜生、行くなっつったのに!」
苛立つ少女を見て、サーリャはああと納得する。またぞろこんな少女とっ捕まえて何をしていたのかは知らないが、こちらでも色々と行動を起こしていたらしい。
ひとまずは都市での事情を聞くのがよさそうだ。バロックよりは余程有用な情報を知っていることだろう。
「とりあえず、何が起きているのか聞かせて貰っていいかしら? 私達、来たばっかりで混乱してるのよ」
◇
事情というのは常に複雑に絡まり合っている。物語とはその一つ一つの欠片を足して初めて生まれるものである。
だから一方だけでは語ることは出来ず、無数にあった所でそこにあるだけでは始めることができない。変えられる者がいなければ、物語足り得ない。
であるならば、この物語は欠片のままだ。誰が何をどうやっても破滅以外の未来はなく、破滅した物は誰にも語れない。
そして此処には物語を変える者がいなかった。
此処には物語を改竄する者はいなかった。
だからこの話は此処で終わる。
先はない。
――そこに彼はいないから。
真っ白な世界。
そこに地面はなく空もない。無がどこまでも続いている。何一つの物質は存在せず、空間さえそこにはない。
あるのは概念だけ。そんな世界で、男が目を覚ました。
「……長い旅だった」
呆けた表情で佇む男の目の前に、一人の女が姿を現す。
「――おかえりなさい。随分、長い旅だったね」
その女を一瞥し、男は女を視界から外す。見つめる先は下。どこまでも続く、何もない真っ白な世界。
男はしばらく黙り込んでから、そうしてこう言った。
「どうしてここに? 今は忙しいはずであろう」
「ええ、そうなの。でもあなたが戻って来たから、私も戻ってきちゃった」
「――そうか。俺はどこにも行きやしないさ、思うがままに世界を救ってくるといい」
男は興味がないとでも言いたげに横たわる。余生を過ごす老人のように。
男の瞳が映す世界は虚ろだった。
「ついてこないの?」
けれど女は言う。
「諦めちゃったの?」
女は続ける。
「決めたんでしょ?」
女は紡ぐ。
「途中で投げ出す?」
女は悲しそうに。
「――もういいの?」
男は寝返りを打って、欠伸をした。
「ああ、そうだな。世界はお前が救うだろう。俺が何をしなくてもな」
「私が世界を救うっていうことがどういうことか分かるよね? 私は人を救わないよ――これから救うのは人じゃないんだよ」
「……俺はやれるだけのことはやったさ。けれど、意味がなかった。俺の行為に意味はない。ここに戻ってきてしまったということは、そういうことだ。安心しろ、俺はもう二度と居なくはならない」
女は首を傾げる。ふぅん、と相槌を打った。
「あれだけ私から逃げていたのに。嘘つきだ」
「……もう覚えていないんだ。俺が何をしたいのか」
「はい嘘つきー。ついさっきまで私を殺そうとしていた癖に。私を殺せば、あなたは解放される。そう覚悟を決めたんでしょ?」
「俺にそんな資格はない」
「いいの? みーんな死んじゃうよ?」
「……そう、だな」
「私は助けないよ? みんなを助けるのは私じゃなくてあなただから。返事に詰まるくらいなんだから諦め切れていないじゃない。ホラ、そんなあなたに私は〝私を殺す〟資格をあげるから。ね?」
「要らん」
女が男の前に回り込む。
男は逆方向へ寝返りを打った。
「駄目です、これは命令です。強制です。あなたは私に反逆しなさい。だって知らなかったもの、あなたがそんなこと思ってたのなんて今の今までまったく聞いていなかったんだから。言ってくれれば良かったのに」
「……言ってどうにかなることではない」
「うん、どうにもならないかな。あなたは何も覚えてはいないものね。あなたさえに分からないことが、私に分かるわけがない」
「だから、もういいんだ」
男は起き上がって、虚ろな瞳で女を見つめた。
「もういいんだ。お前が終わるその時まで――お前と共に俺は居よう」
「えー……やだーそんなあなたと一緒になんて居たくないよ私は」
「逃げている時はしつこく追ってくる癖に、今度はその逆か」
「えぇ何それ、もしかして拗ねてるの? 今は構ってちゃんなの? 反抗期はもう終わったの? 強情だなぁ」
「……もう俺は休むぞ――おい、何する気だ」
女は目を細めると、男の両肩を掴んだ。
男は逆に目を見開く。
「駄目だよ、休ませないよ? ほら喧嘩しよう。あなたは私を殺して自由になる。私はあなたを捕まえて二度と離さない、そういう喧嘩をこれからして貰う、簡単だね。私を殺せたらあなたの勝ちだよ」
「……もう捕まえているだろう」
「勝手に死んだだけじゃん、何一人で勝手に諦めてるの」
女は背中から翼を生やすと、俺を連れて何もない世界を飛んだ。どこまでもどこまで高く飛ぶ。
白い世界に、やがて歪んだ点が見えてきた。
黒い点だ。これから崩壊する世界の色だ。
「――私の不戦勝だなんて許さない。だってあなたはあの世界の人々を救うと決めた。かつて私と決別を決めた原因だよね、あなたは覚えていないけれど私は覚えているよ?」
「お前に俺のことが分かるのか?」
「ううん、分かったんだ。あなたは神様じゃない。神様じゃないからあなたはいつだって人を救ってきた。私は神様だからいつだって世界を救ってきた――」
「――俺は世界は救わないが、人を救う」
「――私は人は救わないけど、世界を救う」
だから、勝負だ。
女はそう告げ、男を――黒点に放り投げた。
「だからさっさと戻れ! 生きるのに飽きたから今まで連れ添った神様ぶっ殺して自分も死んでしまいたいあなたの気持ちは分かったから! そんな退廃的な願望持ってる奴が言葉一つで諦められるわけないでしょばーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーか!」
意識が潰えていく。
男は――。
俺は――俺を放り投げたそいつの姿を視界に収めて、苦笑した。
ああ、そりゃそうだ。でもお前神様だろ、それでいいのか本当に……いいんだろうな。
じゃあ、そうだな。お墨付きも貰ったことだ。
――喧嘩をしよう。




