そんな私たちの友情は薄っぺらいもんじゃないっツーノ!
「草華の過去のことは覚えてるよ、ちゃんと。」
そう喜奈が話してからどのくらいたっただろう。3、4分だろうか。沈黙が怖い。心臓がうるさい。
でももう、暗いトンネルの中で立ち止まり続けるのはやめたんだ。
だから…変わるためならこれでいい。喜奈に嫌われたってかまわない。最後にしっかり伝えることが出来た。そう思っていれば…そうやって思考を変えていれば…。
どうしよう沈黙が続いて変にいろんなことを考えてしまう。
「有難う。」
有難う…。そう喜奈の口から聞こえた。こんなこと言って感謝されるって…。いやまさかね…。
ありえない、私の願望だ、幻聴だ。
「ッフフ、幻聴じゃないよ!」
「え!?私そんなこと言って…。」
「もう顔に書いてあるんだってば!ッフフ、めっちゃわかりやすく!…って何かごめん…なんて言えばいいか分かんなくてとにかくパッと思ったことを言っちゃった。」
そう言いながら喜奈は、いつもみたいに顔をクシャッとした笑顔を見せてくれていた。
日向ぼっこをしているようなそんな温かい気持ちになった。日差しがくらやみから
「最初友達じゃないとか言われて、えー!?嘘でしょー!?とか思ったし、何か嫌なことしちゃったかなとか思ったけど。段々草華の話聞いてて、何だそんなことかって。あ、でも草華にとってはそんなことじゃないよね…んーとなんて言えばいいんだぁ?ま、とりあえずはっきり言えるというか、言いたいこととしたら草華の昔な人と私を一緒にするなーってことかな、ニシシッ!」
…そっか、そうだ。喜奈はこうやっていつでも私目線で考えてくれる…そんな優しい人だ。ちゃんと話を聞いてくれて、私の話を理解してくれて、そして心を温かくしてくれる人だった。
「だから草華、有難う!ちゃんと思いを伝えてくれて!ん、てゆかこんな感じの前にもあったような…。んま、いっか。とりあえず我慢せずにちゃんと伝えてくれたのが嬉しかったから、有難う!みたいな…?」
「何で最後疑問形なの、ッフフ!」
「お、やっと草華が笑った〜。ずっと話す時本当怖いくらい暗かったからどうしようかと思ったよぉ。」
「ごめんね、何か傷つけてるし最低なことを言ってるから…その…喜奈にどんな顔をすればいいのかと…。」
「いや、かたすぎ!もぉ〜!私がそんなんで友達やめる!とかいうと思う?!そんな私たちの友情は薄っぺらいもんじゃないっツーノ!」
ッフフ、確かにそうだ。
私は、喜奈の何を見ていて今まで本音を言うことに心配していたんだろう。こんな素敵な友達、友情が壊れること自体が難しいじゃないか。
そして、そんな友達がくれたチャンスなんだ…だから…
「私ね、決めた。発表祭、クラス代表として立候補することにする。何か変われる気が…いや必ず何か変われると思うから。」
「うん!応援してる。これからもずーっと!草華の友達として!後友情なんて簡単に壊さないんだから、これからもその覚悟をしといてね!」
「ッフフ、わかった。本当に…有難う。」




