体と心が呟き続ける言葉をごまかすかのように
「日直だからって先生いろいろ頼みすぎなんだよぉ」
卒業式当日…本当なら早く帰らなくてはいけないはずなのに日直の仕事により帰れずにいた。
いや、日直の仕事というよりこれは完全に瀬戸先生の押し付けだ…うん、絶対そうだ。
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〈約10分ほど前…〉
「「さようなら!」」
よっし、日誌は書いたし帰って何しようかな…。
喜奈は卒業式の花道だけは参加するって言ってたし、バイトはないけど犬飼さんのサンドウィッチ食べに…
「あ、薄雪!」
瀬戸先生のこの声の高さ…なんか嫌な予感が…。
「はい。」
「っフ、なんだ?なんか不機嫌そうだな。薄雪、これ職員室にもっていくの手伝ってくれ!」
「え…いや、帰らないと時間が…」
「任せたぞ、日直さん!俺も早く卒業式の方に参加しないといけなくてな…。済まんが頼む!」
うぅ、なんか断りずらい…。んも、せっかく早く帰れると思ったのにー!
「わかりました、その代わり帰ってない事他の先生に怒られそうになったらすぐ瀬戸先生の名前出しますからね!」
「んなっ…そりゃそうか、分かった。んじゃよろしく!」
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んで、大量のノートをわざわざ階段上って職員室まで持って行ったかと思うと今度は、このプリントを教室までって…これエレベーターの使用許可出してくれなかったら無断で帰ってたわ…エレベーター使わせてほしいって冗談でも言ってみるもんだな…。
てゆか、そこまでしてそんな早く卒業式に参加しなくたって大丈夫しょ…3年生のクラス担当でもないんだから。もしかして瀬戸先生もダブルキングのファンなのかな…あ、だから早く卒業式に参加したいみたいな…あり得る。確か瀬戸先生は3年の数学も教えてたし…。
でもまだ学校にいるこの状況になぜか安心感のような胸の落ち着きを感じている。
体が、心が
”まだ帰りたくない…”
そう呟いているようにも感じた。
ま、どうせ今日は帰っても何もやることなかったし誰もいないならむしろばれることはないはず。
体と心が呟き続ける言葉をごまかすかのように、私は無意識に誰もいないはずの教室で
「購買やってたかな…。」
そう口にしていた。




