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トラベラーズ・レコード  作者: くるい
至るべき世界
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七十四話 灯火が消える時

 鬱蒼とした森林。ただ一匹の生物すらいないと思えるほどに静閑な木々に、冷たい風が吹き抜けていく。

 その中、ただ一つだけ存在している人工的な輝きがそこにはあった。煌めくガラス片の集合体のような、透明な球状の結晶体に映し出された光景を眺めて――クロードは一人呟く。


「実験は成功だね。ギリアム」


 彼が右手を横に一線引くと、水晶は輝きを失ってぱらぱらと土の上へと崩れ落ちていく。もう何も映し出されてはいない。激しい戦闘も、赤が現出した少女の姿も、魔法使いギリアム・クロムウェルの姿も、今や砕けたガラス片だ。


「なんてね。ただ遠くから見ていただけ。僕は断層――次元を覗く(丶丶)魔法使い。でもねギリアム、君が僕に何かを隠そうとしても無駄だよ」


 彼は腰の剣を引き抜く。刀身がぎらりと銀色に輝けば、そこに映るは禁書庫で本を読み耽っている一人の男の姿。これは光が反射して映っている光景ではない――紛れもないクロードの魔法だ。


「君が独自に道を進むように、僕も新しい場所へ進むとしよう。だから、お疲れさま」


 その剣の中心を、右手の拳で叩き割った。刀身の半ばに亀裂が入り――細身の剣が砕け散る。

 割れた箇所から“本来あり得ないはずの血液”が、赤黒い人間の体液が流れ出す。だらりと伸びる左手に握られた柄の先、折れた剣の半ばからどろどろと血生臭い液体が噴水のように吹き出した。

 ――血。それが一体誰の物であるのか、クロード以外には知る由もない。


「あぁ、逃げたんだ。酷いね、死の運命から逃げようだなんて」


 血染めの剣――血を流すその剣を、クロードは背後へ投げ捨てる。くるくると回って、根を張る木々の内の一本にそれは突き刺さった。なおもどくどくと溢れ出る、剣からの異常としか言い表せない出血。

 クロードは薄く引いた唇から笑みを浮かべたまま別の方向を見やった。


 遙か先だ。クロードの視界には絶対に映らない距離で、それらは軍勢(丶丶)を率いてこちらへ向かってきていた。何体も何体も何体も何体も何体も何体も何体も何体も何体も――部隊を散開させて。

 一度に来ても、何回に分けようとも結果など変わらないというのに。


「ところで君、大丈夫? これじゃ僕の独り言になってしまうよ、返事をしてくれると退屈にならないんだけどな」

「……貴様、は。余裕が我にあると――思って、いるの、か」

「出来るじゃないか、ちゃんと」


 見下ろす。クロードの足下、泥まみれで地面に伏している漆黒の肉体がびくりと蠢いた。至る部分に裂傷が走り、中には切断された部位もあり、誰が見ても瀕死の状態だと分かるそれ。

 ――魔物だった。喋る魔物、レーデに斬り裂かれて敗北した漆黒の魔物。断面を塞ぐように肉の盛り上がった腕を僅かに上方へと動かして、無惨にも血で染まる口を開いて、裂傷だらけの喉から発された。


「――殺、せ。殺、さなけれ、ば。町に、一人、イレギュラー、が――アレは、生かしては」

「そういえばさっきもそんなこと言ってたね。一体誰のことかは分からないけれど、それって」


 ――これではないのかな?

 右手の平に生み出した小さな水晶。その中に映し出されているのは、意識を失っている一人の男だ。今にも死にそうな顔をしていて、実際放っておいたら息の根は止まるだろう。

 クロードもこの人物に覚えなどないが、さして気に止めるべき人物でもないはずだ。想定外ではあってもイレギュラーではなく、計画に影響もない。クロードが出迎えるまでもなくその人物はギリアムに倒されており、手を下す余地がどこにあるというのだろう。


