(58)二人の関係
やっと手紙を書き終え、床に就く。明日——否、今日は「予言」の四番目。
運よく休暇と被り、エリナさんを含めた五人で魔物の討伐に向かう。
この、日程の決まった「予言」の処理にも慣れ、一種のイベントのように感じてきた。そこに、めんどうだという感情はなく、むしろ「やらなきゃいけない」と
モチベーションに満ち溢れている。
このエネルギーがどこから生まれているのかは分からない。
とにかく俺は、何かに突き動かされ、明日も魔物の討伐に向かうのだ。
翌朝。出発前に軽くミーティングをすることに。
「じゃあ改めて。今日の目的地はゲルプ砂漠。そこに出現する予定の魔物を撃破するわよ」
「砂漠か……」
ただでさえ厳しい環境の砂漠。
そんな場所で、暑いのが苦手なリーフさんが戦闘を行うのは、拷問に等しい。
「そうよね。リーフに限らず、我々としても砂漠での戦闘は避けたかったわね」
「日焼けしちゃう……」
「それね、それ」
「大問題ですね」
女性陣は大変だ……なんて悠長なことは言っていられない。
砂漠の日差しは危険なレベル。体は防具を身につければいいが、顔に対しては対策が必須だ。
「……そこで、座標地点に行く前に最寄りの集落でフード付きのマントを買おうかと思うの」
砂漠探索といえばコレ! と誰もが想像するようなマント。
砂漠近郊の集落であれば手に入るという希望的観測でもって話を進めた。
数時間の馬車旅を経て、座標近郊の集落に到着した。
女性陣はマントを探しに行った。俺とリーフさんは馬小屋を探しに歩いた。
今考えてみればリーフさんと二人というのも珍しいかもしれない。
「なあ、ユウ」
「なんです?」
「こういう機会だから聞いておきたいんだが」
……何だろう。
「告白ですか? 俺は男性には……」
「ちげぇよ!」
……でしょうね。
違ってくれないと、俺としても困ります、はい。
リーフさんは咳払いをし、改まった様子で質問を投げてきた。
「お前とアイシャのことを、な」
予想だにしていなかった内容に、少し緊張しながらも俺は言った。
「俺たちのこと、ですか?いったい何を……」
「なんていうんだ、その……お前たちは幼馴染なんだよな?」
「ええ」
「……恋仲とかではないのか?」
……。
「まあ……そこは何とも言えない感じですかね」
そう。何とも言えない。どちらかがどちらかに交際を申し出たわけじゃない。
昔からの仲が進展したのは間違いないだろうが……。
「幼馴染にしては、お前らの結束は強すぎると思ってな」
……まぁ否定はできない。
「お前らをそこまで強く結びつけるものは何なんだ?」
「…………」
話すべきか迷い、少し黙ってしまった。
「いや、すまない。話したくなければいいんだ。忘れてくれ」
「いえ、大丈夫ですよ」
ずっと心に閉じ込めておくくらいなら
いっそ誰かに話した方が楽だと判断した俺は
リーフさんに記憶を話すことにした。




