…ごめん。いったん整理させて。
喜奈の反応を怖くて見ることができない。どんな顔をしてるんだろう…。
と、とにかく話を進めなくちゃ。
「文化祭の時に、中学で起きた事話したの覚えてる?私はあの時から、友達というものが分からなくなった。私のせいでまた傷つけて壊れるくらいなら作らない方がいいんじゃないかって思うようになった。それなら一人でいいって。私ね、言えてなかったんだけど中2の冬あたりから中3の前期まで学校いけてなかったんだ。今考えると自分で壊しといて、不登校になるとか笑っちゃうよね。でもその時は本当に苦しかったのを覚えてる。今まで見たことのなかった友達の私を嫌う目。真面目というイメージだけでなぜか期待を裏切られたかのように言われた時には結構こたえたなぁ…ハハハ。いつも一緒にいるそういう時間ってさ意外と関係ないんだなとか思った。壊れる時は一瞬なんだって、そう思った。」
喜奈は今、どう思っているのだろうか。めちゃめちゃ暗くならないように冗談を交えながら話そうとしているけど…喜奈は一言目に発した言葉からずっと、少しクッシャっとした喜奈のスカートを見ている。そりゃそうだよね。流石にインパクトある言葉すぎたと自分でも思う。でも、隠すことはもうしないと決めたんだ。
「おまけにお母さんときたらこの出来事を機に声優になる事を諦めさせようと必死なの、フフッ。今はそう思わないけど当時は本当にお母さんが嫌だった。でもなんでだろう。声優になる夢だけは諦めたくても諦めきれなかったんだよね…。親が厳しいっていう環境の中で、唯一私の人生を豊かにしてくれたのがアニメだったから…かな。ほら、私の家テレビ観るなら勉強しろ!っていう感じじゃん?とにかく声優諦める手段は私にはなかった。何なら、不登校になって何か月かたって今後について考えたの、声優の道を完全に閉ざされないようにしなきゃって。だから部屋で高校受験に向けた勉強とか、お母さんにばれないように自分ができる範囲内で声優に向けての勉強とかをした。私を知らない人が集まる学校に行きたくて…この学校を選んだ。最初はまたあの頃みたいなことをしないように慎重にイメージに合った自分を演じてた。でも喜奈に出会って、喜奈の言葉にたくさん救われて…私は…私は変わることが出来た。だから今、すごく、ものすごく喜奈に感謝してるんだ。」
全て言い切った。
話長かったよな…。うまく伝わっただろうか。やはり台本を作ってからいうべきだっただろうか。
沢山の不安の糸が私に絡まりついてくる。
「…ごめん。いったん整理させて。」
そう…だよね。無理もない。流石に多くのことを長々と話過ぎた。やっぱり台本作るべきだった。
喜奈はどう思っただろう…。
私は不安などを誤魔化そうと頑張って作った笑顔で
「うん、大丈夫。急にごめんね!」
…そう返事することしか…出来なかった。




