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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第十四章 魔人降臨

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第547話 賢者スキル『サンダーボール』

 オーゼラの婆さんは、短い詠唱で魔法を生成。



「サンダーボール!!」



 ――って、ボール!

 詠唱がカッコイイ割にはボールなのかよ。

 だがしかし、オーゼラはニヤリと不敵に笑う。俺から離れてそのサンダーボールを信じられないほどの威力で蹴った。



『バシュゥゥゥゥゥ……!!』



 なんてあまり聞きなれない轟音と共に、電気の塊が猛スピードでエロンガータに命中。ビリビリのバリバリにしていた。……な、なんて威力!

 敵の体中に電気が走って丸焦げにしていた。


 しかも、驚いたことに魔法攻撃力が半減していないように見えた。え……なんで? どういうカラクリなんだ?


 つか、プロサッカー選手顔負けの弾丸シュートだったな。バケモンだな、この婆さん。


「あの凶悪な魚人を倒しちまうとは……」

「ふぉっふぉっふぉ。アヴァロンのエルフにして賢者クラスのみが使える秘術じゃ」


 そうだったの!?

 てか、この婆さんしか使えないユニークスキルか何かだろうな。

 なんて納得している場合ではない。


「おい、婆さん。あんたの魔法攻撃力は半減していなかったぞ。どういうこと?」

「あ~、賢者に限っては半減せんのだよ。だから、余計に重宝されるわけじゃ」

「マジかよ!」

「うむ。だから、ワシをパーティに入れるべき」


 ……なるほどね。それもあってみんなパーティに賢者を入れているわけか。ただトロイメライ語が使えるだけではない――というわけだな。


 なら、一時的に婆さんを仲間にするしかないようだな。


 渋々ながらオーゼラを加入させていると、メサイアたちが追い付いていた。危険地帯を上手く移動してきたらしい。



「お前ら、危ないぞ……!」

「大丈夫ですよ、兄様」

「え?」

「だって、兄様とオーゼラさんが魚人モンスターをやっつけてしまったので」



 ……お。

 よく見ると、後方のエロンガータは激減していた。そうか、俺のパニッシャートライデントとオーゼラのサンダーボールがかなり効いたらしい。

 なるほど、力を合わせればここまで違うのか。



「サトル、そのお婆さんどうするの?」


 と、メサイアがちょっと警戒しながら言った。


「もうパーティに入れた」

「えぇ……」


 怪訝(けげん)そうな顔をするメサイアは、ちょっと引いていた。さっき、セクハラっぽいことされたので警戒しているんだろうな。だが、賢者が必要だ。



「ダンジョン攻略の為さ」

「……仕方ないわね」



 今回だけの臨時だからね、とメサイアは声を低くして言った。どうやら、婆さんが苦手らしい。

 一方でリースは久しぶりに婆さんに会えて嬉しいらしく、甘えていた。そんな姿が微笑ましく映った。



「お婆ちゃん、元気そうでなによりですっ」

「リースも変わらず可愛いのぅ」

「えへへ~」



 和やかな空気が流れるが――そんな場合でもない。これより先はエロンガータが鬼沸きしている超危険地帯。その数……1000以上。さすが“破滅級”と呼ばれるだけあるぜ。

 ここまでモンスターがうようよしているとは。


「……こ、これはカオスですね、兄様」


 さすがのフォルも恐怖して俺に抱きつく。


「この先は地獄だ」


 これを突破できる気がしない。

 しないが、攻略しなければならない。


 だがしかし、数千はいるエロンガータをどう倒す? さすがに俺の魔力では足りないかもしれない。それに、メサイアたちを守り抜けるかどうか。



 いや…………まてよ。



 要はモンスターを倒せればいいんだよな。



「……どうした、サトル。ワシの顔に何かついているかの?」」

「婆さん! さっきのサンダーボールって賢者のスキルなのか?」

「そうじゃ。賢者が開発したという秘術である」



 婆さんはスキルの詳細を教えてくれた。



【サンダーボール】

【効果】

 大帝国の大賢者の開発したスキル。

 雷の球体を生成。

 サンダーボールを蹴って攻撃する。

 膨大な魔力を凝縮するので火力が高い。


 風属性魔法攻撃力 10000% + レベル依存

 風属性魔法攻撃力 20000% + レベル依存

 風属性魔法攻撃力 30000% + レベル依存

 風属性魔法攻撃力 40000% + レベル依存

 風属性魔法攻撃力 50000% + レベル依存


 敵を一定確率でスタンにする。

 魔力消費量が50%上昇する。



「こりゃ凄い! このスキルなら威力が半減せずエロンガータを倒せるってことだよな?」

「鋭いな、サトル。その通りじゃ。じゃが、賢者ではないお主には使えぬ」

「いや、使えるさ」

「なんと?」


「俺にはコピースキルがある」



 そう、ほとんどのスキルを一時的にコピーできる『イミテーション』があるのだ。これなら、婆さんのサンダーボールも使えるはず。



「なるほどね! サトル、お婆さんのサンダーボールをオートスキルで使うのね!」

「その通りだ、メサイア」



 そうすれば威力は半減せず、むしろメサイアのオルクスで更に火力アップ。フォルには支援スキルをしてもらい、リースは俺を励ましてくれるだけでいい。

 それでこの地獄を突破する寸法だ。



「いいか? 婆さん!」

「ほう。それは面白そうじゃな。どぅれ、やってみるがいい」



 婆さんの許可は貰った。

 俺はコピースキルのイミテーションを発動。婆さんのサンダーボールをコピーして一時的に習得。


 ――成功だ!


 賢者スキルもコピーできた!

 これを俺の【超覚醒オートスキル】へセット。これで歩きながら自動で発動できるわけだ。ならば、俺は無敵。最強。



 この破滅級ダンジョンをサクッと攻略できるわけだ――!



 それから、俺の予想通りだった。

 超覚醒オートスキルから無数のサンダーボールが放たれ、自動で敵を討伐。エロンガータがどんどん消滅していった。



「やるわね、サトル!」


 気持ちいほど賞賛するメサイア。


「さすが兄様ですっ! あとでキスします!」


 フォルは俺に抱きつきながら自分のことのように喜ぶ。


「素晴らしいです。賢者のスキルを使えるようになるなんて奇跡です!」


 リースも同様に俺を讃えてくれた。



 よ~し、この調子でボス部屋まで一直線だぜ!

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