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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

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第69話 光と闇の混沌 - 死の呪いの秘密 -

 魔界を通り抜けていくと、そこには都があった。


「かなり歩いてきたが、こんなところに都があるだなんて……!」


 かなり驚いた。

 道中はモンスターだらけの『魔界』だったというのに、安全な道を歩いて行けば、その先は都だったのだ。


「ここはまあ、【ダークアヴァロン】とでも言うべきか。ダークエルフしかおらん都なのだよ。『魔導具』の製造を生業(なりわい)としていてね、最近では『ファントム』なる()のレアアイテムの生成にも成功したのだが、モンスターに奪われてしまってね」



 と、クラウディオスは、何だか気になる情報を寄越した。


 はー…ん? 『ファントム』ね?



 えぇ!? ファントム!?



 それ、俺が持ってるヤツじゃん……しかも、()のアイテムなのかよ!?

 俺は……聞かなかった事にした。



「てか、そもそも、あんた何でダークエルフなんだよ。もともとは純粋なエルフじゃあなかったのかよ」

「それも込みで説明する。こちらへ」


 都の中で一番大きいお城があった。

 そこへ向かうらしい。


 ……にしても、本当にエルフしかいないな。

 リースの様に耳が尖ってるし、金髪やら中には黒髪もいるが……違いがサッパリ分からん。ただ、みんなどこか『闇』を抱えているようには見えた。それに、みんなクラウディオスに頭を垂れていた。



「こっちだ」



 城の中へ入る……かと思ったら、そこをスルーした。

 城じゃないのかよ。



「何をしている。城へは行かん。これから、お主らに見せるのは【死の呪い】の残滓(ざんし)。その片鱗よ」



 更に歩く。

 みんな黙々と歩き、そこを目指した。



 都の中央に近づくにつれ――

 闇が深くなってきた。


 ピリピリと感じる、嫌な気配。


 感じたことのある死の味。


 冷酷で残酷なまでの孤独。



「ここだ。この場所こそが――」



「……」



 その光景を見て、俺はただ…………



 こりゃ――【死の呪い】――っていうか。



「なんだ、あの金色の、円盤……?」



 広範囲にかけてドス黒いというのに、そのど真ん中だけは『金色の円盤』が神々しくも鎮座していた。なぜあんな所に。


「アレはなんだ?」



「アレは【根源】だよ」

「そして……【死の呪い】でもある」



 ベルとクラウディオスがそれぞれ発言した。



「まて、まってくれ……どっちなんだ?」


「理くん、キミとわたしはアレにいたんだ。けれど、読み出すには【特異点】(シングラリティ)という闇のスキルが必要だった。つまり――【死の呪い】。それを可能にしたのが、このダークエルフのクラウディオスだった」


「ハーデンベルギアの言う通りでね。余は、禁呪スキルを編み出し、あの金色の円盤――【アカシックレコード】に『シングラリティ』を与えた。だがそれは、やがて【死の呪い】となり、世界を混沌に陥れてしまった。なぜそうなったのか、そこまでは分からんが……余が思うに、サトルとハーデンベルギアの『死』が起因しているのではないかと推測する」


「俺と……ベルの!?」


 そんなアホな。

 俺とベルの『死』が世界に影響を与えているとでも?


「いやだがまてよ。確か、死の魔王・ゾルタクスゼイアンだって【死の呪い】を扱えたとか聞いたぞ。それはどう説明するんだ?」


「言ったであろう、悪用されたと。

 今ここにある【死の呪い】は残りカスにすぎん。魔王が一度は奪い、しかし、今は『冥界の死女神・アルラトゥ』の手中と噂に聞いた」



「なっ……アルラトゥが!?」



「そうさ。……まあ、何にせよ、余がキッカケを作ったのは確かだがな」

「どうしてそんな事を……」


「……余はただ知りたかったのだ。この世界の『理』(ことわり)というものを。その代償がこの闇落ち――『ダークエルフ』となってしまったがな」



 好奇心は猫を殺す。

 いや、これはシュレーディンガーの猫かもな。



 あー、クソ。

 俺とベルがあんな『円盤』にいたって?

