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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第555話 覚醒ヒドゥンクレバス【オートスキル専用スキル】

 魔人化した二人は、全身が(ふく)れ上がり黒い人型となった。……なんてこった。

 以前も貴族が魔人化したが、これはそれ以上かもしれない。

 恐らく、魔人サリエリの力を直接与えられているせいだろう。


「なんて禍々(まがまが)しい魔力だ」

「まずいわよ、サトル。筋肉ムキムキだし、見るからに強そうだわ」


 焦り顔のメサイアは俺を引っ張りながら言った。


「ああ。ありゃ今までの魔人化とは違うようだな」


 しかし、ここで逃げても街に被害がでるだけだ。俺がやるしか――お?



「ここは私に任せろッ!」



 地面を蹴って駆け抜けていくグレンは、剣を抜き魔法スキルを詠唱。すると、剣に炎が(まと)い始めていた。いや、(まと)った。


 燃える剣を振るうグレンは、その技を放った。



「ファイアーボルト! 八連!」



 ずごおおおおおおおおぉぉぉと燃え盛る炎は、八連の塊となって魔人に激突。おぉ、いつの間にか“八連”にパワーアップしていたとはな!

 とはいえ、ひとつ増えただけだが!


 ファイアーボルトがそれぞれの魔人を焼き尽く……え。



『……?』

『……?』



 だ、だめだ! まるで効いていない!



「そんな馬鹿な!」



 グレンもビビっていた。まさか一番の必殺技で歯が立たないとはな。

 やはり、素直に師匠のシベリウスから鍛えてもらった方がよかったんじゃないか。

 あれから二人の関係はよく分からないし……。

 記憶が確かなら、シベリウスはグレンを『破門』にしていたはずだけどな。どのみち、これ以上の成長は望めないか。



「やれやれですね、グレン」

「チャ、チャルチ! わ、私は……いや、あの魔人が強すぎるんだ!」


 チャルチは明らかに白い目でグレンを見つめていた。鍛錬(たんれん)(おこた)りすぎだろうと。実際そうだしな。


 そして今度はチャルチが剣を抜く。

 そういえば彼女がまともに戦うところはあまり見たことがない。もしかしたら、魔人を倒す術があるのかもしれない。



「大丈夫なのか、チャルチ!」

「ええ、サトル。ここは、私にお任せください」



 (りん)とした表情で魔人に立ち向かうその姿。とても勇敢に見えた。へえ、さすが『氷の騎士』だけあって冷静だな。


 戦況を見守っていると、今度は先に魔人の方が口らしきところから毒を吐いた。


 紫色の液体がチャルチに掛かりそうになったが、彼女は剣を振る。すると、ブリザードが吹き荒れて液体は凍った。


 おぉ! 水属性魔法スキルか!



「やるな、チャルチ!」

「えっへん。どうでしょう、結婚したくなりましたか!?」

「ああ、その調子で頼む!」



 魔人の攻撃も凍るんだな。となると、本体も凍結状態にできるかもしれないな。氷漬けにすれば、こっちモンだ。

 あれでも一応、元は人間だからな。

 元に戻せるなら、それに越したことはない。

 だから、氷漬けがいい。


 ――そうだ、俺も【超覚醒オートスキル】の『ヒドゥンクレバス』を使おう。あれも水属性魔法スキル。凍結の状態異常効果もある。



「よぉし、メサイア! オルクスを……」

「…………」


「え」



 なんかムスッとしてないか!?

 すげぇ機嫌悪そうなんですけど!?


 ……俺、なんか言ったっけ。



「……サトル。チャルチと結婚ってどういうことよ……」

「へ」

「今、返事したわよね?」

「し、してない! 本当(マジ)だ!」



 記憶を巻き戻し、辿ってみる。



『えっへん。どうでしょう、結婚したくなりましたか!?』

『ああ、その調子で頼む!』



 ……ま、まさか! これが同意と受け取られたのか!? そんな理不尽な!



「そういう意味じゃないって!」

「……浮気者」

「ちょ、まて。俺にそんなつもりはないって! てか、今はそんな場合じゃないだろう!」


「じゃあ、今すぐプロポーズしてちょうだい」

「なにィ!? なんで今なんだよ!? すげぇタイミングだな、おい……」



 なんで魔人との戦闘中にメサイアに求婚せにゃーならん。……いや、そりゃ俺としても望むところだし、メサイアの気持ちも知れて嬉しいけど!


 けど!


 今はその時じゃないだろう、明らかに!



「マズい! サトル、そっちに魔人が一体向かいました!」



 チャルチが叫ぶ。本当に魔人が接近していて、メサイアを狙っていた。こんにゃろ! こんな大事な時に空気を読まず突進してくるとは許せん!


 俺は魔人の前に立ち、守りたい気持ちを最大限に高める。



「くらえええええええ! ヒドゥンクレバス――うぅ!?」



 ズッゴオオオオオオオオオオオ……なんて、とんでもない氷塊がぶっ放されて俺は驚いた。

 あれ、いつものヒドゥンクレバスじゃないぞ!?」


 なんかパワーアップしていないか?



『……ガアアアアアアアアアアッ!』



 おかげで魔人にダメージを与えつつも、凍結の効果を与えていた。……おぉ、すげ。俺のスキル、いつの間に覚醒していたんだよ。



【覚醒ヒドゥンクレバス】

【効果】

 オートスキル専用の水属性魔法スキル。

 氷の塊を無数に発生させ、放つ。


 水属性魔法:100000%固定+レベル依存


 ダメージを与えた対象を[凍結]にする。

 ダメージを与えた対象を[氷結]にする。

 ダメージを与えた対象を[凍傷]にする。


 オートスキルが覚醒している場合、魔法攻撃力が10倍アップする。全種族の魔法防御力(MDEF)を無視する。



「なぁっ!? ヒドゥンクレバスが覚醒したー!?」

「サ、サトル! あんた……それ!」


 メサイアも珍しく驚愕していた。しばらく俺のスキルは強化されなかったのだが、このタイミングで覚醒するとは!

 だが、これなら魔人を凍らせられるだろう!

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