草華は俺の友達。
学園祭当日。
午後から仕事があるため午前中に喜奈と満喫する予定だったのに…。
【ドンッ】
「ねぇ、結局薄雪さんは菖の何なの。」
はぁ、またか…。この前もクラスにまで来た先輩。
正直こういうのって漫画とかの世界だけだと思ってたけど実際にあるしまさか自分が体験するとは思わなかった。
「本当に何もないです。」
「何もなくて一緒に帰れるわけないじゃん。」
いや、確かに。でも話し相手とか下手なことを言って自分の命がなくなるよりかはこういう言い方をして呆れられた方がマシだ。
でも喜奈もお手洗いからそろそろ戻ってくるだろうし、どうしよう…。
「私先輩だから教えてあげる。あんたみたいな真面目ちゃん、菖のタイプじゃないから。仲良いとしても遊びで付き合ってるだけ。後輩のくせに調子に乗らないでくれる?」
「へぇ、上下関係をそういうのに利用するんだ。
んで、何してんの?」
あれ…この声もしかして…。
でもいつもより声が低いような…。
「あ、菖!ち、違うの。ただあの時の写真の真相を知ろうとして…。」
「写真?あぁ、あれね。草華は俺の友達。友達と一緒に帰るとか普通じゃん。これで終わりでい?」
「と、友達?で、でも菖。私とは帰ってくれないじゃん!」
「だって俺はあなたが同じクラスの人だってことしか知らない。俺はそういう関係を友達とは言わないと思ってる。とにかく俺の友達に手を出さないでくれる?」
助けに…来てくれた?
それにしても普段笑ってふざけてる先輩とは別人みたいだ。け、結構ズバッと言うな…。
てゆうか、あれ…今私のこと友達って…。
ただの先輩と後輩だと思ってたけど…友達って呼んでいいんだ…。
「また手出ししようとするなら俺が許さないから。それじゃ、草華に用事あるから連れて行くね。行こ、草華。」
「…か、草華って(ボソッ)。何なのよ!!」
「だから…何?」(ギロッ)
「う…」(ビクッ)
「行こう。」
「あ、はい…。」
助けてもらったし、お礼言わなきゃいけないのに…上手く言葉が出てこない。
他人に放った目とはいえ流石に怖かった。
「あ、あのっ…」
「大丈夫?巻き込んじゃってごめんな。」
あれ…いつもの優しい声に戻った。
「い、いえ。こちらこそ助けていただき有難うございます。」
「いや丁度草華のクラス行こうと思ったら、草華のクラスの友達から助けてほしいって言われたんだよ。
あ、来た来た。」
「?」
【ダダダダッ】
「草華ー!ハァハァ。だ、大丈夫だった?ごめん、助けに行けなくて…。先生呼ぼうとしたんだけど近くにいなくて…ハァハァ…それで…。」
「ううん、立花先輩呼んでくれて有難う。喜奈は巻き込まれたりとかしてない?」
「してない!草華は?大丈夫?怪我、怪我してない?うぅ…助けに行きたかったのに…怖くて…うぅ」
「私も平気だから!大丈夫だから!有難う。だからお願い、泣かないで。」
「まぁ何もされてないなら良かったけど次何かされたらまた俺呼べよ?草華思ってること顔には出すのに言わないから…俺が代弁したぞ。」
「あ、やっぱり。(ボソッ)最初の上下関係…先輩がそこ指摘するの珍しいと思いました。有難うございます。すみません。私が何か変なこと言えば大変なことになるかなって思って…。」
「草華は後先考えすぎ!もっと自分の気持ち言えばいいのに。てか、おい!やっぱりって何だよ〜(笑)」
「だって先輩、結構決めつけて物事とか話すこと多いので…。」
「う、確かに認めたくはないけど…。」
「あ、あの…。」
「あ、ごめん!喜奈。そ、そういば先輩私のクラスに用があったんですか?」
「あ、そうだ!クラスじゃなくて草華に用がある!
午前中休みなんだろ?俺のクラスに遊びに来いよ?この前言った時来なさそうな反応してたから。あ、そうだ!よかったら喜奈ちゃ…さんも来てね〜。」
「え、いいんですか!?ぜひぜひ!むしろ嬉しいです!草華と一緒に遊びに行かせてもらいます!」
「ちょっ…喜奈…。」
「んじゃ俺もシフトの時間になるから戻るわ。絶対来てよ〜!」




