素直に喜んで、幸せと嬉しさに浸る時間も大切だよ。
ついに、きた。お昼休み。
「んじゃ、行ってくる!」
「うん!行ってらっしゃーい!」
うぅ、この喜奈の何かを訴える輝いた目。言われなくても分かる。立花先輩とのことだ。
とりあえず朝はいい感じに誤魔化せたはず…だよね。
立花先輩。別に嫌いでもないけど、好…き?いやいやそれはないな。果たして恋へと発展するかは正直自分でも分からない。
まぁ一緒にいると何か落ち着くし、相談とかすると頑張ろうって気持ちにはなるけど。これは喜奈の時だってなる。まぁ考えても分かんないものは分からない!
とにかく報告!報…
「草華!どうした?」
「フワァっ!」
【ドッドッドッド…】
びっくりした、もうクラスについてたのか。
うわぁ、お化け屋敷に入った並に心拍数やばい。
心臓が飛び出そうになるってこのことか…。
「ップ、流石に驚きすぎ(笑)ドアの方で何も言わずに立ってるからびっくりしたわ(笑)何かあった?」
「あ、いや、えっと…」
やばい、さっきの驚きで決めてたセリフ忘れた…。
「あ、その…今お時間いいですか?」
「お、おう…改まってどうした(笑)な、何で照れてんだよ…(ボソッ)あ、歩きながら話すか!」
「は、はい。」
何か言うってなったらちょっと緊張するな…。でもはやく言わなきゃ。
「あ、あの!私。お母さんと話して、それで…声優…いいよって。応援するって言ってもらえました!」
「…ま…まじか。え、まじで!?よかったぁ。やったな、草華!こっから本格的に動けるな!」
「はい!とりあえず今はバイトしながらお金貯めつつって感じで。大学はちゃんと行く約束で許してもらえました。」
「確かに、俺もそれは言われたわ。勉強は最低限しとけって。学べる時に学んどけってね(笑)え、てか待って草華バイトしてんの!?」
「はい、部活とかもあるので土日だけですけど、やってます。」
「え?それはやく言ってよ!どこ?」
「え、いや聞かれてなかったし別に自分から言うのもなって…。カフェです。チェーン店とかじゃなく、個人営業してる小さなレトロっぽいとこで。」
「うわ、まじか。知ってるかも。俺そこ帰り道んとこかも。今度行くわ(笑)いつ入ってる?」
「言いません。何か来たら色々大変そうなんで…(苦笑)」
静かで落ち着いてるお店だったからバイトしてるのに、立花先輩が行ってるなんて知られたらもう静かな場所じゃなくなりそう…(苦笑)リアルに想像できちゃうし。
「えー!即答で断るじゃん!だったらゲリラで行くわ!」
「え、それも逆に困ります。」
「何でだよ!じゃー、教えてよ!(笑)」
「にしても本当、よかったな!草華今、まじでにこにこしてる(笑)なんつーか、前より明るくなった感じ?まぁ、そりゃそうだよな。ずっと不安で重かったものがやっと軽くなったんだもんな。」
明るく…なった?でも確かに気持ちは今どこか楽かもしれない。でもその気持ちが声優への道を閉ざさないように気を引き締めなきゃ。
「まぁでも、変に気を引き締めなくてもいいんじゃない?」
「え…今私口にして。」
「だから分かるって(笑)草華のことだから、この気の緩みはダメだ!みたいなこと思ってるんでしょ!(笑)素直に喜んで、幸せと嬉しさに浸る時間も大切だよ。今はその時だと俺は思う!嬉しかったんでしょ?言ってよかったって思えたんでしょ?だから俺にも報告しにきてくれたわけじゃん!普段の草華なら次会う時でいっかなーとか思って俺のクラスに絶対来なかったと思う(笑)まぁ俺が気になってその前に教室行ってたと思うけど(笑)」
素直に…喜ぶ。確かに嬉しかった。体の中心がぐわ〜って熱くなるような感覚。ろうそくに火をつけて一瞬でろうが溶けてしまうようなそんな熱い感覚。今まで感じたことのない熱さを今も覚えている。でもこれで気を緩めたら?声優という細く長い道を歩いている今。気を緩めてしまったらどうなるのだろう。そんなの一瞬で踏み外してしまうに違いない。そんなの嫌だ。やっと辿り着き歩くのを許されたこの道。この道が無くなったらどうなってしまうのだろう…。
「草華は、自分に厳しくしすぎ。まぁ頑張ろうとか頑張らなくちゃいけないって気持ちは俺もサッカーやってるし分かるけど…。俺はまだ頑張れきれてないとかね。でもたまには自分を認めることも大事だぞ?厳しくしすぎたら逆に良くないことだって起こる。んー何つったらいいか分かんないけど…自分をコントロールするみたいな?とにかく客観的にみて今の自分に足りないものを探してそれを補わなきゃ!草華の場合自分を褒めることだな(笑)まぁ俺的に思ったことだけど。とにかく客観的にみつつ、自分をコントロールする!はい、ここテスト出るぞぉ〜!」
「ッフ、何ですか最後の(笑)めっちゃ心に響いてたのに、最後ので一気に響かなくなりました(笑)」
客観視すること。難しいけど大事なことかもしれない。
立花先輩といると大事なことに気づかされ、学ぶことが多い。沢山勇気ももらってるし。これからも沢山話したいと思ってしまうのはこれが理由なのだろうか。
にしても先輩ってあの人みたいだな…。




