第84話 新装備 - 大金で最強装備揃えてみた② -
季節は『夏』だった。
今、この冬のような凍えるような寒さと雪は、異常気象だからだとか。
「四季があるのは知っていたが、夏だったのか……」
「そうよ。この異常気象は、不吉な事が起こる前触れとも言われているわね」
醤油煎餅をボリボリ頬張りながら説明する女神。
スカートの中から煎餅袋を取り出していた。
……そういえば、そんな謎スカートだったよな。ソレ。
結局、アレが何なのか分からないままだったが。
そんなことより、リースとベルの装備だ。ちゃんと揃えたか確認しておかないと、旅立てないのだ。
「お~い、リース。鼻歌交じりに上機嫌なところすまないけど、誂えた装備の詳細を教えて欲しい」
「あ~、サトルさん。いいですよ~。あたしのはこんな感じです♪」
【頭上段】太陽の麦ら帽子
効果:LUK+5。
スキルの再使用時間を無視する。
【頭中段】月のヘアピン
効果:LUK+5。
全てのスキルは[無詠唱]になる。
【頭下段】スターゲイザーチョーカー
効果:INT+15。
光と闇属性ダメージを半減させる。
[ジュピター]とセット装備した場合、
[グロリアスブレッシングLv.10]使用可能。
【服】+20エルフの服
効果:HP+100。
魔法防御力+30%。
遠距離物理攻撃で受けるダメージ-35%。
【武器】+40月と太陽の魔導書
効果:MSP+1000。
魔法スキルのダメージ+20%。
敵が高DEFであるほどダメージが激しく倍増する。
【盾】なし
【靴】+70アルキメデス
効果:DEF+100。
精錬値1毎にINT+10。
魔法スキルのダメージ+50%。
【アクセサリー①】サモスの賢人ブレスレット
効果:DEF-100、LUK-50。
モンスターのターゲットにされにくい状態になる。
(レイドを含むボスモンスターにも有効)
一定確率で[レインボウポーション]をドロップする。
寝相の悪さが100%解消される。
装備解除時、HP-15000、SP-1500。
【アクセサリー②】+35ジュピター
効果:DEF+500。
全てのステータス3倍。LUK&Cri + 15
[グロリアスブレッシング Lv.5]使用可能。
移動速度増加。
このアイテムは絶対に壊れない。
あらゆる対象に『獄爆睡』を超広範囲に散布。
この効果はINTの影響を受ける。
精錬値が30以上の時、DEF+5000。
装備者が[エルフ]の種族である場合、
スキル[アルマゲドン]を使用できる。
発動時、10秒間[完全無敵]状態になる。
装備者が[聖職者]の場合、
スキル[ドゥーム]を使用できる。
発動時、10秒間[完全無敵]状態になる。
装備者が【Lv.9999】の場合、
【ユピテル覚醒】解放。
な~るほどね。
これはまた、えらく強くなったものだ。
この装備ならどんな敵に襲われても平気だろう。
しかし、気になるのが『サモスの賢人ブレスレット』。
寝相が解消されるのは……うん、あえてそれを選ぶってことは、気にしていたんだなぁ……(遠い目)
「よし、リースはオッケーっと……」
最後に、ベルだ。
ビキニアーマーだが、聖戦士。
ビキニアーマーだが、最強の防御力を誇る。
あんな防御力なさそうなビキニアーマーだけど、盾が圧倒的なんだな。
「おーい、ベル。髪の手入れ中に悪いが……最後に、お前の装備を確認させてくれ」
「――ん? うん。好きなだけじっくり丁寧に見るといいよ。なんだったら、触ってみてもいいよ」
「さわっ……!? 触るか! 見るだけでいい」
「遠慮しなくていいんだよ。ほら」
ぐいっと体を寄せてくるベル。
うおっ、近ッ……! つか、柔らかそうな谷間!
