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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第139話 一万の兵力 - 戦力拡充・大聖戦の序章 -

 【 聖地・モードレッド 】



 聖地へ踏み入れると、熱烈な歓迎を受けた。



「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!」」」」」



 というか、大半がモードレッド――いや、『レッドスカーフ』の人気だった。なんつー勢い。すげえな、ここまで士気が高いとはな。



「アーサー。我ら『聖地・モードレッド』……全軍、あなたの傘下に」



 随分と顔つきの変わったレッドスカーフがそう断言した。マジか!!


「おいおい……こりゃ、すげぇ戦力だぞ。一万はいるぞ」

「そうだ、サトル。この騎士すべて、私自らが手塩にかけて育て上げた。いいか、そこいらにいる騎士よりも練度は遥かに高い。期待はしていいぞ」


 自信満々に笑うレッドスカーフの顔は、なんだか眩しかった。

 なんだ、そういう顔も出来たんじゃないか。



 ◆



 レッドスカーフと別れ、俺たちはいったん休息へ。

 少しは休まないとな、疲れちまう。



 その道中、なぜか俺は、聖地の人たちから声を掛けられまくり。可愛い&美人の女性が多かった。え、どうなってんの。


「いやぁ、ごめんね。食事ならまた今度……。そっちの猫耳の子も、また今度ね」


 あの猫耳の子、すげえ可愛かったなぁ。

 なんてやっとると……


「………………」

「うわ、メサイア。顔がやばいぞ」

「あんたのせいでしょーが。もう、みんな先に宿に行ってるわよ」

「あ、そうなんだ。すまんな、待たせて……ん。メサイア、お前、ブーツがだいぶ傷んでいるな」

「あー…、あんな険しい砂漠をずっと歩いていたんだもの。それでね」

「そうか。じゃあ、こっちこい」

「え……サトル?」


 俺は、メサイアの手を引っ張り、商店街へ向かった。



 ◆



「ねえ、どうしたのよ急に」

「ブーツを買ってやるよ。お前には、いつもお世話になってるからな」

「え…………その、嬉しい、けど……」


 お、顔がスゲー赤いな。

 ほー。へー。ふーん。


 俺は、顔をメサイアに近づけ、おでこをくっ付けた。


「……っ! バ、バカ…………!」


「うん、熱はないな」

「あ、あ、あるわけないでしょ! てか、それワザとよね! もうっ……顔が熱いっ」



 なんとやっとると……



「おうおう、そこの兄ちゃん。さっきは随分と女に話しかけられていたな」

「アニキ、しかもコイツ、女神なんて連れてやすぜ! あんなイチャついて、こりゃあやっちまうしかねーですよ!」



 なんか変な凸凹(デコボコ)の二人組が現れた。

 パースケとグースケではないな。



「……サトル。なんかガラの悪い連中が現れたわよ」

「無視しとけ」


 なんて発言した途端、ヤツ等は――


「無視だと!? てめええ――――!!」


 アニキとか呼ばれていたゴッツイ男は、俺に触れようとしたが――【オートスキル】が発動。『ホーリーブレード』が飛び出て、男を切り刻んだ。あらら、悪気はなかったんだがな。



「イデエエエエエエエエエエ!! うあああああッ!!」

「ア、アニキ!! アニキの髪の毛が全部なくなっちまったァ!!」



 凸凹コンビは逃げ出した。



 え、終わり?



 呆気ない幕引きだった。

 もうちょい張り合いがあると思ったんだがなー…。


 そんなふうに立ち尽くしていれば、


「アンちゃんツエーな」

「ん? 俺か。うん、まあな」

「ハハハ! こいつぁおもしれぇ。アンちゃん、よけりゃあ……その女神の嬢ちゃんにこれをプレゼントしてやりな」


 人の良さそうおっちゃんは、どうやら『靴職人』だったようだ。俺の話を聞いていたらしく、なんと『新品のブーツ』をくれた。


「いいのか? 金は払うぞ」

「いいんだ。あのモードレッド……いや、レッドスカーフ姫の正気を取り戻してくれた。それだけで十分なんだよ、こっちは」


「正気ねえ……。確かに、以前のレッドスカーフは狂気に支配されていたのかもな」

「そういうこった。靴はやる。ほれ、受け取れ」


 おっちゃんから靴を貰った。


「すまん、おっちゃん。恩に着るぜ」

「いいってことよ。それじゃあ達者でな!」


 …………!?



 おっちゃんが…………消えた!



 ……幽霊?



「何者だったんだ……」

「ねえ、サトル。さっきから何ブツブツ言ってるのよ?」

「え……あー…いや、なんでも。それより、これ」

「これ? え! 新品のブーツじゃない! いつの間に買ったのよ?」

「いやぁ、なんか勝手にゲットしていたというか……サプライズってやつよ。あははは……」


「……サトル」


 メサイアは、ちょっと泣き出しそうになっていた。

 でも、堪えて……俺に飛びついて来た。……おふぅ、甘いイイ匂いがする。


「ありがと!」

「い、いや~…それほどでも(?)。ん~…あのおっちゃん何だったんだ?」

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