モブ、打ち合わせ。
ラフィー義母様とロッテ先生が訪問に来ました、出迎えをしようとしたら
「奥様はサロンでお待ち下さい」
とかなんとか色々言われて止められました
でも、先王妃のラフィー義母様を迎えない訳にはいきませんし、恩師のロッテ先生にもそんな失礼は出来ないと粘った結果
「仕方ありません、但し椅子に座っていて下さい、立つ事は許さないと旦那様から事使っております」
あら、ヴィルヘルム様はお見通しなのね。
でもちょっと立つくらいだいじょ
「奥様?」
背後から肩にポンと手を置かれて、首だけ向ける
「立つ事は許されておりません」
無表情で言われミシミシと、肩痛いわ、ごめんなさい・・・
「リリアンちゃん久しぶり、身体はどうかしら」
反射的に立ちそうになるも、横に居るアリアさんが頭を下げたまま言う
「奥様、座ったままで大丈夫です」
うーん、そう言われても失礼ではないですかね?
「ごめんなさいラフィー義母様、ロッテ先生、座ったままの出迎えなど・・・」
「リリアンさん、わざわざ出迎えしなくても良いの、妊婦なのだからベッドの上で待っていても誰も咎めないのよ」
「そうよ、それに今この国で1番の重要な人間なのだから、ルークが来たって寝てて良いのよリリアンちゃん」
「え、でも、って、1番重要?」
んん?
「あら、ヴィルは説明してないの?」
「え?何をですか?」
顔を見合わせるラフィー義母様とロッテ先生
「此処でする話ではないわね、場所を移しましょう」
「良いですかリリアンさん、疑う意図を持って聞くのではありません、貴方の子は誰の子ですか」
「それは勿論ヴィルヘルム様の、」
「そのヴィルヘルム様の父と母、兄は誰です」
それは、ガウェイン義父様とラファエル義母様、ルーク義兄様・・・
「え、まさかっ」
「そのまさかです、王族の子ですよ、現在唯一の」
「でも王位継承権を放棄した者の子ですよ、継承権有りませんよね!?」
「現在は、ね」
何ですかロッテ先生、その不穏な言い方。
「リリアンちゃん、貴女も解っていると思うけど、子は授かりものよ、産もうと思って産めるものではないわ」
「ええ、それはまあ」
私は運良く結婚後すぐに妊娠しましたが、現在の王家は子が少ない、血を繋げる事において最も必要とされる王家にとってはとても危うい話だ。
「わたくしもですしエリザもとても苦労しました、今後アルとアーサーに子が生まれる確証などどこにも無いのですよ」
「そして今最も若い王族を身籠っている私、つまりヴィルヘルム様と私の子が王家に入る事もあり得ると・・・」
「たらればの話よ、例えばルークが急死したら若いアルが即位とはならずにガウェインが復帰するかも知れないし、ヴィルが臨時的に王権を振るうかも知れない、未来は誰にも分からないわ」
あくまで最悪の最悪を考えると有り得る未来のひとつ、ですね。
「ごめんなさい、まだ子も生まれていない貴女に言う事では無かったわね」
「いえ、理解は出来ますから」
実際そうなった時に納得するかはまた別の問題ですけど。
「リリアンさん、先の事より私達に話があるのでしょう?」
「はい、ラフィー義母様とロッテ先生の力を借りたくて、ただその前にロッテ先生アリシアさんの指導受けて下さってありがとうございます」
「良いのよ、次代の次代だもの、子より優先する事なんてないわ、こういう時は手が空いている人間がやるのよ」
多分ロッテ先生の引退は次世代に場を譲る為だと思います、アリシアさんと私という良い機会が有ったから後継を託したのですが、恐らく元々以前から譲る機会は探っていた筈です。
今回、私が結婚後すぐに妊娠はロッテ先生でも流石に見通せなかった訳で、だからこそ私の妊娠の報に対してアリシアさんの家庭教師をすぐ受けて頂けた背景があります。
「でも、力って何をするの?」
「特別「何」という事はありません、今アリシアさんの所に私付きの侍女サラが居るのですが、アリシアさんには医療知識ありましてサラに妊娠について専門知識を教えています」
「彼女が1週間時間が欲しいと言ってきたのは、そういう事だったの」
「はい、本当はアリシアさんが私を診るつもりのようでしたが、彼女にも時間の余裕があまり無いので、サラに教えると言いまして」
私を助ける為に自分の時間を削る事になるのは嬉しいと共に、申し訳ありませんからね。
「私はその時間を取り戻す指導の修正という事ですね」
「はい、この際1週間丸々アリシアさんにあげても良いと思います、あちこちで頭を使うのは効率的ではありませんから」
「わたくしは?」
「ラフィー義母様は、侍医とそれに準ずる能力のある人をアリシアさんの講習に何人か受講出来るように手配して頂きたいのです」
今回は妊娠特化の知識のみになりますが、基本命懸けの出産に現代知識は力になってくれます。
ラフィー義母様は長年病気を抱えていたガウェイン義父様の側に居たので、自身が相当の医療知識を勉強していますし、特に医療に強い人材とは交流がありますから適切な人間を選出して下さるでしょう。
更には、アリシアさんの価値を示せますし、彼女の現代知識を広める事が出来ますから良い事尽くしです!




