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…鮮やかな色が生まれていった。


((何か言われるのが嫌なら、先に何も言わないで話聞いてって言ってみるのもありかも。))


さっき自習の時に喜奈が考えてくれたアドバイスをいれよう。

あとは…あぁ家族なのに自分の気持ちを伝えるだけでこんなにも緊張するとは…。はぁ、台本が欲しい。



結局、今だ今だと思いながら、勇気が出ずお風呂も夕飯も終わってしまった。やばい…、これじゃあ背中を押してくれた2人に申し訳ない。今しかない…!


「お、お母さん。私お母さんに話したいことある。」

「ん?」

「あ、あのさ座って話し…たい。」


「あ、あのね。私の話し何も言わずとりあえず話を聞いて欲しい。」

「急に何よ、まぁ分かったわ。」


よかった、とりあえず喜奈の作戦成功。


「えっとまず、私ちゃんと助けてくれる友達も先輩もいるんだ。急に何って思うかもしれない。だ、だけど…その人達のおかげで今の学校を楽しめてて、私を変えるきっかけをつくってくれた人達だからまず始めにお母さんには知って欲しかった。」


声が震える。


「それで今日ちゃんと伝えたかったのは、私の将来の話。私本当にちゃんと将来について考えてる。私…」


ここまできた。もう逃げれない、いや逃げない!


「声優になりたいの!中学の時と同じ、声優に!」

「あなた何言ってるか…」

「分かってる!分かって、理解して、考えて出した答え。お母さんが私を心配して安定な職に就いて欲しいって言ってるのも、声優が狭き門でもちろん安定しない職だってことも分かってる!だけどなりたいの。」

「さっきから聞いてれば…」

「お願い!最後まで話聞いて、お願い…。」


怖い、でも伝えなきゃ。


「中学の時、あんな事があってから私、色んなことが怖くなった。好きなことがこんなにも否定されること。将来について考えなきゃいけないこと。家族を心配させること。そして…好きなことを好きと言えなくなったこと…。それからはお母さんのいう安定を求めて、失敗しないようにそれを中心に友達付き合いも、勉強も考えてきた。段々そんな自分を作った何の色もない日々がつまらなくなっていった。

でもね、高校で2人に出会って今まで色がなかった日々に鮮やかな色が生まれていった。それだけじゃない感謝してもしきれないものを沢山もらった。今日こうやってちゃんと話そうって思ったのも2人のおかげ。こうやってちゃんと話そうって今までの私なら、誰も信じてくれないしって言わなかったと思う。やっぱり改めて考えると2人ともすごいよね(笑)」

「…」


「先輩も友達も色んな面で自分のために勇気を出して挑戦してて、最初は何でそんなに頑張るんだろって思ってた。でも段々その姿にかっこよさを感じてきて、挑戦することも失敗することも、悪いこと恐れることじゃないって思っていった。自分に素直じゃないすぐに諦める今の自分のがかっこ悪いんだって思った。私ね、いい声だねって先輩に褒められたの。そんなことでって思うかもしれないけど、すごく嬉しかった。やっぱり声優を目指したいって思った。大学もちゃんと通う。バイトのシフト増やして、自分で養成所とかの費用出すから…だから…お願いします…声優を目指すことを…許して下さい。これで伝えたかったことは終わり…です。さ、最後までちゃんと聞いてくれて有難う。」


言った。全て言ったんだ。

思ったことをそのまま言ったから、ちゃんとした文章になってないかもしれない。でも…それでも!気持ちをやっと伝えられたんだ…。


視界がぼやけ目の前にいるお母さんが見えていないことに気づいたのは、伝え終わり、我に返った後のことだった。


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