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【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
番外シリーズ
269/269

【番外2021.12.30】贈呈と聖夜。(5)

 色々とあって、やっと北部の丘まで来れた。

いつ来ても綺麗な景色だが、今日は祭りの景色も加わって、いっそう美しくに見える。


「綺麗……」

「だな」

「やっと、二人になれたね」


祭り会場では、どこもかしこも人だらけだった。それに、あそこには友人や班員、変な酔っぱらいが居て、二人で居るのに二人でない感じがしていた。邪魔だとか言う訳ではないが、こうして静かな場所で二人きりだと、心が落ち着く。


「ユウ」

「ん?」


それまで俺の右腕にしがみついていたアイシャは、今度は、俺と景色の間にぴょこんと躍り出た。


そして——


「……」

「寒いから、仕方ないよね」


正面から抱き着かれた。冷えた体に、彼女の暖かさを感じる。


「ああ、しょうがないな」

「……ねえ」

「……言われなくても、分かってるよ」


アイシャの身体に腕を回し、しっかりと抱き寄せ、彼女にキ——


《おお、遂に接ぷ——》

「「……」」

《「もう、なんで肝心なところで邪魔しちゃうの⁈」》


——はい?


《すまぬすまぬ。あまりに焦らすものじゃから、つい声に出てしまったわ》


——な、何で


「何で、サラと「神」がここに……?」

《さあな。聖夜とやらだからではないか?》

「説明になってないよ……」


台無しだよ、全く。


《良いぞ。余らに構わず続けてくれ》

「「出来るか!」」

《「うう……ごめんね、二人とも」それよりもどうじゃ、余にもして見せよ!》


口をとがらせて、人差し指で自身の唇を指す「神」。


「するかアホ」

《なんじゃ、つれないのう「なんてこと言うの、バカバカ!」おい小娘、そんなに心拍数を上げては「わーっ! とにかく邪魔しないで!」》

「……うるさい」

《「ごめんね、アイシャ。もう消えるから‼ じゃあ——」待て、小娘》


その静止には、先ほどまでとは違う、いたってまじめな意思が含まれていた。


サラが止まったのも、俺たちが「神」に視線を向けたのも、遵守に従ったからではなかった。


《余にはもう、悉くを滅する力は無い。奪ったのは主らじゃ》

「「……」」

《どんなに醜い世界となろうとも、主らだけは逃げ出すことは許さぬぞ? せっかく機会を与えてやったのじゃ。その強靭な意思、その愛とやら、最期まで——》

「あんまり図に乗るなよ、神様」

《?》

「俺とアイシャがこうして一歩前に進めたのは、俺たち自身が勝ち取ったからだ。お前からのプレゼントなんかじゃない」

「止まってたのも、進んだのも、私たちが勝手に決めた事」

「そういう事。お前の意思なんか、俺たちにゃ関係ねえよ」


そう。


騎士の道を選んだのも自分。


呪いをかけたのも、祓ったのも。


この景色を見に来たのも。


全部、俺の意思だ。何一つ、他人から贈呈されてなどいない。


《そうか。ふふふ、神ともあろう余が、主らの未来が楽しみになって来よったわ》

「邪魔したのはお前だろ、黙って観てりゃよかったのに」

《そうじゃったな。では、余らはここで消えるとしよう。小娘、もう良いか?》


さっきから思ってたけど、けっこう仲良しじゃん二人……。


《「幸せに暮らしてね。それが、私の願いだから」》

「おう」

「任せて」

《最後に一つ訊きたいのじゃが》

「何だよ、次から次へと」

《帰還後はどうするのじゃ⁈ 邪魔の入らぬ部屋で先ほどのリベンジをするのじゃろう? その後じゃ! どこまで行くのじゃ⁈ もしや——》

「うるせえさっさと帰れ!」

「ふふ」


——え、何に笑ってるんですかアイシャさん?


《そう怒るな。ではな》

「帰れ帰れまったく。サラも、じゃあな」

「じゃあね」

《「うん。じゃあね」》


数秒手を振っていると、「神」とサラは虚空へと消えて行った。


「……ユウは、やだ?」


——貴女まで何を仰っているのですか。


「さっさと帰るぞ」

「もう、素直じゃないな~」


彼女の手を引き、足早に屋敷方面へと進んでいった。





【番外】贈呈と聖夜。——完——


やっと完です。イベント物は事前に仕上げとけ(憤怒)。


ところでもうとっくに終わりましたが、クリスマスね……。

私もパートナーの一人や二人、三人四人くらい欲しいものです(色欲)。

我こそはと言う方、待ってます(怠惰)。よし、募集したし来るでしょう(傲慢)。


……とまあ、今年もチキンやケーキを貪り(貪食)、テレビでイルミネーションの

ニュースなんかを見ながらやり場のない感情を抱いていたわけです(嫉妬)。


では、これにて。

ぜひ「宣誓のその先へ」本編も、すべてご覧ください(強欲)!!

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