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【コミカライズ】全自動攻撃【オート】スキルで俺だけ超速レベルアップ~女神が導く怠惰な転生者のサクッと異世界攻略~  作者: 桜井正宗
第二章 聖地巡礼

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第113話 指輪の真実

 結局、みんなの力を借りることになった。

 パロにも、重要な部分以外を話して協力してもらうことになった。あの小さき槍騎士少女には、このリースの家を守護してもらうことに。


 若干、心もとないが……安全な場所でもあるし、きっと大丈夫だ。



 ベル、フォル、リースはすでに、軍が現れるだろう出現ポイントに向かったはず。その別れの際、俺はリースから指輪――『ユニリング』を渡された。それをどうして俺に? と聞いても、答えてくれなかったが、親父さんに見せれば役に立つと、どこか寂しそうに言っていた。


「よし、メサイア。手筈(てはず)通りに行くぞ」

「ちょっとまって……。その、さっきマニキュア塗り直していたせいで、お腹空いちゃって……」


 と、メサイアは両手を俺の目の前に。黒い爪と謎の模様が入ったをマニキュアを見せてくれた。つーか、なんだその『放射性標識』のようなマーク。怖すぎるわ。


「まあなんだ、その爪はともかく……何も食ってないのか? 緊張感ないなぁもう」

「そんなこと言ったって~…」


 メサイアは涙目になっていた。

 そんなに空腹なのかよ。


「分かった。これが無事に終わったら、腹いっぱい食わせてやる。それまでは我慢するんだぞ」

「うー…。わかったわ。じゃ~、サトル、おんぶして。お腹減って歩けない」

「やなこった。自分の足で歩け。いくらお前の感触が味わえると言ってもだなー…よし、おんぶしてやろう」

「……なんか複雑ね。まあいいわ、お願い」


 俺は、久しぶりにメサイアをおんぶした。軽ッ……!

 見た目は、ムチムチしてるクセに本当に軽いなぁ。……もしかして、俺の筋力パラメータのせいか。



 ◆



 リースの親父さん『ベラドンナ』の部屋をノック。

 しばらくすると『入れ』と短く返事があったので、俺は入室した。


「夜分失礼します」

「本当に失礼なヤツだ。まさか連れを背負ってくるとはな……。まあいい。私の可愛い娘にベタベタされるよりは数億倍マシだからな。

 それでなんだ、私に何か用かね。言っておくが、私はこれでも忙しいのだよ」


「親父さん。今夜にもアヴァロンは滅ぶ。俺はそれを救いたい」

「いきなりなんだ。アヴァロンが滅ぶ? 何をバカげたことを。くだらん。そんな戯言を言いにわざわざそんなふざけた状態で来たのか。私をからかっているのだろう? 娘を、リースを取られたくなくてな」


「お義父(とう)さんこそ、相変わらず『ふんどし一丁』じゃないですか……」

「お義父(とう)さん!? ……う、うるさい。ふんどし一丁で何が悪い。裸よりはいいだろ。いいか、私は裸族で――そんなことはどうでもいい。

 いいか、これ以上は、君たちを家には置いておけん。明日には出て行ってもらう。いいかね。もしまだ居座るというのなら、リースはもう君たちと一緒には……」


 親父さんの言葉を(さえぎ)るようにして、金属音が静かに響く。

 示したそれが黄金色に輝き、一瞬の時を止めた。


「……そ、それをどこで……」


 俺の手にしている『ユニリング』を見て、親父さんは表情を変えた。あの悲しげな顔……そうか、やっぱりこのリングは。



「ネモフィラ……」



「親父さん。俺はこのリングをリースから託されました。この意味、分かりますか?」

「……あぁ。そのリングは妻の形見。リースは、子供の頃からそれを肌身離さず、ずっと持っていた。それをサトルくんに託したということは……キミをそれほどに信頼しているという証。娘がキミを信じているんだ…………私も信じよう」


 そうか、リースはこの為に。

 ありがとう。


「……親父さん。ぶっちゃけます。この家の良き隣人『カタバミ』が犯人です」


 細かい説明は面倒なので、(はぶ)いた。

 その結果……


「ぬあぁあぁぁにィィィ!!! あのバカタレが!? おのれ、カタバミィ!! エルフの面汚しがあああああ、許せん!! 絶対に許せん!!! 我がアヴァロンをよりによって、あの鬼畜コンスタンティンに売るとは……ゲロクソ売国奴(ばいこくど)がッ!!! 私のふんどしで絞め上げてやる!!!」


 あわわわわ……!

 親父さん、超怒ってるよ。怒り狂ってるよ……。


 俺はどうしたらいいか分からなくて、代わりにメサイアがなだめてくれた。


「お、落ち着いて。ベラドンナさん。これから、ヤツの家に殴り込みに行くんですから、ぜんぶ吐かせましょ。それから今までの恨みを込めて、全力で制裁してやればいいと思う」


「女神のお嬢ちゃん……。そうだな、よし、私は出来る限りの同胞を呼ぶ。今すぐにだ!」


 メラメラ燃える親父さんは、目を閉じ、まるで『テレパシー』を送るかのように目を閉じた。……まさか!



「……ふっふふ。賛同してくれたみんなも来てくれる。さあ、行こう」


 リースの親父さんは、ニヤリと悪い笑みを浮かべた。

 どっちが悪者だか分からん表情だ。


 けどま、ここからが逆襲の始まりだ!

いつも応援ありがとうございます。

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