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【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
【二話】少年と少女。
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(15)旧友との再会

屋敷から目的地、アルプトラオム基地までは二時間弱。

移動中は各々、装備の点検や仮眠をした。


そしてあっという間にその時は来た。

馬車が止まり、全員降車。本作戦の最高司令官が出迎えてくれたらしい。

お姉ちゃんがお姉ちゃんとは思えない表情や態度で接している。


「魔特班各位、到着いたしました」

「諸君らの協力に感謝する」

「いえ。我々は今回班を三つに分け、一班に二名、二班、三班に一名ずつ参加しようと考えています。司令官から承認を頂ければ、ですが」

「構わんよ。君たちは騎士団から独立しているんだ。自由にやりたまえ」

「ありがとうございます。では」


お姉ちゃん——いや、班長はこちらに振り向いた。


「各位、作戦通り各班に合流。昨日、及び先刻指示した内容は遵守するように。作戦終了後はこの場所へ集合」


了解、と全員で返事をし、各班の元へと散った。



 一班に合流と指示された俺たちは急いで指定された場所へ向かった。

解散場所から数分歩くと、だんだん人の話し声が聞こえてきた。

さっきから人の隊列は見えていたが、声を聴くとその人数の多さを実感させられる。


さらに歩いて列のもとに到着した。


「すみません、魔特班の者です。この班の司令官はどちらに?」

「ん?ああ、司令官ならあっちだよ」


教えてくれた騎士は、列の中央の方を指さした。


「わかりました、ありがとうございます」

「アンタ、ユウだろ?」

「え? そうですけど……」

「騎士校で有名だったぜ、超強いってな」

「いえ、そんな」


どうやら有名人らしい。

恥ずかしさと優越感とが共存したような気持ちだ。


「まあ謙遜するなって。もしかして、この班に入るのか?」

「はい、僕とこの……」

「アイシャ、だろ?」

「どうも」


アイシャは丁寧に会釈をする。

外面の良さに感服いたしました。


「お前たちがここに参加するなら、楽な戦いになりそうだ」

「全力はつくしますけど……」

「頑張ってくれよな。おれもやるだけやるが。っと、引き留めて悪かったな」

「いえ。では失礼します」


あまり油を売るわけにもいかないので、すぐ司令官が居ると言われた方へ。

隊列の真ん中らへんにつくと、確かにそれらしい人が居た。


「失礼いたします。魔特班の者です。班長より指令を受け、こちらに参加することになりました」

「そうか。私は司令官のカミュだ」

「ユウです」

「アイシャです」

「合流したばかりの所悪いが、間もなく作戦開始だ。そっちの班長から他に指示は?」


あったにはあったが……。


「ありません」

「ほう。では君たちの好きなように戦いたまえ。その力、期待しているよ」

「ありがとうございます」


礼をし、指揮官が下がるのを見送った。

一班は二列で横に並んでいる。

さらにその後ろから状況を視、指示を出すのだろう。

俺たちは自由にやれと言われたので、前列中央へ行った。


「アイシャ、周辺の人にだけでも事情を話しておこう」

「そうね」


まあ左右五人くらいずつに話せばいいか。


一人、二人、三人、四人。順番に声をかけた。

そして最後の五人目に、もう慣れた説明をするために

声をかけようと顔を見ると、俺もその人も互いを指さして


「あー‼」


とそこそこの声量で言った。

騎士校時代の友人だった。


「クリス!久しぶり」

「おおユウ、もう半年以上か! どうだ、アイシャとは」

「久しぶりに会ってまずそれか」

「お前と言えばアイシャだからな」

「まあ変わらずさ。そっちは? 何か面白いことはあったか?」

「いや、上官に絞られる毎日さ。この作戦が成功したら有給貰えるらしいけど」

「そっか、大変そうだな」

「お前はどうだ? やっぱり魔特班の班長はキツ感じか?」

「あ、いや、おね……班長は全然。親しみやすい良い人だよ」

「そっか、アタリの上官だな。おね?」


お姉ちゃんと言いかけたことに食いつかれた。


「こっちの話さ。近々飯でも食おう、有給が出たらな」

「そうだな。って、そういえばここで何を?」


あ、忘れてた。


「そうそう、それを言いに来たんだった」


この班に俺とアイシャが参加する、という説明をした。


「お前たちがここにか。有給は決まったようなものだな。助かったぜ」

「気ぃ抜くなよな」


あまり長話をするわけにもいかないので

その場はいったん別れ、元の場所に戻った。


アイシャは先に戻っていた。


「長話でもしてたの?」

「ああ悪い。クリスが居てさ。ちょっと話してた」

「クリス……? ああ、トイレで紙が無かった人ね」

「そういやそんな事もあったな」


なんて酷い思い出し方。


と、その瞬間。


爆発音と火薬のにおい。

空には赤色の火花が散った。


作戦開始の合図だ。


会話を楽しむ暇もなく、俺たち一班は前進を開始した。


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