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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

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第174話 高速建築スキル

 家を作るため、再び魔法の森【ブロセリアンド】へ舞い戻った。

 人の気配はなく、生存人数はまあまあ変化して、残り『166名』となっていた。ここにきてあまり減少していないのは、きっと、夜になってライバルの活動も鈍くなったということ。


 また、夜になると危険になるとも司会は言っていた。


 頭の切れるヤツは安全な場所で身を(ひそ)めているのだろう。

 特に『マグネター』は面倒だ。

 雑魚から強力なヤツまで幅広い。その種類は多種多様。獣人タイプもいれば、ドラゴンタイプもいた。いったい、いくつのタイプがいるんだろうな。



「――っと、木材はこんなもんかね。あんまり派手に伐採すると、他のヤツらに見つかる恐れがあるからな」

「こちらは石の採集を完了させました、サトルさん」


「おう、リース。お疲れ。ん、ずいぶんと泥まみれになったな~、風呂も作って、すっきりしないとな」

「はい♪ 広いお風呂を作りましょう」


 これだけ取れれば十分だろう。

 材料は【運搬スキル】を使用し、ミニチュアサイズにした。俺含め、みんなの(てのひら)には大量の材料が乗っていた。


「よーし、戻るか!」


「「「「おおおお~~~~!!!!」」」」



 ◆



 またまた女神スキル『ホワイト』空間に到着っと。

 本当に何もない真っ白だが、ここで俺たちの家を作っていけばいい。今は白紙だけれど、これから色が加えられると思うと、なんだか子供心が(よみがえ)る気がしていた。まるでお絵描きだな。


 なんにせよ、


 女神だけ(・・・・)の空間に家を建てるとかワクワクするよな。


 そんなことをする連中、世界――いや、宇宙中を探してもいないはずだ。


「メサイア、材料のサイズは元に戻した。建築スキルの準備はいいか?」

「ええ、これだけ大量にあれば『普通の家』くらいは……いえ、邸宅レベルは可能よ。みんな、離れて!!」


 メサイアから離れ、俺たちはその行く末を見守った。




『高速建築・開始(スタート)――!!』




 そう彼女が叫ぶと、材料が一気に消失し、家の建築過程が超高速早送りで行われた。てか、早すぎて何が起きているかサッパリ分からない。


「うあぁ……なんじゃこれえ」


 前の【建築スキル】のスピードとは比較にならない速度。

 あっという間に外観が完成、おそらく内装も出来ている。


「あ、姉様……すごいです」

「メサイアさんの建築スキルって、初めてまともに見たかもしれません……」


 フォルもリースもポカンとなっていた。

 俺もビックリだよ。さすが建築の女神様だよ。



「できたー!! ホワイト邸宅の完成! 内装もバッチリよ。部屋とかキッチン、お風呂のデザインは花の都にある実家を踏襲(とうしゅう)しているわ。だから、ほぼ一緒だけど、広さは倍ね」



「まじか!! さっそく上がっていいのか!?」

「うん。言っておくけどね、ハリボテじゃないからね。本物よ」

「あは。そうだったら、笑うしかないな、メサイア」


 俺は玄関前まで向かって、深呼吸した。

 ……さて、緊張の瞬間だ。


 扉を開けて――――



『ドシャガラガラガラドドド~~~~~~~~~ン!!』



 家が崩壊した。



「………………へ」


「え………」



「あの…………メサイアさん」

「…………はい」

「家、壊れましたけど」

「……そ、そうね……。あは……あはははははは…………」


「ぽんこつ女神! なにやってんだー!!!」


「ごめんなさーい!! 焦って高速にしすぎたみたい!! 失敗しちゃったー!!」

「あほー!!!」


 この女神のぽんこつ具合、どんどん上昇しているな。


「もう一度できないのか?」

「建築失敗の場合、材料はある程度は返還されるけど……うーん、これじゃあ厳しいわね」


 万事休すか……そう思われたとき。



「そう思っただがやぁ~、オイラが予備の材料集めとったいでえ」

「ミザール! 本当!?」


 (わら)をも掴む思いで、メサイアはミザールにすがった。


「ああ、本当だじぇ~。ほいよっと」


 ドンっと大量の材料が出てきた。

 こ、こいつどこから取り出した!?


「好きに使ってくれい」

「ありがとう~!!! ミザール!! これでもう一度!」


「メサイア、もう失敗するなよ~」

「分かってるって、サトル。私を信じて!」


 いや~…さっき失敗したしなぁ。

 ま、信じてやらなくてどうするって話だがな。


「分かったよ。フォルもリースも祈ってくれ。ミザールもな」


「いくわよ~! 今度こそ、高速建築開始!!」



 材料は光に包まれ、また建築を開始した。

 先ほどの再現だが、今度は着実に施工(せこう)しているように見えた。うん、今回は大丈夫そうだな。崩壊とかないはずだ。


「はいっ!!」

「はいって……早かったな。本当に大丈夫かあ?」

「うっ……そう言われると、ちょっと自信ないけど、でも、信じて」

「うん。メサイア、お前のことは宇宙一信じているよ」


 今度こそ。

 今度こそ成功してくれ!!


 内心ではヒヤヒヤな俺だった。


 このままじゃ、真っ白の空間で野宿だぞ!?

 それはそれで(さび)しいじゃないか。なんか落ち着かないじゃないか。あと、イチャイチャできないじゃないか!!



 さあ――――こい!!



 再び扉を開けてみる。


「……こい」



 カチャ……っと、扉を慎重に開けてみた。



 すると、



「お…………おぉ……」



 崩壊しなかった。

 今度は成功した。



「「「「やったああああ~~~~!!!!」」」」



 みんな同時に喜んだ。


「サトル! やった、やったわ! これで『家』が完成よ!!」

「よくぞやったメサイア! お前は最高の女神だ!!!」


 思わず俺はメサイアを抱きしめた。

 メサイアも受け入れてくれて、ぎゅっとハグを返してくれた。



「これで安心して一泊できますね、リース」

「うん、フォルちゃん。久しぶりの家事、ちょっと燃えてきました!」



「ふぉ~、これはすげぇだ。家ができちまった……。こんなけったいなスキルは初めて見たべぇ。こりゃ……大賢者・フォーマルハウト氏もビックリ仰天だがやあ」



 ◆



 家の中は、あのかつての内装ほぼそのものだった。

 広い空間だが、落ち着きがあり甘い匂いがした。


「ふー…」


 みんなはもう各作業へ向かってしまった。


 メサイアは改めて家の点検へ。

 リースはお風呂の調整とか。ついでにお湯も張ってくれるらしい。

 フォルはさっそく夜食を作りに料理へ。


 ミザールは俺の向かいで、紅茶を楽しんでいた。


「ようやく落ち着けましたね」

「なんだ、ミザール。お前、(なま)ってねーじゃん」

「これから重大な説明があるんです。いちいち訛っていたら、面倒でしょうから、キャラを変えてみました」

「それはそれで不気味だぞ」


「…………そうでげすかぁ、そう言われるとショックだべぇ」

「それでいいよ。ほら、個性的っていうか……まあ、それより教えてくれよ。星の都の実態を……」

「分かりやした。んでは、そうですなぁ~…ど~こから話したものかぁ。それでは――まずは、星屑の在り処(・・・・・・)についてなんてどうでしょうかねぇ」



 星屑の在り処……?

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