特別話 欲張りな私
【キーンコーンカーンコーン】
もっと話したかったけど、最後の授業は自習じゃなかった。最後は数学の授業。普段は始まった瞬間寝るけど、今日はこの後蒼乃先輩にどうやって伝えるか考えるのに忙しかったから寝る時間なんてなかった。
ずっと考えてたからか、一瞬で授業は終わった。
「珍しい(笑)喜奈が数学の時間ずっと起きてた。」
「今日は考えるのに忙しかったからね(笑)寝る時間が勿体無い!(笑)」
「じゃあいつも考え事しててほしいなー、早乙女。」
「ゲッ、瀬戸ティー。」
帰りのホームルームでは、重要なお知らせみたいなのがなく、一瞬で終わった。もうすぐで行く時間だ…。
【ドキドキ…ドキドキ…】
「じゃあ行ってくる!」
「頑張って、喜奈。私も…頑張る!」
「お互い素直な気持ちを忘れずに、だね!」
まだ蒼乃先輩帰っていませんように…。
着いた!あ、しかも丁度ホームルーム終わった。
蒼乃先輩いるかな…蒼乃…
「あ、お昼の子じゃん!湊っち?呼ぶ?」
「あ、こんにちは!はい、すみません。お願いします!」
「おーけー。」
やばい、緊張する。大丈夫、考えた通り言葉伝えるだけ…。あぁ、あの時と同じ。心臓の音がオーケストラ状態だ。
「どうした、喜奈。あ、お昼休みの件ごめんね。」
「いや全然大丈夫です!むしろ私こそ、ごめんなさい。あの…今お時間って…」
「大丈夫だよ。」
「有難うございます。ごめんなさい、放課後は忙しいって言ってたのに…。」
「大丈夫(笑)それでどうしたの?」
「歩きながらお話ししてもいい…ですか?」
「分かった。」
緊張しすぎて胸が痛くなってきた…。頑張れ、私。気持ちを…気持ちを伝えるだけ。と、とにかく人が少ないところ目指さなくちゃ!
「いやまさか、今日委員会入ると思わなかった。結局、お昼休み終了ギリギリまでやってた(笑)」
「そ、そんなギリギリまで!?お疲れ様です(苦笑)」
やばい、気を遣わせちゃってる…。
「お昼ご飯とか今日食べれたんですか?」
「最初に急いで食べた。食べれなかった分は菖が食べたいって言って食べちゃったけど(笑)」
「ほ、本当仲よすぎですよね…。」
あぁ、もう苦しい。無理だ!も、もう人…よし、いない!
「あ、あの!蒼乃先輩!私どうしても伝えたいことあって来ました。」
「お、う、うん。急にびっくりした。」
「あ、あの…私。わ、私早乙女喜奈は、蒼乃先輩が好きです!」
「…そ、そっか。そうやって素直に気持ちを伝えてくれるところいつもすごいと思う。それに嬉しい。でも…」
「い、いいんです!分かってます。蒼乃先輩には好きな方がいて、私とは付き合えないんだって、分かってます。返事が欲しいとかそういうのではなくて…ただどうしても気持ちを伝えたかったんです。個人的な理由で蒼乃先輩のお時間をいただいてることが…えっと…何というか…申し訳ないなって思って…。」
やばい、緊張でセリフ飛んだ!どうしよう、どうしよう!
「ッフ、ごめん、笑う時じゃないのは分かってるんだけど(笑)喜奈があまりにもかしこまりすぎてて。」
「も〜、私にとって緊張する大事な話をしてるんですよー?でも、蒼乃先輩が笑ってくれたおかげでちょっと緊張ほぐれました!」
「喜奈はいつも前向きだね。」
「はい!前向き、ポジティブ大事です!(笑)あ、えっとそれで…あ、あのお友達として蒼乃先輩と接してもいいですか!えっとお友達として仲良くなってまずは私のことを知っていただこうかな…と。」
「お、お友達…。」
「あ、本当無理矢理とかじゃなくて!あのもしよかったらって思って…。」
「えっと…俺たちもう友達じゃない?」
「あ!え!そうなんですか!?私的に仲良くなりたくて、無理に蒼乃先輩を振り回してる感をずっと抱いていたのですが…。」
「ッフ、そんなことないよ。俺も喜奈と話したくて話してる。今こういう事言っていいか分からないけど、恋バナとか喜奈とはしやすいしね。」
「うぅ…針が刺さったような…(笑)でも嬉しいです!お友達として接していただいてたなんて!立花先輩とは恋バナしないんですか?」
「んーまぁ、ちょっとね(苦笑)色々あるからさ。」
「な、なるほど…。」
これはあまり踏み込んじゃダメそうだな(苦笑)気になるけど…ダメダメ!
「さっきは変な返事になったけど…。改めて気持ち伝えてくれて有難う。その気持ち嬉しかった。さっきも言ったけど前向きに素直に自分の気持ちを伝えられるのって本当にすごいと思う。簡単なことじゃないと思うし。この言い方であってるかは分からないけど、これからも友達としてになってしまうけどよろしくね。」
え、あ、えー!?あ、蒼乃先輩丁寧すぎる。言葉で伝えたからか、よりビジュもこの音が残る感じの低い声といい…好きすぎて…しんどい。
「こ、これがモテる、かっこいい理由の1つか…。」(ボソッ)
「あ、あの…喜奈さん、聞こえてます(照)でも本当何でそんなに気持ちを素直に伝えられるか知りたい。俺も見習わなくちゃね。」
「素直になってそれを伝えるのって結構怖いなって思うんです。でもん〜何でだろう。私は素直に伝えられず、自分で足を踏み入れることすらできず、何かを失う方が後悔する方が素直に伝えること以上に嫌だし、怖いなって思っててそういう思いがあってこうやって伝えられてるんだと思います。」
「失う、後悔することの方が怖い…か。」
「はい!あ、だからもう友達だしずっと思ってた気持ち伝えます!えっと、蒼乃先輩も素直になっていいと思います。俺とか僕とか気になって…多分自分を俺って呼ぶことを頑張ってるのかなって思っちゃって。みんなにが難しいなら私にだけでもいいので!もっと素直になって下さい!それが勇気のいることだとは思うんですけど…でも友達の前なら素直な自分でいてもいいんじゃないかなって、じゃないと疲れちゃうんじゃないかなって…。ってすみません、急にこんな。しかも文ちゃんとまとまってないし(苦笑)あ、えっと…そ、それじゃあまた!あ、お昼休みまた遊びに行きます!今日は時間つくってくれて有難うございました!」
「あ、あ…うん。じゃ、じゃあね(苦笑)ま、まじか、一瞬僕気を…なるほど友達の前なら素直に…か(ボソッ)」
やばい、なんか最後変な感じで終わっちゃって、めっちゃ逃げるような感じになっちゃった(照)
でもそれ以上にやばい、これからも一緒にいれる日が続く嬉しさが込み上げてきてる!蒼乃先輩には返事はいらないって言ったけど…スタートはここから!こっから頑張るぞ!
欲張りな私なんて嫌だと思ってた。めんどくさいし、なんか最悪さを感じる。でもそれが素直な自分なら、悪い欲張りさではなく、自分にとって後悔しない生き方ができる欲張りさならいいのかもしれない…。
ここから…ここから私の恋が動き出すんだ。
よし、頑張ろう!




