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モブ、新しい友人。

事の顛末を聞き

「おめでとうございます、で良いのですよね?」

と言うと

「ええ、お世話になりました、ありがとうございます」

と笑顔のライラ様。

しかし、赤髪君ことロイ様は下手を打ったと言いますか

今回の件が無ければライラ様に手綱を奪われる様な事にならなかった気もしますね。

ライラ様は今回の事で吹っ切れたのか、愛した者は逃がす気には見えませんし、今後手綱を返す事も無いような気がします。

ご愁傷様です、ロイ様?

手綱を半分でも返して頂けると良いですね!


「ところで」

と、ライラ様

「はい、何でしょう」


「今、話題の噂、知っておりますか?」

あ、何か嫌な予感してきましたよ、これ

「噂、と言うと?」


「ええ、どうやらヴィルヘルム・クロイツェル王弟公爵閣下に()()()が出来た、と」

やっぱりそれですか、いえ噂自体は意図的に流したものです、特に問題はありません

「ああ、聞き及んでいます、公爵様にも春が来たのですね」

本人です、知ってます。

「私、気になる事がありますのよ」

・・・、もう、本当に嫌な予感がしすぎて帰りたいのですが?

「気になる事、とは?」

「公爵様がお連れしていた方についてです、私が考えるに私達に近い令嬢ではないかと」

ジッと見詰めてくるライラ様、こちら鉄壁のポーカーフェイスで乗り越えます

「近い、と言いますと、例えば学園内の誰かと?」

ドキドキしながら探ります

「ふふ、そうですね、例えばモブラック令嬢、貴方とか」

ふぁっ!?

「わ、わた、しですか?違いますわ、いくら何でも、身分が釣り合いませんわよ、王弟公爵様と子爵令嬢では、何を根拠に仰るの?」

背中は汗がジワジワきています・・・

「勿論根拠もなくこんな事を言ったりしません、あの噂が広まった時期、モブラック様、貴方は足を怪我してましたね、私が怪我を負わせた」

「え、ええ」

「その時、貴方は1ヶ月程学園をお休みしました、丁度その期間ですわね、公爵様が件の令嬢を連れ歩いた時期も」

「ま、まあ偶然もありますのね、私、絶対安静と言われていたので療養しておりましたわ?」

家に居るとは言ってませんがね!


「良いでしょう、次に、その令嬢は足を怪我していたそうですわ、だから公爵様が令嬢を横抱きにしてお店に現れたのだとか、モブラック様、貴女足を怪我してましたね?」

「偶然も重なるものですのね、しかし足を怪我した令嬢を連れ回すなんて、私ならついて行けませんわ」

ついて行きました、ごめんなさい。


「後は」

まだあるの!?

「令嬢は見事な赤毛だったそうよ、顔は帽子を目深に被り公爵様に抱き着いていたそうで確認できなかったとか、モブラック様、貴女見事な赤毛ね?とても綺麗よ」

「あら、ありがとうございます、でも赤毛の方なんて他にも沢山居ますわ、大して珍しくもないでしょう?」

有り触れた赤毛です、何も問題ありません!

乗り切った思いでニコリと微笑を浮かべます、ほほほ。


と、ライラ様がため息を吐き、呆れたように言います

「モブラック様、貴女、所作はとても綺麗なのに腹芸は全く出来ませんのね」

「ふぇっ!?」

腹芸!?

「貴女、嘘が丸分かりですわよ」

「・・・」

うそっ!え、だってロッテ先生直伝の淑女教育は完璧・・・


いえ、思い出してみると「貴方はそのままでいいわ」と言われて、ため息吐かれた事があった様な・・・

え、嘘ー・・・

「・・・」


「モブラック様、いいえ、リリアンとお呼びしても?

私達きっと良い友人になれるわ、私の事はライラと」

うわーい、逃げ道なし!

「ライラ、この事は・・・」

お願い!言わないで・・・

「ええ、脅す真似なんてしませんわよ、あんな行動をしておきながら公に認めないと言う事は、相応の理由があるのでしょう?」

こくこくと首を縦に振ると、くすくすとライラ様は笑って

「貴女は本当に面白いわ、これからよろしくね?」

「よ、よろしくお願いします」


「この事はよく一緒に居るララエル様とルルエル様は知っているの?」

「あ、はい、知ってると言うか、こちらから明言した訳でなく、まあ昔からのお付き合いなので・・・」

「そう、それにしてもリリアン、貴女凄いわねどうやって捕まえたのよ」

通常、子爵家が出来る事じゃないわよ、と。

確かに爵位を考えると中々のウルトラCですよね、

「まあ、運が良かったんです、お披露目の時から・・・」

と言うと、ライラ様は目を輝かせて

「え、何!?お披露目の頃からって、お披露目は5歳でしょう?

その時からって本当に凄いわ、貴女やるわね!」

わあ、ライラ様も恋話好きですね?勘弁して下さい!



その後、何とか誤魔化し宥め透かし、逃げ切ったリリアンであった。




後日談

「ねえ、ララ、ルル、私の腹芸って丸分かりなの?」

と聞く、するとララとルルがお互いを見合わせ、ため息を吐くと

「「リリ、貴女はそのままで良いの、何も嘆く事はないわ」」

と唐突に慰められた、何故だ、解せぬ。

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