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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

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第77話 大勝利 - 巨万の富を得た俺たち -

 たった数時間で大富豪になってしまった俺たち。

 只今の所持金なんと……!



 【 所持金:3,000,000,000プル 】

 (※まだ受け取っていない)



 驚きの『30億プル』!!

 裏カジノのルーレット【スワンプ】を10回連続で勝利した結果がこれだ。すげぇぞ、裏カジノ……!



「理く~ん、現金だけど用意できたよ~」

「お、ベル。早いな。じゃ~さっそく【運搬スキル】で持っていくか――って!?」


 いよいよ大金と対面……と、思いきや!



「これのどこが現金なんだよ!!」



 そこに現れたのは、なんと……



 赤スーツの『マッチョなオッサン』だった。



「これは一体どういうことだ!?」



「おめでとうございます。

 私は、当店のオーナー『エグゾセ』と申すもの。

 さっそくですが……肝心の金ですが……今回は、まだその時間と場所のご指定まではしておりません。その事をどうか貴方がたも思い出して戴きたい。

 つまり……我々がその気になれば金の受け渡しは、1000年、2000年後ということも可能だろう……ということです……!」


「うるせぇ!! さっさと出すもん出しやがれ!」


「お客さん、ここは裏カジノ(・・・・)ですよ。そんな大金をそう易々と出すワケがないでしょう。それに、最後の10戦目の勝負。アレには不正があった――そうでしょう?」



 ギクリッ……!



 馬鹿な……!

 スキルを使っていたとはいえ、バレていた……?

 どう言い訳をしたものかと、ポーカーフェイスを維持していると。



「不正はなかった。本当だよ、オーナー」



 ベルがフォローを入れてくれた。ないす!



「お前は、ヤツ等の相手をしていた新入り……。しかも、ヤツ等の仲間と聞いた。なるほど、お前が手引きをな……悪い子だ。

 ――よろしい、今回は不正を見逃しましょう。ただし、この新人のバニーガールは、ウチの裏カジノで一生働いて戴くことになります」


「いいわけあるか! ベルは俺の仲間だぞ!」


「不正があったのです。それを見過ごすワケには参りませんな。それに、こんな美しいバニーガール、そう簡単に手放してなるものか……! このバニーガールはもう私のモノ(・・・・)だ!」


「てめぇ……」



 どうする……。

 ここはオーナーぶん殴って、金を奪って、ベルも連れ出すか!?

 どうせ、ここは『裏カジノ』なんだ。それくらい……いや、裏の組織とかから狙われるようになるかもしれないな。まあ、俺の敵じゃないが。



 よし、やっちまうか……!



 思い立ったが吉日、善は急げ――さっそく実行に移そうと思ったのだが。



「どっびゃああぁぁぶるぶるべべろろろおろろおお~~~~~ん!?!?!?!?」



 オーナーがぶっ飛ばされるや、クルクル高速回転してスロットに激突。その衝撃で『スリーセブン(・・・・・・)』を叩き出し、ジャックポットを獲得していた。



「ごめんね~、理くん。先に手、出しちゃった」

「おま……ベル。俺が行動に移すと悟っていたのか」

「うん、まあね。てかさ、こんな空気の悪いところで一生働くワケないじゃん。だってもう30億手に入れたんだよ。働いたら負けでしょ」



 ごもっともな意見である。

 俺だって働きたくない。



「それにさ、わたしは誰のモノでもないよ。強いていえば……理くんのモノだし?」

「……え? なんだって!?」


 コインのジャラジャラ音が五月蠅(うるさ)くて何も聞こえない。



「……な、なんでもない。知らない」



 ぷいっとベルは何処かへ。

 ありゃ、なんか怒ってる?



 ◆



 店の奥から更に地下へ行くと、そこには大きな金庫が。


「おお、すげー。あの金庫でけえなオイ」


「あの先にお金が……」


 目がプルになっているぞ、メサイアよ。


 ……ふむ。

 まず、金庫の中を『千里眼』(クレアボイヤンス)で確認してみるか。


 あれ? 見れない(・・・・)


 メサイアによれば、金庫自体は普通、厳重な【不可侵領域】が設定されているから、中を見たり、テレポートなどで侵入したりすることは出来ないらしい。

 ただ、金庫には途方もない『耐久値』が存在するので、その耐久値を上回るダメージを与えられるのならば、物理的に壊したりは可能とのこと。なるほど! だったら壊せばいいんだが、そんな悠長にやっとる時間はない。急がないと、誰か来てしまう。


 だったら、一度、金庫そのもの(・・・・・・)を運んでしまえばいい。


「こんなのどうやって開けるんです? すっごく頑丈そうな扉ですけど」

「良い質問だ、リース。それはだな……」




『覇王爆砕拳――――――!!!!!!』




「そう、フォルの『覇王爆砕拳』で…………ってうおおおおい!! なに先走ってるんだ!!」



 ドガ~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン!!



 なんてね、轟音が響きましてね。


 メキメキ、パラパラがっこ~~~~~ん。



 金庫の扉がぶっ壊れた。



 まじ……?



 中には、大量の札束の山が――!!



「「「「「おおおおおおおおおおお~~~~!!!」」」」」



 俺含め、みんな現金に目を奪われていた。



 すげえ……なんて数だ。

 いったい、いくらあるんだ!?


 おまけに金や銀などの貴金属類、宝石類も大量。



「よし、これ全部――【運搬スキル】でミニサイズにして、運ぶ。いいな!?」



 本当は『金庫』丸ごと持っていこうと思っていたけどね。

 フォルの奥義のおかげで、その手間も省けた。



 俺は、全ての現金と貴金属類を【運搬スキル】でミニサイズにして、収納した。これでヨシ……っと。



「やった~~~! これで大金持ちよー!! サトル!」


 わ~っと、メサイアが抱き着いてくる。

 今日は普段とは違う良い匂いがする。


「ああ、家もパワーアップできるな! 次は『城』にしようぜ!」


「サトルさ~~ん!! 神器買ってください!!」

「これだけあれば余裕だろ! よし、ひとつ買ってやる!」

「わ~~~~い! 大好きです♡」


 リースもぎゅぅっと(かつ)てないほど、胸を押し当ててくる。……よしっ。



「ず、ずるーい! リースばかりずるいです。兄様、わたくしは兄様が欲しいですー!!」

「お前は、モノじゃないんかーい!!」



「理くん」

「ベル、お前も何か欲しいものがあるのか?」


「そうだなぁ……赤ちゃんかなぁ」

「ふんふん、赤ちゃんね。って……バ、バカ!! なに真面目な顔して言ってんだお前は!」


「わたしはいつだって真剣だけど」

「そ、そうか……」


 どう反応していいか困った。

 そんな最中、背後から複数の気配が――!



 ドタドタと慌ただしくやってくる黒服たち。

 それとオーナー。


「お……お前ら!! 私の金はどうしたァ!! ここにあった『100億プル』はどこへやったああああああああああああ!!!」



「ひゃ……『100億』だって!?」



 道理で、すごい数だと思ったよ!!




 よし、逃げよう。

いつも応援ありがとうございます。

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