いかん、理性がやられる前に、ベルの装備を――と。
【頭上段】かわいい猫耳
効果:LUK+20。
絶対にノックバックしない。
絶対に壊れない。
【頭中段】ミレニアムイヤリング
効果:5秒毎にHP-1000を消費。
[盾]の物理攻撃ダメージ+1200%。
[盾]の魔法攻撃ダメージ+1800%。
【頭下段】ブラックバンデージ
効果:HP回復速度+50%。
高確率でオートスキル[ウルティマリペア]発動。
【服】+100セイントビキニーアーマー
効果:MHP+100000。
服が[霊体]の特殊属性になる。
全種族から受けるダメージ-30%。
全ボスモンスターから受けるダメージ-35%。
【盾①】+100エターナルシールド[Transcendence]
効果:DEF+3000。
全物理攻撃の受けるダメージ-85%減少。
全魔法攻撃の受けるダメージ-85%減少。
全ボスモンスターから受けるダメージ-35%。
【盾②】+100インフィニティシールド[Transcendence]
効果:DEF+3000。
あらゆる[シールドスキル]を反映できる。
精錬値1毎にMHP+1000。
精錬値が100の時、MHP+1000000。
【靴】+90ブロセリアンド
効果:純粋なDEFが10倍になる。
精錬値1毎にDEF+100。
[盾]スキルのダメージ+1000%。
【アクセサリー①】Vニウム
効果:DEF+3000。
無属性攻撃の耐性30%
物理被ダメージを固定で-3000減らす。
【アクセサリー②】テンペスト
効果:MHP+10%。
遠距離物理攻撃の耐性80%。
跳躍力+30%、バックステップ+30%。
――こりゃ、圧巻。
やっぱり、というか何というか……防御型に特化している。
強すぎて頼り甲斐があるな。
「うし、みんなの装備は確認できた。あとはレベルだが……まあ、みんな『5000』は超えたし、ベルに至ってはもうすぐカンストだからな」
「だねー。今、『9998』だからぼちぼちだね。『9999』になったらお祝いしてよ~」
「もちろんだ。その時は盛大に祝おう」
そんなこんなで、装備の確認は完了した!
◆
装備を整えた俺たちは、花の都を旅立ち――。
【 聖地・パーシヴァル 】
――の、ちょっと前に到着した。
一応、到着である。
が、その前に……!
少しだけおさらいすると【聖地・パーシヴァル】では謎の疫病が流行っているんだとか。つまり、このまま突き進めば、ソレに感染するリスクもある。
さて、どうしたものか……と考えていると。
「これ」と、ベルが謎のポーションを出してくれた。
「これぇ?」
……なんだろう、この虹色のポーション。
なかなかに毒々しいんだが。
「これを飲むと一時間だけ[病魔]に侵されなくなるよ」
「まじか! そんな便利なポーションがあったのかよ」
「うん。本来ならアルケミストが製造するものだけど、リースちゃんの装備の効果でドロップできるから、ペア狩りで協力して、ある程度は確保しておいた。これで【聖地・パーシヴァル】へは行けるよ」
「おお、ナイスだ! ベルとリース! ナデナデしてやる!」
――が、リースは外に出て無邪気にはしゃいでいた。
雪が珍しいんだなぁ。
そうなると、ベルしかいない。
「いいよ~」
「撫でて良いのか!? さっき手入れしてたんじゃ……」
「気にしなくていい」
とのことだったので……俺は、ベルの頭を撫でた。
おお……ふわふわ。
フォルに勝るとも劣らない綺麗な銀髪である。
「昔はよくこうしてくれてたよね」
「……そ、そうだっけ。覚えて――」
「ああー!! 兄様、わたくしを差し置いて、ベルさんの頭をナデナデとは……どういう料簡ですかぁー!」
「あ、悪い。左手でよければしてやるぞ~」
「むむぅ……それならいいです!」
若干納得がいかないとつぶやきながらも、フォルは隣にやってきた。
で、俺はフォルの頭も左手で撫でた。
「…………」
なんだ、このダブル銀髪。
ま、いっか!
さあ……行こう。
【聖地・パーシヴァル】へ。
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