「何を臆病になる必要があるのかな。ホラ、目標は目前まで来ているじゃないか」

「貴様は――奴を、知らないから、言えるのだ」

「やれやれ。本隊到着までの予定にはもう少し日にちが掛かるんだ、それまで隠れていよう。ゲリラを止めるのは僕の役目じゃない」


 漆黒の魔物が放つ言葉など気にも止めない。

 クロードの頭にあるのは別の事柄で、そのため脳の容量をどうでもいい事柄に回すだけの余裕はなかったからだ。

 彼は、柄にもなく今の状況を愉しんでいた。これから起きる事象は世界の革変へと繋がる第一歩となる。それを目前に控えているのに、思考を余計な羽虫に邪魔されたくはない。

 まるで研究者が初めての薬品でも調合するが如く――きらきらと輝いた瞳を遠くに向けて、クロードは笑いを零す。


「――全部、聞かせて貰った」


 そんな、耳障りな言葉が聞こえてくるまでは。

 くつくつと。いつまでも続いているかのように思えた笑みは、背後から発せられたその言葉を境に中止する。

 羽虫が顔に集る。ウジ虫が首元に這って、毒虫が足首に食らいつく――彼はそんな表情を笑みの上に張り付けて、白金の外衣をはためかせた。女と見紛うばかりの艶やかな金の髪が、風に靡く。


「やぁ、生きていたのかい」

「あぁ生きてる。んで、おめぇさんは何をやってやがる」

「調査をしているんだよ。君もこんなところで油を売っていないで、侵入者の一人や二人を倒してきて欲しいものだけれど」

「――何をやっていると聞いた!」


 大地が揺らめく。ごう、と地盤が動き、大地に亀裂が入る。

 ジョッキー・フリートが全身から魔力を放出したことによる振動――木々が、枝葉が揺れてがさがさと鳴いている。


「そこに居る魔物はお前の共犯者か?」

「共犯……? 面白い言い回しをするね」

「ソイツは、確かに喋った。アイツ(丶丶丶)の言葉通りだ。学長殺したのも、今回の扇動も――俺はお前がやったことだと睨んでる。違うか」

「君は一体、僕にどう答えて欲しいんだい」

「全部に、決まっている」


 クロードは嘆息した。眼下の魔物を一瞥すると、彼に言葉を返す。


「アイツってのが誰かは知らないけれど……ジョッキー。僕は、何もしていない。そう答えれば満足かい?」

「――嘘を吐くんじゃねぇ」

「なんだ、そう答えて欲しいなら最初から言えばいいのに。『僕がやりました。全部全部僕のせいです』――そうだろう。君は、明確な答えと敵が欲しいんじゃないのかな? 何と戦っているのか分からないから。その点僕って優秀だね、怪しい点しか見当たらない」

「ふざけたことを抜かすな、俺は、真実を」

「だから今のが真実だよ。『僕がやりました、僕の責任です』、ホラね。この魔物も、そう」


 クロードは何の躊躇いもなくそれを蹴り飛ばした。反撃する力も残されていないそれは、苦鳴と共に血をまき散らしてごろごろと転がっていく。


「なんだか面白そうだったから、加担してやったのさ。僕は断層を覗く観測者だから。世界にはいつも変化していて欲しいんだよね」


 変わりのない世界は面白くない。何色かだけの色で構成された完成されたキャンバスではつまらない。そこにはいつも刺激がなくてはならない。

 断層の魔法使いはそう答える。


「言ってる意味が、分からねぇ」

「分からないだろうね。君はただ力が強いだけの魔法使いだから。本来十二人に数えられるような格を持っていない、土いじりだけが取り柄のでくのぼうだ」

「何するつもりだ。俺たちの居場所をぶっ壊して、意味なんてあるのか」

「あるんじゃないかな。少なくともこれから概念が一つ追加されるんだ、世界は様変わりする。これからは魔法使いだとか魔物だとかって時代じゃなくなる。面白いだろう?」

「お前、自分で何を言ってるか、分かって――……」


 ジョッキー・フリートは、それ以上の言葉を放つことは出来なかった。ぼろりと、剥がれた土塊(つちくれ)の喉が、肉体が、彼に全てを物語らせる。

 クロードが、仲間に――かつては仲間(丶丶)であった魔法使いへ牙を剥いたのだ。それが意味するところは一つだけ。


「全部聞いたのならそこで逃げてしまえば良かったのに」

「――っ――――、――」

「無駄だよ。うるさいから思念も遮断しているのでね」


 クロードは右手の内に収まっていた土塊の喉を握りつぶし、丹念にすり潰す。

 喉も潰されて思念は遮断され、ジョッキーの声はクロードまで届かない。それでも、と近付いた身体に――亀裂が走る。

 死に損ないの身体を土で補強しただけの肉体だ。どうしてそんな崩壊寸前の肉体を駆ってまで、危険だと知っている場所に踏み込もうとしたのか甚だ疑問でしかない。そんなものは無謀で無策で無意味な行為で、何かを正そうと正義感を燃やしているのだとすれば――それは本当に無駄でしかないのだから。


