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【完結】宣誓のその先へ  作者: ねこかもめ
【十二話】扶翼と反抗。
129/269

(129)努力の成果

——第二訓練場。


三年生の準決勝が大盛り上がりって

聞いたアタシとマイは、観戦しにここへ。


得点板は……


「ユウ対ケニー。一対一、だって」


思った通り、ユウ先輩はここまで勝ち上がっている。

でもまさか、一本取られてるなんて……。


「第三試合、始め!」


模造剣同士が激しくぶつかり合う。すさまじい音を鳴らす。

そんな光景を見逃さないように目に焼き付ける。


数分間のぶつかり合いの末——


「一本! 勝者、ユウ!」


ユウ先輩が決勝に進出した。


「あ~、今年も決勝はユウとアイシャか」

「まあ、そうだろうと思ったよ」

「ケニーの奴もかなり惜しかったけどな」

「ああ。まさか一本取るとはな」


……なんて三年生の声が聞こえてくる。


「すごいね、ユウ先輩」

「うん。さすが、アタシの想い人ね」

「あんた、そっち方面は一切恥ずかしがらなくなったね」


……確かに。



 三十分後。ついに三年生の決勝が始まった。


「紹介します! 昨年度の技能成績一位! 魔特班候補生、アイシャ!」


会場の盛り上がりは、二年生決勝の比じゃなかった。

でもアタシはそれどころじゃない。

驚愕の事実を今ここで知らされちゃったから……。


「えっ? アイシャ先輩が一位? ユウ先輩じゃないの?」


あの日からずっと勘違いしてた。

とてつもなく強いアイシャ先輩。

でも、ユウ先輩はもっと強い。


そう思ってた。


「対するは! 技能成績二位! 同じく魔特班候補生、ユウ!」


頭が真っ白になった。


「ノエル、大丈夫?」


口をパクパクさせるアタシに、マイが心配そうに声をかけてくれる。


「う、うん。大丈夫。ありがとね」

「……始まるよ」

「だね」


会場が静まり、司会者が合図をする。


「これより模擬戦、アイシャ対ユウを開始します」


——緊張が走る。


「第一試合、始め!」


合図から一秒も経たないうちに、模造剣がぶつかり合う。


「頑張って、ユウ先輩」


アタシの応援とは裏腹に、ユウ先輩が押されていく。


そして——


「一本!」


アイシャ先輩の得点が、ゼロから一に変わる。


アイシャ先輩への歓声が上がる——。




 その後の第二試合はユウ先輩の一本。


けど、第三試合でアイシャ先輩が一本とって、

三年生の優勝はアイシャ先輩になった。


意外な事実を知って驚いたアタシだけど、一つ、希望を持っていた。


「いや~、凄かったね、先輩たち」

「ねえ、マイ」

「ん?」


 あの日から、アタシは成長できたのかな?

なんて疑問は、確信に変わっていた。

アタシは間違いなく成長してた。


だって——


「見えたよ。目で追えた」

「……?」

「アイシャ先輩の動き、見えたよ」

「え、マジ?」


何も見えずに敗北したアタシは、努力の末

先輩の動きを見ることが出来るようになった。


ユウ先輩の訓練を見学してたのは、大正解だったかもしれない。

あの時の覚悟が、またアタシの中で燃え始めた。


どうしても我慢できなくて、行動に出た。


「マイ」

「どしたの?」

「先輩たちの所に行こう」



——控室前。


出てきたおしどり夫婦に声をかけた。


「優勝おめでとうございます、アイシャ先輩」

「ノエルちゃん……? うん、ありがとう」

「先輩」

「うん?」

「もう一度——」


アイシャ先輩は笑顔。


「もう一度、アタシと勝負してください!」


アタシの覚悟を見てもらうために!




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