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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第560話 魔人の影響!? 爆発する女神スキル

 サリエリの気配はない。ナーストレンドで待つつもりなのか、それとも更に妨害してくるのか。

 なんであれ、ヤツがナーストレンドにいることは確定した。


「ねえ、サトル」

「どうした?」


「リースとフォルが乗った小舟が見当たらないわ」


 そう言われると姿が無かった。そういえば、さっきリースが大魔法の超反動で退避していたからな。かなりの距離を離れてしまったようだな。

 けど、大丈夫。

 あの二人は独特な気配があるから、探ればいいだけさ。

 集中して周囲を見渡すように魔力を探知する。


 ん~……、む?



「こっちの方にフォルらしき魔力を感じるな」

「ええ、多分これはフォルね」



 きっと俺たちに居場所を知らせる為に魔力を解放しているのだろう。

 俺はメサイアをお姫様抱っこで抱えたまま、ニトロで移動を開始。このスキル、ジェットエンジン以上の推進力があるから飛翔にもってこいだぜ。

 ただ、魔力に限界はあるから早めに合流せねばっ。


 しばらく飛び続けると、リースとフォルを発見した。

 小舟の上で手を振っている。


「サトルさーん!」

「兄様~!」


 よかった。無事だったか。

 俺の魔力も丁度限界を迎えていた。小舟に飛び乗ろうとしたところでバランスを崩し、そのまま海へ。


「ちょ、サトル!」

「すまん……魔力ゼロ」


 どぼぉぉぉんと落ちていく俺とメサイア。正直、泳ぎは得意ではないのだが……俺はメサイアに助けられていた。

 なんとか海上まで戻り、俺は呼吸を整えた。……っぶねぇ、溺れるところだったぜ。



「メサイア、お前って泳ぎが得意なんだな。前にエレイン湖で溺れてたフォルも助けていたし」

「普通よ。それに、湖の乙女の加護もあるから」



 言われてみればそうだな。

 それから小舟に乗り込み、ようやく一息つけた。全身が海水で水浸しだけどな。

 幸い、リースの掃除スキルの派生に“服を乾かす魔法スキル”があった。おかげで俺たちの服は速乾いた。いやぁ、助かる!



「はい、おしまいです!」

「助かったよ、リース。さすがお掃除マスターだ」

「えへへ~」


 照れるリースの表情は小動物のように可愛い。



「――さて、移動するか。リースの大魔法の反動を利用しよう」



 俺はそう提案するのだが、リースは表情を曇らせていた。……あれ?



「ごめんなさい。魔力切れですぅ……」

「マジか!? リースが!?」


 そんな馬鹿な。生粋のエルフであるリースが魔力切れなんて、そんなこと今まであまりなかったような気がするが。



「どうしてです?」


 俺の代わりにフォルが聞いた。



「そ……その、空腹で……」



 顔を赤くするリースはそんな理由を話した。お腹が減っていたのか。そりゃ、力も出ないわけだ。


「仕方ない。今日は海で野宿するか」

「ええっ!? 兄様、ナーストレンドへ急がなくていいのですか?」


 驚くフォルなのだが、メサイアも「……リースに同意だわ」と、腹ペコ宣言。そういえば、お昼を過ぎた頃か。

 腹が減っては戦なんてできないな。


「よし、分かった。飯にしよう」

「やった~! ありがとうございます、サトルさん!」


 嬉しそうにするリース。

 だが、喜ぶにはまだ早い。


「でも、食料なんて持ってきてないぞ。メサイア、ホワイトに何かあるよな?」

「もちろん、ホワイトの中にある私たちの家へ行けばなんでもあるわ」


 そうか、その手があったか!

 メサイアの女神スキル『ホワイト』は超便利な空間を作れる。俺たちの家もそこにあって、いつでも暮らせるようになっているんだ。


 その名も【花の邸宅】という。


 俺たちの“未来の娘”――ネメシアのホワイトとも共有なので、もしかしたら会えるかもしれないな。



「じゃあ、頼む」

「おっけー。ホワイトを展開するわ!」



 メサイアは手を(かざ)して女神スキルを発動。花の邸宅へ行ければ、こんな海であろうとも関係なく快適に過ごせる。



 ――だが。



『バチ……バチバチ、ドゴオオオオオオオオオオオォォォ……!』



 急にホワイトが爆発した!?



「うおっ!?」


 急なことだったが、俺はみんなを(かば)った。

 爆風が俺の背中を撫でたが、なんとか耐えられるレベル。……っぶねえ。


 だが、小舟が粉々に吹き飛んだ。

 俺たちは再び海の中へ。



 またかよぉぉぉ!



 ――と、思ったがメサイアが最後の力を振り絞って『建築スキル』を発動。目の前に巨大な足場が完成して、俺たちはそこに倒れた。



「…………ぐっ!」



 爆風が止んで、俺は目を開けた。



「……サトル」

「メサイア、大丈夫か?」

「え、ええ……でもなんでホワイトが爆発したのかしら……。私、いつものように空間を作ろうとしただけで……」


「さあ、分からん。でも気にするな」


 それから、リースとフォルの無事も確認した。


「び、びっくりしました……」

「どうして姉様のスキルが爆発を……?」


 二人とも謎すぎる状況に動揺していた。というか俺も分からなかった。メサイアがわざと爆破スキルを使うとも思えないし、なぜホワイトが爆発したんだか。


 しかし、咄嗟(とっさ)の判断でイカダを作るとはな。



「ホワイトは使わない方が良さそうだな」

「……そうね。また爆発するかもしれないし……。ごめん」

「気にするなよ、メサイア。あれはきっと原因があったんだから」

「……でも」


 思いつめそうなところで、リースも「そうですよ! 事故だったんですから!」と励ます。フォルも「きっと魔人の影響でしょう」と妙に納得できる回答をした。


 たぶん、そうだ。


 きっと魔人の力が女神に悪影響を及ぼしているんだ。だから、ホワイトは使えなかったのだろう。

 いよいよ魔人の支配が強まっているのかもしれない。

 早めになんとかしないとな。

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