「―――ぉ―――っ!」


 木々を幾つも飲み込み、クロードも魔物もジョッキー自身をも取り囲むよう数百もの大地の槍が天へ伸びる。それは両足を地面と同化させ、大地そのものを操っているジョッキー・フリートの仕業で、こんな大規模な魔法を惜しげもなく扱えるのは一人だけしか存在しない。仮にも瀕死の状態から放たれる魔法の威力と規模ではなく、木々を遙かに飛び越えてクロードを囲む槍の数々は、まともに相対する魔法使いが槍の数だけの絶望を認識したところでまだ足りないほど。


 天を貫かんばかりに伸びた巨大な土の槍。一本一本が大木の幹程の太さを持って、それらはある地点で静止する。そして、各々が縦に伸びていたものを今度は内側に向けて――水平に、伸ばし始めたのだ。


「……へぇ?」


 空を覆う雲のように重い衝撃が連続して鳴り響いた後に残るのは、一寸先の視界も見渡せない暗闇の牢獄。

 ジョッキーはクロードを殺すのではなく、あくまでもそこに捕らえておくことを選択したのだろう。

 行使とほぼ同時にジョッキーが大地に潜り内部から離脱していくのを、視界の閉ざされたクロードは魔力感知で把握していた。ずずずと隣接し合う巨大な槍の壁が押し潰さんが如き勢いで中心部へ迫ってくる。

 空をも含めた全方位からの大質量魔法、はてさてこんな芸当がクロードに出来るだろうか。否、それは不可能だ。


 如何にクロードの魔力量が倍に増えようと、ここまで大地を――自然の形を変化させることなど絶対に出来やしない。これは常日頃から土や気や空間に対して魔法を適応し続けていたジョッキーだからこそ振るえる極致の芸当、それは天災と評することが妥当とも言えるほどにどうしようもない暴力だ。

 しかし、出来ないからといって攻略が不可能かといえばそうではない。魔法使いには適材適所が当然ある――クロードは、こんな無意味(丶丶丶)な魔法を使わない。


「君は甘いね。だから生かしておいてあげたんだけどな」


 上を見上げる。相変わらず暗闇で何も見えないが、クロードは空間に何らかの“術式”を描き出した。

 輝き始める空間の式が、世界を浸食する――。


 巨大な大地の牢獄が揺らめく。これはクロードの魔術式(丶丶丶)による変質ではない。大地の魔法使いが、この魔法を見て心を揺るがせていた。

 この術式――恐らくは未だ誰もが到達していないであろう、魔法の極致のその先に。

 クロードの周囲に幾何学模様が走り、増幅し、増大し、波のように浸食を開始する。幾何学模様は各種様々な輝きの色を生みだし、暗闇の世界を魔力光が照らし出す。そして何らかの意味を保有する文字列が新たに空間へ刻まれ、それらは、より強力で凶悪な魔力を帯びて――。


「もう死に掛けているなら、死んでも変わりないでしょ」


 クロードが放ったその言葉を起爆材に、その魔法は起動する。全ての術式が実体を描き出すと同時、ソレは世界を蹂躙するのだ。


 術式は膨大な威力の魔法へと変換され、形を得て実体を手にしたソレは。

 現実を滅ぼす災厄の一撃となって、牢獄全てを呑み込んだ。


「こ、れは、まるで」


 漆黒の魔物は――アウラベッドは、地面に伏したまま辛うじてその光景を目に入れていた。ソレが暗闇を喰い破る異常な光景を。

 一つ一つが存在そのものを崩壊させる威力持ったソレ――例えるならばギルディアの全出力による息吹(ブレス)、それと同等の威力を持った破壊の波。そんなものが数十もの束を暴れ狂わせて土壁を削り取るなど、地獄絵図以外の何物でもなく。


 ――堅牢な大地の牢獄が崩壊するのは、たった数十秒の出来事。

 クロードの魔法術式が空間へ溶けて消失する頃、大地の魔法使いが起こした全ての魔法の痕跡は跡形もなく消し飛ばされていた。結界規模の大出力魔法だったはずが、今や残るは土と肉の固まりだけ。彼は力を失った瞳で、ぼんやりとクロードを睨んでいる。


