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モブ、ヒロイン退治。

「騙しました、で?何か今貴女に不都合は有りましたか?」

「そんなのっ!」

「・・・」

「・・・」

有りませんよね、どちらかと言えば利点の方が多いくらいです。


「まあ、騙した、脅した、この点に関しては謝罪します、ごめんなさい、でも貴女も自分の状況を正しくご理解出来ましたよね?」

にこり。

「ぐ、あんた良い性格してるわね」

「それなりにいい性格していないと貴族社会で生き残れませんよ、それよりアリシアさん、貴女なんでここまでゲームの世界だなんて思っていたのよ」

お陰で、このタイムスケジュールよ、もう。

「だって、姿がヒロインだったし、サブカルチャーなんてそのまま日本だったし・・・」

「・・・、アリシアさん、サブカルチャーって」


「本とか舞台にロミオとジュリエットとか、白鳥の湖とか、あとハリウッド映画とかラノベの内容も有ったし・・・」

あ、ああー、そこか!そこかあー!

「何よ・・・?」

「私よ」

「はあ?」

「それ、全部私が出した本よ」

「は、何言っているのよ、シェイクスピアにアンデルセン、イースト〇ッドよ、名前違うじゃない」

偽名(ペンネーム)よ、全部私が書き起こしたわ」

「・・・」

ポカーンと口を開けて黙りましたね。


「モブ子あんた何やってるの!著作権とか、その、色々あるでしょ」

「ここは、地球でなければ、日本でもありません、何か問題でも?」

「それは、そうだけど、パクリじゃない!」

「いいじゃないですか、パクって誰か不幸になるんですか?

それに私利私欲に使った訳じゃありませんし、細かい事は気にしないでよ」

領地と色々な開発に使って、国に還元してるし。


「あんた、本当にいい性格してるわ、って・・・、あんた、ちょっと!」

「何ですか、別に法に触れる事はしてませんよ」

「違うわよ、あんた「このせか」って本っ」

「あら、読んで下さってるの?ありがとう、あれは私のオリジナルの本よ」

「あああっ、私ファンなのに、大好きなのに嘘よっ」

「ファンなの?ありがとう、サイン欲しい?」

「うるさいっ、欲しいわ!著者のリリモーブ・ラカンって」

「私ね、あとラカンじゃなくてラックアン、リリモーブ・ラックアンよ、良く間違えられるのだけど」

「そう言われると、並べ替えたらそのままリリアン・モブラックじゃない、あああ・・・」

「なあに、私が本書いてたらイヤなの?」

「イメージよ、作者イメージが、まさか同級生・・・」

「あら、それは褒め言葉ね、嬉しいわ、ほほほ」

さて、お巫山戯もこれくらいにしておいて。



「さてアリシアさん、取り敢えず私の事を「モブ子、あんた」と言うのは止めた方が良いわ、私は公爵夫人だし、そもそも「モブラック」の姓ではないわ、結婚したからクロイツェル公爵夫人よ」

そう言うとアリシアさんはポカーンとした顔、何ですか今度は・・・

「あ、あん、いえリリアンさん、結婚したの!?15歳よ私達」

「ええ、先月」

「先月!?」

「因みにさっき部屋に来た方が旦那様よ」

「アレがっ!?」

アレって、何ですか失礼な。

むっとしていると、アリシアさんは何を勘違いしたのか

「貴女苦労しているのね、その歳であんな男の所へ嫁ぐなんて・・・」

同情したような目で見てきます


「・・・、何を思ったか大体察しが付きますが、私とヴィルヘルム様は恋愛結婚ですよ」

「嘘ぉっ!」

心底信じられないといった様子で驚いています。





さて、ひと息ついて。

「こほん、私の事はどうでも良いのです、問題はアリシアさん貴女の事です、指導受けて頂けますか?」

「分かったわ、他に道が無いのでしょう?」

「無いわ」

「やるわよ・・・、周りに迷惑も掛けっぱなしで逃げてられないし、それにアーサー様を好きなのは本当なのよ」

「良い心掛けね、容赦なくいくから宜しくお願いします」

「で、どうするの?」

「今回は顔合わせだけよ、アリシアさんの出方次第でどうするか変わっていたの」

「出方って、例えば私が断ったら」

「国王陛下が私に依頼して、その私の教育を断る、その意味がお分かりですか?」

にこー。

「ごめんなさい、頑張るわ・・・」

ええ、懸命な判断です。

「一先ず1年で形にするわ」

「1年って、そんなに急がなくても・・・」

「私が依頼されたのは王子妃教育を受けるに相応しい教養、つまり王子妃教育は別なの、私の所で時間を掛けていたら王子妃教育に余裕がなくなるわ、だから1年と言っても更に時短するくらいの予定で進めます、エリザ義姉様、王妃様が王子妃教育を務めますので、その後丸々2年は使えるようにしていきたいですね」

「待って、待って?リリアンさん貴女、王妃様の事を義姉様と言ったの?」

「言ったわよ」

「何故」

「私は義理の妹だから」

「何故」

「私はヴィルヘルム様の妻だから」

「だから、それが何故義理の姉妹になるのよ」

はあー、本当にゲーム以外は知らないのですか・・・

「アリシアさん、いいですか、私の夫であるヴィルヘルム様は現国王陛下の実弟です、つまり私にとって国王陛下は義理の兄ですし、王妃様は義理の姉となります」

「・・・」

ポカーン顔は今日何度目ですかね。

「私は王弟に嫁ぐだけの教育を受けて来ました、だから王子妃になろうとしている貴女の家庭教師に抜擢されたのですよ」

「え、そうなると私と貴女は・・・」

「アリシアさんが王家に嫁いだら義理の叔母、姪となりますね」

「貴女何なの・・・」

「サラリーマンの記憶を持つ、元子爵令嬢、現在公爵様の妻で、モブ」

「そんな経歴を持っててモブな訳ないでしょ、よっぽど貴女の方がヒロインらしい体験してるじゃない」

「私はヒロインである事に魅力を感じないもの、ヴィルヘルム様の隣に在ればそれで良いの」

「いや、その思考自体が正にヒロイン・・・、もういいわ、ゲームでなく現実だしね・・・」




その後、アリシアさんの学園での評価と立ち位置を全て説明するとベコベコに凹んでいました。

良い機会です、この際これまでの全てを反省して下さいませ?


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