表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第一章 救世主

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/572

第48話 裸の女神 - 浸蝕する死の呪い -

 メサイアに呼び出された。

 山小屋を出て、闇夜を彷徨(さまよ)う。何処(ドコ)まで行く気だ?


 まったく人気(ひとけ)のない湖に出た。

 そういえば、この炭鉱付近には湖があったっけな。

 そんなに大きくはないけど。


「で、なんで、俺をこんなところに連れ出したんだ。夜で暗いし……まさか、俺を襲うとかじゃないだろうな!?」

「じ、実は……」



 え? マジ?



 と、マジで服を脱ぎだす(・・・・・・)メサイア。

 家を出る前に着替えていた黒ワンピの()れる音がしゅるしゅると。ホントに脱いでしまわれた。



 ……月夜に照らされる下着姿のメサイア。



 まぶしく、とても綺麗だ。


「えっと……俺、襲われる?」

「そ、その……」


 ついには、下着まで外してしまい……()に。

 Oh my 裸の女神……。



「おま……!」



 俺は思わず目を()らした。

 ムリだろ! もう直視すら不可能だ…………丸見え(・・・)だし。


「ちゃんと全部見て」

「ちゃんと全部見れるかよ……!」

「お願い、よく見て……お願いだから」

「むぅ、そこまで懇願(こんがん)されるとなぁ。ま……ま、まあいい。お前が見てというのなら、遠慮なく……ん? メサイア、お前のその体(・・・)……」


 体の、お腹や背中にある『黒い模様(・・・・)』はなんだ!?

 キズとか(あざ)ではなさそうだが。アレはまるで、メサイアの肌を浸蝕(しんしょく)しちまっているような……。見ているだけで痛々しい。


「お、おい……なんだそりゃ」

「さっきは、バスタオルで隠していたから分からなかったと思うけど、私、今はこんな醜いんだ……」


「――――」


 な……なんで。


「なにがあった?」

「私……『死神(・・)』に戻るみたい。【死の呪い】が強まっているの」

「……【死の呪い】だって!?」


 それは以前、王様――ミクトランに教えてもらった。それに、あの【リミットブレイク】の時の本元女神様も言っていたっけ。


 かつて、この世界は『女神』で(あふ)れていたが、【死の呪い】のせいで『死神』になっちまったらしいと。その中でも、メサイアはなぜか『女神』に戻ったようだが。



 ちなみに現状、この世界には女神はたった二人だけ(・・・・・・・)


 だけだったが――メサイアは今【死の呪い】の影響を受け始めている。



 なんで今になって!?


「なにがあった? 原因は?」

「ネックレス」


 例のネックレスを見せてくれる。


「……え」


 ウソだろ……。

 ネックレスの色が【白】に染まりつつある。完全ではないものの、これはいったい? 今までは【黒】だった。――まて、ネックレスは、魂の輝きを示すものではなかったのか。


「実はね、私のコレは特別。中に【死の呪い】が封印されていたの」


 だから、あんなに触れられるのをイヤがったのか。

 つーか、おかしい。


 【死の呪い】は、あの本元女神によれば【黒い魔導書】に封印されていると言っていた。だから、あのネックレスは関係ないはずだが。

 ――いや、魔導書だけでは(まかな)いきれない、ということか?


「まったく、どうなってんだ」

「サトル。ごめんね……私、女神じゃなくなっちゃうかも」


 メサイアは残念そうに肩を落とす。そんな落ち込むなって言っても……いや、実際ショックだよな。


 いやでもまて。


「メサイア、お前一度は『死神』だったんだろう? 戻れる方法があるんじゃ」

「そ……それなんだけどさ……」

「な、なんだよ。そんな顔を赤くして」

「……実は」


 随分と歯切れが悪いな。言いにくいのか。


「なんだ、えっちな事じゃないだろうな」

「……っ」

「……ウソだろ? おいおい!?」


 さすがにそれは……。


「キ、キスよ。キス」

「って、なんだキスか…………ってキスぅ!?」

「告白するとね。サトルと初めて会ったあの日……小屋の中でしちゃったの……」


 声がどんどん小さくなる。

 メサイアのヤツ、顔を沸騰させて湯気がスゴイぞ!?


「って……メサイア! 俺が寝ている間にそんな事を……」


「……その、ごめんなさい。正直言うとね、サトルの寝顔……可愛かったから。ちょっと魔が差しちゃって……でも、ああしてなかったら、私『女神』にはなれなかったし。おかげで、小屋の維持のための【建築スキル】だって覚えられたの。

 だけど、このまま『死神』に戻ったら、私、きっと全てを失っちゃうと思う……。なぜか、そんな気がするの」


「どーゆー理屈だよ、そりゃ。

 ま、まあでもそういう事なのか。まー確かに【建築スキル】は偉大だ。メサイアのおかげで、今の俺たち……『山小屋(すみか)』があるわけだし」


 どうやら、俺とキスした事で(?)……『女神』へ転身できたらしいが、一体どうしてそうなってるんだか。つーか、俺にそんな謎効果が存在したとはな。恐れ入ったよ。


「じゃあなんだ、またキスすれば『女神』になれるかもってか?」

「…………(コクコク)」


 もはや、(うなず)くことしかできないギリギリ女神(・・・・・・)

 確かに、このまま『死神』になられて、いきなり小屋が崩壊するだとか、メサイアの性格がメンヘラとかヤンデレになられてもマズイ。……いや、それはそれで見てみたい気もするが。


 何にせよ、今の生活が激変するのだけは避けたい。

 人間、安定が一番だ。



「分かった。俺も正直に告白するよ」

「……」

「メサイア……俺、お前の事が――」



 << Enemy spotted >>



 ……はい?


 敵を発見したって?



 辺りを見渡すと、俺たちは……



『キキキキキシーーーーーーッ!!!』



 明らかにヤバそうな『怨霊』(ゴースト)に囲まれていた。



「きゃぁぁっ!!」


 あまりに突発的な出現だったので、メサイアは驚き、()のまま俺にしがみついてきた。


「うあぁ、メサイア。当たってる! いろいろ当たってるーーー!!!」

「ゴースト系モンスターは苦手なのよ~~~!! サトル、助けて~~~!」

「ば、ばか。体を揺らすな! あわわわ、スキルの狙いが定まらねえええええ!!」



 先制攻撃よりも、自動(オート)発動を待つとするか。

 モンスターを倒すまで、キスはお預け――だな。

いつも応援ありがとうございます。

もしも面白い・続きが読みたいと感じましたら、ぜひブックマーク・評価をお願いします。感想もお気軽に書いて戴けると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