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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第561話 イカダでサバイバル! 目指せナーストレンド

 女神スキルのホワイトが使えない以上、この即席イカダで過ごすしかない。


「こうなったらイカダを増築するわ」

「メサイア、そんな材料がまだ残っているのか?」

「うーん、結構ギリギリだけどね」


 イカダの面積を増やす分と小屋くらいは作れる在庫があるようだ。そりゃいい。むしろ、十分すぎるほどだ。


 建築はメサイアに任せた。



「メサイアさん、がんばって!」

「ありがとう、リース。じゃ、まずはイカダを広くするわ」


 気合を入れ直すメサイアは、建築スキルを発動。すると、地面が“パァァ……”っと閃光を帯びていく。瞬間でイカダが増築され、十畳ほどのスペースを確保。

 こりゃいい!

 さっきまで二畳分あるかどうかのレベルだった。

 俺含め、ギリギリの空間だったからな。


「おぉ! さすが姉様です! やはり、女神のスキルは万能ですねっ」

「褒めてくれて嬉しいわ」


 照れながらもメサイアは、更に建築スキルで『小屋』を設置。結構狭いが、雨は凌げる。それに、思ったよりも広い。


「へえ、なかなか立派じゃないか」

「でもイカダだから速度は出ないわよ」

「オートスキルでも?」

「うん。たぶん」


 一応、前進はするらしいが……時間は掛かる模様。こればかりは仕方ないか。なんとか生活ができるだけマシと思っておこう。


 それからメサイアは更に椅子や机を追加。ソファまで設置してくれた。なかなかサービスがいいのだが――そこで木材が尽きたようだ。



「メサイアさん! あたし、本棚が欲しいです」


 そう瞳を輝かせるリースだったが、メサイアは首を横に振った。そう、材料がないのだ。ここまでだ。


「ごめん、リース。もうアイテムがないわ」

「そんなー…」


 こんな海では木材を集めるクエストもダンジョンもないしなぁ。流木じゃ、たかが知れている。というか、木が浮かんでもない。



「しかし、風呂もトイレもなしか……」

「さすがに不便すぎるわね」


 さすがのメサイアも困っていた。

 くそう、ホワイトの中の【花の邸宅】なら不便なく生活できるんだがなぁ……。爆発しちゃったんだから仕方ないけどさ。


「困りましたね、兄様。わたくし……せめてお風呂は入りたいです」

「それは俺も同じさ。って、フォル。トイレはいいのか?」

「えっ! 聖女(わたくし)はトイレいきませんからっ!」


 嘘つけ!!

 いや、まて……ちょっと既視感(デジャヴ)があるぞ、これ。気のせいかもしれないけど。


「あ、あの~、あたしもお風呂は欲しいです」


 リースも手を挙げるのだが、木材がないんだよねぇ。



「メサイア、なんとかならないのか?」

「うーん。ソファを解体するしかないわね」

「なるほど、解体すれば木材に戻るのか」

「ええ。ちょっと惜しいけど削るしかないわ」


 ソファは……無くても大丈夫だろう。別に困るものでもあるまい。


「じゃ、風呂を頼む」

「了解」


 なんとかお風呂は作れるらしい。ギリギリ生活はできそうだが……って、トイレは!?


「な、なあ……リース」

「えっ」

「トイレ欲しいよな?」

「あ、あたしもトイレはいきませんよぉ!?」


 顔を赤くして慌てるリース。

 ……君もそっちかよ。フォルと同類じゃねえかっ!

 いやけどまぁ……女の子だからなぁ。デリケートな問題だよな、うん。



「一応聞いておくけど、掃除スキルにトイレ関係があるのかい?」

「実は……あるんです!」


 と、妙に真剣な眼差しで耳打ちしてくるリース。天然ASMRに俺は背筋がゾクゾクした。……声が可愛すぎるぜ。


 ――って、そんな便利なスキルがあるのかよ。


 もしかして、フォルやリースの言っていることは、あながちウソではないのか。



「じゃあ、排泄(はいせつ)の必要がなくなるとか?」

「恥ずかしいですけど……その通りです。あたしやフォルちゃん、メサイアさんは使ってますよ」


「マジか。俺は知らなかったんだがっ」

「そ、それは……だって、ほら。言い辛いじゃないですか」



 確かに。そういえば、トイレの頻度がまったくないなと思ったが、そういうことか! 俺はそこらでしてるのに……! そんなカラクリだったとは、今日一番に衝撃を受けた。 てか、それいいな。

 俺も付与して欲しいわ。


「リース、俺にもそれを頼む」

「はい。食べたものは全部、魔力に変換されるんで便利ですよっ」


 最高じゃねえか!!

 リースの掃除スキルって実は、かなり凄いのでは。



【トイレキャンセラー】

【詳細】

 食べたものはすべて魔力に変換される。

 この効果により、トイレへ行く必要がなくなる。

 このスキルは三日間有効である。

 自分あるいは対象に付与できる。



「こんな超絶便利スキルがあったとはな」

「今まで黙っていてごめんなさい」

「いや、いいさ。おかげで助かったよ」



 そうこうしている間にも『風呂』完成!

 これで無事に生活可能になった。



「ふぅ。これでイカダ拠点の建築は完了よ」

「お疲れさん、メサイア。休んでくれ」

「うん。でも、まだまだ問題はあるわ」

「たとえば?」

「食料とか。あんまりないし」

「釣りでもするか。釣り竿くらいは作れるだろ?」

「それくらいなら可能よ。二本は生成できると思う」


 少し余力があるらしい。よし、食料の確保が俺がする。

 今はこのイカダ号でサバイバルしながらナーストレンドを目指すしかない。

【お知らせ】

明日のcomicグラスト110号にコミカライズ第4話掲載です!!

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