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【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
【十八話】沈静と変造。
205/269

(205)暗躍

 外とは空間的に切り離された場所。

まるで夜空のような空間に、真っ白な青年が一名。


あぐらをかき、あごに手を当てて考え事をしている。


《う~ん、なかなか上手くいかないものだなぁ……》


紙に書かれた何かの記録を見ながら、彼は嘆く。


《おじいさんは孫を守って死んじゃうし……それなりに自信があったテンマの戦士も、あの二人に……。どうするかな……》


う~んと呻きながら、更に思考を巡らせる。


《ユウとアイシャ、か……。あの二人は本当に厄介だな……》


彼の脳裏に、魔王討伐戦での光景がフラッシュバックする。


《あの光——ふふっ、心の光、か。それなりに高い受容力を持っている二人が、全く同じ感情を元に心を一つに……。いや、三人だったのかな……? でも三人目はいないはずだし……はあ》


ため息を一つつき、視線を上方へともっていく。


《感情か……。ユウ、アイシャ。二人の感情が、互いに引き寄せ合う愛だとすれば……その力に対抗できるのは……憎悪、とか? マオウは憎しみを——だから負けた……》


青年は、はっと何かに気付いた様子で、目を輝かせながら立ち上がった。


《やっぱり、憎悪だ! よし、行けるぞ、今度こそ!》


いたって純粋な好奇心でもって、彼は続ける。


《そうと決まれば、実験だ! 必要材料は……ユウかアイシャに激しい憎しみがある人物と、無い人物……かつ、ある程度——おじいさんくらいには戦える人材、だな》


今しがた思いついた名案を忘れぬよう、紙に記録を残す。


《よし、よし! ごめんね、二人とも。もう、用は済んだんだ》


——ふふっ


小さく笑い、いたずらを企む子供のような笑顔で言った。


《——さようなら》






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