 アホか。信じられるかってーの。


「サトル……あんた、あんな円盤から生まれてきたのね?」


 メサイアがやっと口を開く。


「いや、俺も何がなんだか分からん。メサイア、お前の方が詳しいんじゃねーの?」

「う~ん。それがね、契約の時のことは覚えてないし……」



 あー…そいや、コイツが契約したんじゃない。神王・アルクトゥルスの嫁で、見た目メサイアそのまんまの『ソフィア』が俺と契約したんだった。


 てことは、まてよ。


 ソフィアが俺を【虹の空中庭園(ビフロスト)】に呼んで、それから契約を? でも、どうやって呼んだんだ? 女神の力とでも言うのか。……まあそうなんだろうな。



 結局、ソフィアすらも【死の呪い】に掛かってしまっていたようだし。案外、俺のせいかもな。ああ……クソ。そうなると、今回の件は、あながち間違いではないのかもしれない。



「兄様、あの『円盤』の光って『アストラル』かもしれませんね」

「アストラル?」

「ええ、星の世界とかそんな意味がありますよ」


「フォルちゃん、あたしは『アーカーシャ』と聞いたことがあります。月と太陽によって齎される火、水、風、地の四元素。それは『色即是空(しきそくぜくう)』を意味しているみたいです」



 ふむぅ。

 どうやら、あの円盤はとんでもない代物らしい事は分かった。

 まさか、俺の出生の秘密があんなところにあったとはな。ゾッとした。


「とりあえず……なんだ。【死の呪い】を無効化とかできるのか? クラウディオスさん」



「その方法は、ただひとつ。

 【死の呪い】を持つ『冥界の死女神・アルラトゥ』を倒すこと」



「やっぱり……それしかないか」



 あのアルラトゥもまた、メサイアにそっくりというか分身らしい。とても、やり辛い相手だ……。



 もうだめだ。

 頭の処理が追い付かないし、一度、落ち着いていろいろ整理したい。



 そんな提案をしようとした時だった。



 ドン、ドンとふたつ(・・・)の気配が落下した。

 激しい衝撃が地面を(えぐ)り、そいつらは毅然(きぜん)とこちらを凝視してきた。



「なんだ……ヤツ等!?」



『私は、光の騎士『マナス』です。もう会うこともないでしょうが、あえて名乗ったのは冥土の土産ですよ。

 ああ~…それにしても、この場所はなんて豊潤(ほうじゅん)な闇で溢れているのだろうか。光である私がより美しく輝ける。素晴らしい晴れ舞台ですよ』


『吾輩は……闇の騎士『アロンダイト』である……。ぜひ、皆様には死んで戴きたいッ……!! ウヒャヒャヒャヒャ!! ヒャッハーーーーーーー!!!』



「こ、こいつら……騎士か!」



 しかも、殺意ありまくりの……!



「手始めに――星の王『クラウディオス・プトレマイオス』……あなたには死んで戴きます。いいですね。これは神王・アルクトゥルス様の天命して厳命です」



 ――と、光の騎士が冷血に。

 あんな優しい表情のクセして、なんて恐ろしい殺気だ。

 てか、神王の厳命だぁ? 嘘だ。信じられん。



「みんな、戦闘態勢だ。ヤツ等、俺らを襲う気まんまんだぞ」

「サトル、私も戦う」


「メサイア……そうだな、お前はもう戦えるもんな。頼むぜ、相棒。

 よし、ベルはリースを守ってやってくれ。後方で魔法スキルに徹してくれると有難い。フォルも俺たちと一緒に。いいな」


「分かったよ~」「はいなのですよ!」「承知しました!」



「殺戮ショーの始まりだァ……ワハハハハ、ギャハハハハハヒャハハハハハァーーーーーーー!!!!!!!」



 あの闇の騎士……黒い剣を振り回し、狂気に満ちてやがる。

 イカれてやがるな。



 俺は最初から本気でいく。



 【トランセンデンス】発動――!!

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