 大きく削れた樹海の空間が、凄まじい攻防が発生していた事実だけを世界に刻み付けていた。


「……んな魔法、一体、どこで」

「ヒントは最近だね。誰かさんが生み出したアイデアを僕が完成させてみた。改良、と言い換えてもいいのかな? これが存外身体に馴染むんだよ」

 クロードは軽い反応一つ、人差し指で側頭部を小突いてみせた。

「命名するならばこれは魔術(丶丶)だ。原理は魔法と一緒だけど、やってることは魔法と比べるべくもない――だから」


 ――僕は、これより魔法使いの名は捨て去るとしよう。

 彼は白金の外衣を脱ぎ捨て、宙に放り投げる。彼は己が魔法使いであることを捨て、ここに宣言する。


「魔術使い……いや、そうだね。そのままじゃ流石に捻りがなさすぎる。かといって言葉を変えすぎるのもどうかと思う。なので、これより僕は魔術使(まじゅつし)と名乗らせて頂くよ。ジョッキー・フリート、君には僕の魔術をその目に焼き付けて、死ぬ権利をあげる」

「俺をそう簡単に殺せると思うか……クロード!」

「思わないね。逃げるなら逃げなよ、追いなどしないから――むしろ頑張って逃げてみせてよ。僕はそんな期待を願いつつ、君を殺すから」


 答え、クロードは右手の指先に魔力を練り込んだ。胸の位置から外側にかけて空間に一本の線が描かれる。魔力による術式の構築だ、それはぐにゃりと形を変えて文字列を刻み、式は術へと変貌を遂げる。

 それらが“赤”へと変色した。複雑に絡み合った幾何学模様が再びクロードを埋め尽くし、無尽蔵とも言える魔力がそれへと注ぎ込まれて――形を為した。

 暴れる化物が魔法陣から飛び出してジョッキーへ襲い来る。凡そこの世の物とは思えない何百もの赤い触手が、高濃度の魔力の塊が、鞭のようにしなって樹海そのものを巻き込んで破壊していく。


「残念、トドメだね」

「――っが」


 その内の一つが、地中へ潜り込もうと魔法を発動したジョッキーの背中を刺し貫いた。肋骨ごと肺と心臓を砕いて胸部中央から突出したそれがジョッキーを地面から剥がして宙へ吊るす。

 これで地中へ逃走することはできない。同時に大地との接続を失い、ジョッキーは完全に孤立(丶丶)した。


「伝え、なければ……」

「誰に聞かせようというんだい? どの魔法使いも好き勝手動いてるし、きっと僕に構うことはないんじゃないかな」

「早く……早、く」

「それとも“彼”にだったりするのかな」


 ジョッキーが最後の力を振り絞り触手を引き抜こうとする――その頭部が、新たな触手に貫かれた。止まった獲物をよってたかって食い散らかす獣のように、肉体は無作為に無造作に串刺しにされて四散する。両手足は引き裂かれ、臓物は飛び散り全身を執拗に破壊し尽された。

 残る頭部も後頭部から鼻先へと触手が飛び出し、脊髄を垂らしてぷらぷらと浮かぶだけ。


 そこまでされても命を失っていないのが魔法使いだ――それほどジョッキー・フリートの生命力は強固で、だからこそこの場にも現れたのだろう。

 自分ならきっとそんな状況も切り抜けられる、そう信じて。


 でも、それは甘い認識だ。

 生首だけになったジョッキーの頭部を目の前まで移動させ、クロードは顎に手を当てる。


 脳は半分以上破壊してしまった。半ば自動的に生を維持しているが思考能力は殆ど失われている。無様に大きく開かれた口も、血を吐くだけの役立たず。どのみち喉もないから喋ることはできないけれど。

 彼の目が僅かにこちらへ向いたのは、意識だったのか無意識だったのか。


「じゃあね」


 別れの辞を一つ。その頭を、左手で消し飛ばした。ただ単に魔力を込めた衝撃波が、ジョッキーの頭部を粉微塵に吹き飛ばして消滅させる。


 魔法使いの反応は完全に潰えた。あれほど強力だった大地の魔法使いは、今度こそ肉体を消滅させる。

 人という種は呆気ない。魔物であればこの状態から再生する個体などそこまで珍しくもないというのに。しかしよく耐え、生き延びた。

 クロードはどこか一抹の寂しさを胸に残して、踵を返す。


「僕はしばらく断層へと引き篭るよ。後は時間が全てを解決し、世界は勝手に変革を始めるのだから」


 彼は横たわる魔物の頭部を鷲掴みにすると、共に空間へ溶けていく。彼が消えると、それまで暴れていた触手は魔術による制御を失って空気中に分解されていった。彼の周りに展開されていた術式もまた、魔力の残滓となって紐が解けるように緩やかに消えていく。


 しん、と静まり返った樹海。崩壊に見舞われた木々がそこにはあるばかりで。

 後には、何も残ることはなかった。


 ()も。

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