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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第135話 大聖堂 - エクストラガチャ引いてみた -

 トリスタンに連れられ、俺たちはある場所に向かった。


 そこは、この聖地の――


 例の『ナイツ・オブ・ラウンドテーブル』とかいうガチャが引ける【大聖堂】だった。


「まじか! でけー!」


 はえーと、俺含め一同は大聖堂を見上げた。

 本当、イカついな……。


 中に入ると、どうやら、今日は【立ち入り禁止】になっていた。となると、俺たちの貸し切りか。



「お、アレは……なんだ?」



 超特大の『エクサダイト』……!?



「そうです。あの人間サイズの『エクサダイト』は、凄まじい魔力を持ち、様々なアイテムを排出し、我々に恩恵(おんけい)を与えてくれるのです。しかし、利用には特別なチケットが必要でして、入手は困難を極めます」


 トリスタンは、バカ真面目に説明してくれた。


「すげえな。アレだけでかいと、なんだかおっかないな」

「どうします? 良かったら、ガチャを引いてみますか?」


 せっかくここまで来たし、少しくらい良いかもな。


「じゃあ悪いけど、寄り道させてもらうよ」

「どうぞ。私としても、何が出てくるのか興味がありますので」


 なるほど――トリスタンも酔狂ってわけか。


「んじゃ、引く」

「どうぞ。【エクストラチケット】ですから――『エクストラガチャ』ですね。【使用】でガチャが開始されます」


「へえ。じゃ、いっくぞー!! っと、その前にフォル。手を繋いでくれ。お前の幸運(フォーチュン)が欲しい」

「え……わたくしが……欲しい!? う、嬉しいです♪ 兄様!」

「か、勘違(かんちが)いするな! お前の幸運(・・)が欲しいと言ったんだ!」

「分かっていますよ♪」


 俺は、フォルの手を(にぎ)った。


 そして、みんなの注目が一斉に集まった。



「レジェンドレアきやがれ~~~~~~~~~~~~!!」



 キュピ――――――――――ン!!


 ガチャガチャ……ボコォォォ――――――!!



 と、謎の効果音が響き渡った。



 なんだそりゃ!



 で、それは出てきた。



 お――?



 【 封印されし者の邪眼 】



 コロッ……とまぁ、俺の(てのひら)にそんなベトベトな、グロすぎるモンが落ちてきた。



「――――――ぬ」



 ヌメヌメー…………



「ぬめぬめええええええええええええええええええええ!?」



「「「「「ギャアアアアアアアアアアアアア―――――――!?」」」」」



 みんなもそのギョロ目を見てビックリした。


「うわああああああ! なんだこの目、気持ちりィ!!」



 どこが【エクストラ】なんだよ!!

 しかも、レジェンドレアですらなさそうだぞ!?


 俺はそれが不気味すぎて、地面に投げ捨てようとしたが――



「――――なんという神引き。これは、もう奇跡としか言いようがありません」



 この声……どこかで………。


 あれ。



 そして、少年は俺たちの前に現れた。



 なんという(さわ)やかな笑顔。



 あの砕けた笑顔は間違いない――



「アーサー少年……」

「お久しぶりです、サトルさん。それに、皆さん」


 ペコペコと低姿勢で挨拶を交わすアーサー少年。

 変わっていない、ちっとも。


「トリスタン、よくぞサトルさんたちを連れてきてくれました」

「当然の責務であります。王の為ならば、どのような命であろうと遂行致しましょう」


「つか、アーサー少年がなぜこんなところに。君は確か、【聖地・パーシヴァル】の復興支援をしていたんじゃ」


「はい。確かに【聖地・パーシヴァル】の一件――『アルティメット・デス・アナイアレイション・ドラゴン』討伐では大変お世話になりました。ですが……」


 アーサー少年は辛そうな表情を見せ、だが、振り絞って言葉を出した。



「聖地・パーシヴァルは再び滅びました」



 …………え。



 聖地・パーシヴァルが滅んだ……?



「な……滅んだ」

「はい……残念ですが」


「なにがあった! 教えてくれ!」

「ええ。その為にも、あなた方に【エクストラチケット】を握らせたのですから」



 うげ!


 まさか、あのメサイアに言い寄っていた男って、そういう事だったのかい!!


 身に覚えのあるはずの当人(メサイア)は、キョトンとしていたがな。



「なんてこった。俺たちはアーサー少年の掌で踊らされていたわけか」


「人聞きの悪い言い方をしないで下さいよ~サトルさん!

 それより、大変なんです! 聖地・モードレッドから脅威が迫っています。竜殺し……『ドラゴンキラー』がこの聖地・トリスタンを滅ぼそうとしているのです!!」



「なんだ!? なんの話だ!?」



『慌てない慌てない。サトルさま、どうか我がアーサーをお守り戴きたい』



 落ち着いた声が場を支配した。


 なんかまた出てきたぞ!


 てか、この声といい……あの角といい……!!



「あ! モンスターレース会場にいた……イゾルデの協力者!」


 捕まえたはずのベルが驚いていた。いや、俺も驚いた。


「見覚えがあると思ったら……そういうことか」


 アーサー少年といえば、傍に付き添っていた女性がいた。


 彼女の名は――。




「マーリン」




「これはこれは、憶えていらしたとは光栄の極です。さて、手っ取り早く行きましょうか」



 マーリンは指を鳴らし――



 なんと……いきなり、俺たちを別の場所に飛ばしやがった。



 これは【テレポート】か!?



「……どこだ、この砂漠!」

「聖地・トリスタンの外です。さあ、あと数分後には巨大な『ドラゴンキラー』が降ってきます。それを皆様に阻止して戴きたいのです」


「はぁ!? んな無茶な!!」



 マーリンのヤツ、なにを言って……。



「マーリンの言っていることは本当です。僕を信じて、サトルさん」

「アーサー少年……。おまえ、ベルに抱かれてんじゃねーぞ、クソ羨ましいな!」

「え……うわ! ベルさん、なぜ僕に抱きついてくるんですか!?」


 そや、前の【聖地・パーシヴァル】でも、ベルは、アーサー少年を気に入っていたな。くぅ~マジでそこ変われ!!


「いや~だってさ、アーサーくん、ふわふわしててさ~小さいし。なんかね、子供の頃の理くんにソックリなんだよね」


 むぅ。怒っていいやら何やら。


 ――ってそりゃいい!!


「ああもう……次から次へと。じゃ、なんだマーリン。俺たちがその『ドラゴンキラー』を何とかすりゃいいんだな」


「ええ、お願いします」



 しゃーねえ。

 やるしかねーだろ!!



「メサイア、俺にフル支援を! フォルは『グロリアスサンクチュアリ』を聖地全体に張ってくれ。それとベルは、アーサー少年を守れ。リース、いざとなったら……【アルマゲドン】の使用を頼む。いいな」



 みんな静かに頷く。



「サトルさん。僕もあなたに力をお貸しします」

「……え。アーサー少年が?」


「はい。僕には特別な力(・・・・)があるんです。サトルさんになら任せられますから。どうか、コンスタンティンに渡らぬよう使って欲しい」



 アーサー少年は『黄金』に光りはじめた。



 この光――。



 この聖なる光は、まさか。

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