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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第三章 星屑

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第173話 女神の建築スキル再び

 女神専用スキル『ホワイト』の中には空間が広がっていた。

 なにもない白い空間だ。


 そんな中に、俺たちはいた。

 まさかホワイトに入れるだなんてな……予想外すぎた。


「なにもないぞ、メサイア」

「そらそうよ~。これから作っていくんだから」

「これから作る……?」

「お忘れ? 私は【建築スキル】を持っているのよ。家を建てるの」

「まさか……! また(・・)作るのか家を! しかもこのホワイトの中に!」

「そう。私たちは今まで『小屋』や『家』を作ってきたじゃない。今度はでっかい邸宅(ていたく)でも作ってしまおうと思うの!」


 ばーんと手を広げ、顔を輝かせるメサイアの顔はまぶしかった。てか、女神スキルで輝かせてる? やたら神々(こうごう)しいぞ。



「姉様! またわたくしたちの家が!?」

「そうよ、フォル。また住めるわ。しかも今度はより安全にね!」

「大好きです! 姉様!」


 フォルはメサイアに抱きつく。


「家……なんだか懐かしい響きですね。久しぶりに、あたしの【掃除スキル】が役に立ちそうですね……!」

「それあったな、リース。ずいぶん、ご無沙汰(ぶさた)だったけど、また輝く日が来そうだな。頼んだぜ」

「はい、サトルさん。家事全般はお任せください!」


 そう意気込むリースは可愛かった。

 しかし、フォルは聞き捨てならなかったようで、割って入ってきた。


「わたくしは聖女ですが、【料理スキル】に特化しているのです。ですから、料理に関しては譲る気はありません。いいですね、リース」

「わ、分かっていますよ、フォルちゃん。顔が近いよ……でも、少しは手伝わせて欲しいかな」


 むぅっとフォルは意地を張っていた。

 変なところで頑固(がんこ)だからなぁ。


「フォル、以前と同じようにみんなで楽しもう」

「そ……そうですね。ごめんなさい、リース」

「いいんです。譲れないものってあると思いますし、その気持ちはよく分かります」



「あの~、すみませんでげすが、この白い空間はなんざんしょ」


 そうだ、ミザールの存在を忘れていた。

 するとメサイアが説明を始めた。


「これは『ホワイト』っていう女神スキルの特殊空間よ。私が認めた人しか入れない空間。外から入ってこれないし、抜け出してしまうと入ってこれなくなる。絶対領域(アブソリュート)なの。だから、外出時は気を付けてちょうだい」


 ふーむ。あんまり、不用意にウロチョロしない方がよさそうだ。


「で、メサイア。家をどうやって建てる? しかも、前はすげぇ時間掛かっていただろ。今回はバトルロイヤル中なのもあるし、いくら時間無制限といっても、そんなに待っていられんぞ~」


 ふふーんと鼻を鳴らすメサイアは、得意げに腕を組んだ。

 なんだ、あの(たくら)むような顔。


「サトル、今の私は女神よ? しかも、スキルも1000もあるの。これだけあるとね、便利なスキルでいっぱいなの。『高速建築(・・・・)』くらい可能よ」

「おお、高速建築か! そりゃいいな。――で、肝心の材料(・・)は?」


「え……材料?」


「おう、材料だ。ほら、木材とか石、布とか必要だろう?」

「…………にょ?」

「にょ~?」


 汗をダラダラ流すメサイア。

 おい……。


「まさか、材料もなしに建築するとか言ってんじゃねえだろうな!?」

「…………うぅ」


 泣き出した。

 いや、泣くなよ。


「ぽんこつ女神め……。そのポジションは、リースのはずだったけどなぁ」


 100人貴族事件といい、なんかメサイアのぽんこつ具合がアップしていないだろうか。まあ、馬鹿な子ほど可愛いとも言うけれど。

 仕方ない、俺のあまりない知恵を絞って、CPUをフル回転させますか。


 う~~~~~~ん……そうだなぁ。



 <ピコーン!!>



「発想の転換といこう」

「え? なにかあるの、サトル」

「ホワイトから飛び出て、森の木々を伐採すればいいんじゃね?」


「あぁ~~~っ!! サトル、すごいそれ! 名案!」


 喜んで飛びついてくるメサイア。

 よしっ……! ダブルとつの感触がたまらんッ。


「兄様すごいですー!! わたくしも飛びつきます!」


 フォルも続いて自慢の肉体を()り寄せてきた。

 もうそれはわざとらしく。()すことなく徹底的に。おかげで天国だが、やりすぎた。さすがヘンタイ聖女だ。なお、これは最上級の()め言葉だ。


「サトルさん、家が作れるんですね!」

「もちろんだ。そのためにはリースの力も必要だ。手伝ってくれ」

「もちろんです! ですから……あたしも」


 ピトっと小さな体を寄せてきた。

 俺は思わず打ち震える。リースは小さくて可愛くて、金髪でバインバインの世界一可愛いエルフだからだ。それがこんなピトっと……ピトっと……。



「げふんげふん。あー、森の木々はいくら切ってもまた生えてきますし、石もその辺にいくらでも落ちていますでえ。ええと思いますだ。そいじゃぁ、オイラは護衛でもしますかね」


「すまん、ミザール。それじゃ一度、外へ出ますか! メサイア、頼む」

「分かったわ。ホワイト解放!」


 ――なんてメサイアが叫ぶと、そこには森が見えた。

 なるほど、あのホワイトホールから出ればいいらしい。



 よし――建築材料の『木材』と『石』をさっさと集めてずらかろう。

いつも応援ありがとうございます。

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